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ティアナ救出
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私は大きく息を吸って、大きく息を吐いた。私は手の中に出刃庖丁を出現させ、憎たらしいメグリダ王子に向かって言う。
「メグリダ王子、ティアナに傷一つつけてみなさい、私はこの刀で首をかききるわ」
メグリダ王子はあざ笑うように言った。
「これだから女は、すぐに死ぬだのぬかしおって。どうせ本気じゃないのだ」
私はお腹の底がグラグラ熱くなるのが分かった。猛烈な怒りの感情。だけど声は低く冷たい。私はメグリダ王子に向かって言う。
「見くびらないでくれる?私は保育士になる時心に誓ったの。もし私の受け持ちの子供たちが、命の危険にさらされたら、私は自分の命をかけて子供を守るって。メグリダ王子、貴方は自分では何もせず、小さな子供を脅して王になろうとしている。見下げた心意気ね。私は貴方の所に行ってやるけど、貴方を絶対に王だなんて認めない。例え両手足もぎ取られたって、メグリダ王子を王になんかさせない」
私の言葉にメグリダ王子の顔が赤黒くなり、醜く歪んだ。私はメグリダ王子を無視してティアナを見る。ティアナは私にこっちに来るなと叫ぶ。私は大きな声でティアナに向かって叫ぶ。
「ティアナ!貴女は自分勝手だわ!ティアナが死んだら、私もセネカもヒミカも悲しくって、辛くって頭がおかしくなっちゃうのに、もうティアナは私たちの大切な仲間なの!私たちの事を考えて!!」
ティアナは大きな瞳をさらに大きくして、そしてハラハラと涙を流した。私は自分の首に出刃庖丁を突きつけながらゆっくりとティアナたちに近づく。ティアナはゆっくりと目をつぶった。私はほっと息をはいた。どうやらティアナは私との交換に納得してくれたようだ。この後どうなるかわからないけれど、とりあえずティアナを助ける事ができそうだ。
突然、ティアナがギャアッと声をあげた。すると羽交い締めにしていた兵士の太い腕をこじあけ、兵士ののど笛に噛み付いたのだ。兵士はギャッと悲鳴をあげ、持っていた短剣でティアナの背中を刺した。私はキャアッと叫んだ。ティアナは刺された短剣をものともせず、暴れ回る兵士の胸に両足をついて、兵士を足場にして、クルンと一回転して私の目の前に着地した。私は慌ててティアナに近寄り、ティアナの背中に突き刺さったままの短剣を抜こうとした。けれど短剣が血まみれで、うまく抜けなかった。ユーリがすかさず短剣を抜き取ってくれた。ティアナの背中からはドクドクと血が流れ落ちた。私はティアナを抱きしめ涙を流した。ティアナの身体が輝き出す。ティアナの背中にできていた短剣の傷痕は、あとかたもなく消えていた。だけど私の涙は止める事ができなかった。ティアナが無事に戻ってきた安心感から、嗚咽まじりの泣き声になった。
「ああ、ティアナ、ティアナ良かった。ごめんなさい、痛かったわね?怖かったわね?」
私は子供みたいに泣きじゃくりながら、ティアナの血まみれの頬に、頬ずりをした。私の腕の中のティアナが小さな声で聞く。
「もみじ、あたしが怖くないの?」
私はティアナの頬を両手で優しく包んで、ティアナの目をしっかりと見ながら答えた。
「当たり前でしょ、優しくていい子のティアナ、私の大事なティアナ。いい?貴女はこれからもっともっと幸せになるの!死んでもいいなんて二度と言わないで」
ティアナの大きな瞳が、びっくりしたように見開かれ、そしてクシャリと綺麗な顔が歪み、涙がボロボロあふれ出た。
「もみじぃ、ごめんなさい」
私はうんうんと言って、ティアナを強く抱きしめた。狼になったヒミカがティアナにすり寄ってくる。私たちが抱き合っていると、その後ろに立っていたユーリが、目にも止まらぬ速さで、メグリダ王子の所まで走っていった。そしてメグリダ王子を後ろから蹴り飛ばすと、右足で踏みしめてメグリダ王子を立ち上がれないようにした。メグリダ王子がうめきながらユーリに悪態をつく。
「おのれぇ、バケモノふぜいがぁ、高貴な俺様を足げにするとは何事か。早くどけ」
「兄上は僕の事をバケモノと言いますが、小さな子供をおどして聖女を捕らえようなどと非道極まりない。貴方こそ人でなしのバケモノだ。リュートに聞きました。兵士に金を握らせ僕を暴行しろと指図したのは兄上だと。そして、僕が兵士の暴行によって死んだら、兵士にその罪をなすりつけようとしていたそうですね」
「半獣人を殺して何が悪い、人間こそ神に選ばれた存在なのだ。さぁ早くどけ!地に頭をすりつけて俺様に詫びるのだ」
ユーリはゆっくりと屈み込むと、メグリダ王子の左手を掴んだ。そして一気に後ろに引く。ゴキッと乾いた音がした。ギャアアッとメグリダ王子が叫び声をあげた。ユーリはゆっくりとメグリダ王子の背中から足をどけた。だけどメグリダ王子はその場にうずくまり、逃げる事もせず叫び続けた。メグリダ王子の左手はダランとしていた。ユーリかメグリダ王子の左肩を脱臼させたのだ。
私が保育園で働いている頃、年に何回は肘内障になる子供がいる。肘内障とは、肘の亜脱臼の事だ。小さな子供は、まだ肘関節が成長しきっておらず、輪状靭帯から橈骨が外れてしまう事があるのだ。子供たち同士で腕を引っ張りあったりすると、案外簡単に外れてしまう。そこで私は、近所の接骨院に泣き叫ぶ子供を連れて行く。そこには好々爺とした柔道整復師の先生がいて、子供の肘関節をあっという間に整復してくれるのだ。ぎゃあぎゃあ泣いていた子供は、急に痛みが無くなってポカンとしていた。
メグリダ王子はユーリに肩関節を外されて、あまりの痛みに悪態もつけないのだろう。森の中にはメグリダ王子を守る兵士が隠れていたとみえて、メグリダ王子の悲鳴に、六人の兵士が飛び出してきたが、狼のアスカとヒミカに倒されて気絶させられてしまった。私は、これからどうしようと考える。リュートたちの筋書きでは、人間側と獣人側の戦力が削られた後、リュートたち半獣人がメグリダ王子と獣人の王を拘束すれば、この戦争は終わると言っていた。だけど肝心のメグリダ王子がここにいては戦争が終わらない。早く戦場にメグリダ王子を連れていかなければいけない。
私がうんうん考え込んでいると、ティアナがしきりに私の顔を触っている。私の涙を拭いてくれているのかしら優しいのね。と思ったら、ティアナは私の側から離れ、自分が噛み付いた兵士の側まで走っていった。私が危ないわ、と声をかけようとすると、ティアナは痛みにうずくまっている兵士の横にしゃがみこんで、私の涙を兵士にかけた。兵士の身体が輝きだす。私は、ティアナがまた兵士に捕まるのではないかと思い、ティアナッと叫んだ。狼のヒミカは瞬時にティアナの前に立ちふさがり、ティアナを守ろうとする。兵士はケガが治って不思議そうに身体を起こした。ティアナが兵士に言う。
「噛み付いてごめんなさい、痛かったわよね?」
兵士はティアナの言葉に驚いた様子だったが、ゴクリとツバを飲み込んでから答えた。
「俺の方こそ、君を刺してしまった。すまなかった」
「大丈夫よ、もみじが治してくれた」
兵士は何が言いたげだったが、ティアナの顔を凝視して、がくりと膝をついた。私はホッと息をはいた、どうやらあの兵士は、もうティアナを傷つける気はないようだ。私はティアナの優しさに、また涙が出た。自分が傷つけられたのに、傷つけた相手を心配するなんて。痛みにうめいていたメグリダ王子が兵士に叫ぶ。
「おい!貴様、早く俺様を助けろ!そして聖女を捕らえるのだ!」
兵士は心底さげすんだ眼差しをメグリダ王子に向けてから、ユーリの側までやって来た。そしてユーリの前で膝をついて言った。
「どうかこれまでのご無礼をお許しください。ユーリ王子、わたくしめにご指示を」
ユーリは寛大にうなずくと、よく通る澄んだ声で言った。それはすでに王の風格のようだった。
「これより戦場にメグリダ王子を連行する」
兵士はハッと享受の返事をした。そうだ、早く戦場に行ってこの戦争を止めたい。そして早くセネカの無事を確かめたい。だけど殺し合いの最中、すぐに争いがしずまるのだろうか?ダグが言っていた聖女の予言。暗闇の世に、聖女の光が灯る時、聖女が新たなる王を指し示すであろう。私の頭の中にある考えがひらめいた。私は大声で仲間たちに声をかけた。
「ねぇ皆、力を貸して!」
「メグリダ王子、ティアナに傷一つつけてみなさい、私はこの刀で首をかききるわ」
メグリダ王子はあざ笑うように言った。
「これだから女は、すぐに死ぬだのぬかしおって。どうせ本気じゃないのだ」
私はお腹の底がグラグラ熱くなるのが分かった。猛烈な怒りの感情。だけど声は低く冷たい。私はメグリダ王子に向かって言う。
「見くびらないでくれる?私は保育士になる時心に誓ったの。もし私の受け持ちの子供たちが、命の危険にさらされたら、私は自分の命をかけて子供を守るって。メグリダ王子、貴方は自分では何もせず、小さな子供を脅して王になろうとしている。見下げた心意気ね。私は貴方の所に行ってやるけど、貴方を絶対に王だなんて認めない。例え両手足もぎ取られたって、メグリダ王子を王になんかさせない」
私の言葉にメグリダ王子の顔が赤黒くなり、醜く歪んだ。私はメグリダ王子を無視してティアナを見る。ティアナは私にこっちに来るなと叫ぶ。私は大きな声でティアナに向かって叫ぶ。
「ティアナ!貴女は自分勝手だわ!ティアナが死んだら、私もセネカもヒミカも悲しくって、辛くって頭がおかしくなっちゃうのに、もうティアナは私たちの大切な仲間なの!私たちの事を考えて!!」
ティアナは大きな瞳をさらに大きくして、そしてハラハラと涙を流した。私は自分の首に出刃庖丁を突きつけながらゆっくりとティアナたちに近づく。ティアナはゆっくりと目をつぶった。私はほっと息をはいた。どうやらティアナは私との交換に納得してくれたようだ。この後どうなるかわからないけれど、とりあえずティアナを助ける事ができそうだ。
突然、ティアナがギャアッと声をあげた。すると羽交い締めにしていた兵士の太い腕をこじあけ、兵士ののど笛に噛み付いたのだ。兵士はギャッと悲鳴をあげ、持っていた短剣でティアナの背中を刺した。私はキャアッと叫んだ。ティアナは刺された短剣をものともせず、暴れ回る兵士の胸に両足をついて、兵士を足場にして、クルンと一回転して私の目の前に着地した。私は慌ててティアナに近寄り、ティアナの背中に突き刺さったままの短剣を抜こうとした。けれど短剣が血まみれで、うまく抜けなかった。ユーリがすかさず短剣を抜き取ってくれた。ティアナの背中からはドクドクと血が流れ落ちた。私はティアナを抱きしめ涙を流した。ティアナの身体が輝き出す。ティアナの背中にできていた短剣の傷痕は、あとかたもなく消えていた。だけど私の涙は止める事ができなかった。ティアナが無事に戻ってきた安心感から、嗚咽まじりの泣き声になった。
「ああ、ティアナ、ティアナ良かった。ごめんなさい、痛かったわね?怖かったわね?」
私は子供みたいに泣きじゃくりながら、ティアナの血まみれの頬に、頬ずりをした。私の腕の中のティアナが小さな声で聞く。
「もみじ、あたしが怖くないの?」
私はティアナの頬を両手で優しく包んで、ティアナの目をしっかりと見ながら答えた。
「当たり前でしょ、優しくていい子のティアナ、私の大事なティアナ。いい?貴女はこれからもっともっと幸せになるの!死んでもいいなんて二度と言わないで」
ティアナの大きな瞳が、びっくりしたように見開かれ、そしてクシャリと綺麗な顔が歪み、涙がボロボロあふれ出た。
「もみじぃ、ごめんなさい」
私はうんうんと言って、ティアナを強く抱きしめた。狼になったヒミカがティアナにすり寄ってくる。私たちが抱き合っていると、その後ろに立っていたユーリが、目にも止まらぬ速さで、メグリダ王子の所まで走っていった。そしてメグリダ王子を後ろから蹴り飛ばすと、右足で踏みしめてメグリダ王子を立ち上がれないようにした。メグリダ王子がうめきながらユーリに悪態をつく。
「おのれぇ、バケモノふぜいがぁ、高貴な俺様を足げにするとは何事か。早くどけ」
「兄上は僕の事をバケモノと言いますが、小さな子供をおどして聖女を捕らえようなどと非道極まりない。貴方こそ人でなしのバケモノだ。リュートに聞きました。兵士に金を握らせ僕を暴行しろと指図したのは兄上だと。そして、僕が兵士の暴行によって死んだら、兵士にその罪をなすりつけようとしていたそうですね」
「半獣人を殺して何が悪い、人間こそ神に選ばれた存在なのだ。さぁ早くどけ!地に頭をすりつけて俺様に詫びるのだ」
ユーリはゆっくりと屈み込むと、メグリダ王子の左手を掴んだ。そして一気に後ろに引く。ゴキッと乾いた音がした。ギャアアッとメグリダ王子が叫び声をあげた。ユーリはゆっくりとメグリダ王子の背中から足をどけた。だけどメグリダ王子はその場にうずくまり、逃げる事もせず叫び続けた。メグリダ王子の左手はダランとしていた。ユーリかメグリダ王子の左肩を脱臼させたのだ。
私が保育園で働いている頃、年に何回は肘内障になる子供がいる。肘内障とは、肘の亜脱臼の事だ。小さな子供は、まだ肘関節が成長しきっておらず、輪状靭帯から橈骨が外れてしまう事があるのだ。子供たち同士で腕を引っ張りあったりすると、案外簡単に外れてしまう。そこで私は、近所の接骨院に泣き叫ぶ子供を連れて行く。そこには好々爺とした柔道整復師の先生がいて、子供の肘関節をあっという間に整復してくれるのだ。ぎゃあぎゃあ泣いていた子供は、急に痛みが無くなってポカンとしていた。
メグリダ王子はユーリに肩関節を外されて、あまりの痛みに悪態もつけないのだろう。森の中にはメグリダ王子を守る兵士が隠れていたとみえて、メグリダ王子の悲鳴に、六人の兵士が飛び出してきたが、狼のアスカとヒミカに倒されて気絶させられてしまった。私は、これからどうしようと考える。リュートたちの筋書きでは、人間側と獣人側の戦力が削られた後、リュートたち半獣人がメグリダ王子と獣人の王を拘束すれば、この戦争は終わると言っていた。だけど肝心のメグリダ王子がここにいては戦争が終わらない。早く戦場にメグリダ王子を連れていかなければいけない。
私がうんうん考え込んでいると、ティアナがしきりに私の顔を触っている。私の涙を拭いてくれているのかしら優しいのね。と思ったら、ティアナは私の側から離れ、自分が噛み付いた兵士の側まで走っていった。私が危ないわ、と声をかけようとすると、ティアナは痛みにうずくまっている兵士の横にしゃがみこんで、私の涙を兵士にかけた。兵士の身体が輝きだす。私は、ティアナがまた兵士に捕まるのではないかと思い、ティアナッと叫んだ。狼のヒミカは瞬時にティアナの前に立ちふさがり、ティアナを守ろうとする。兵士はケガが治って不思議そうに身体を起こした。ティアナが兵士に言う。
「噛み付いてごめんなさい、痛かったわよね?」
兵士はティアナの言葉に驚いた様子だったが、ゴクリとツバを飲み込んでから答えた。
「俺の方こそ、君を刺してしまった。すまなかった」
「大丈夫よ、もみじが治してくれた」
兵士は何が言いたげだったが、ティアナの顔を凝視して、がくりと膝をついた。私はホッと息をはいた、どうやらあの兵士は、もうティアナを傷つける気はないようだ。私はティアナの優しさに、また涙が出た。自分が傷つけられたのに、傷つけた相手を心配するなんて。痛みにうめいていたメグリダ王子が兵士に叫ぶ。
「おい!貴様、早く俺様を助けろ!そして聖女を捕らえるのだ!」
兵士は心底さげすんだ眼差しをメグリダ王子に向けてから、ユーリの側までやって来た。そしてユーリの前で膝をついて言った。
「どうかこれまでのご無礼をお許しください。ユーリ王子、わたくしめにご指示を」
ユーリは寛大にうなずくと、よく通る澄んだ声で言った。それはすでに王の風格のようだった。
「これより戦場にメグリダ王子を連行する」
兵士はハッと享受の返事をした。そうだ、早く戦場に行ってこの戦争を止めたい。そして早くセネカの無事を確かめたい。だけど殺し合いの最中、すぐに争いがしずまるのだろうか?ダグが言っていた聖女の予言。暗闇の世に、聖女の光が灯る時、聖女が新たなる王を指し示すであろう。私の頭の中にある考えがひらめいた。私は大声で仲間たちに声をかけた。
「ねぇ皆、力を貸して!」
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