149 / 175
姉妹
しおりを挟む
「よく似合っているわ、プリシラ」
プリシラは自身が映った姿見をうっとりと見つめた。プリシラはエメラルドグリーンの鮮やかなドレスに身を包んでいた。ドレスのデザインは、流行の最先端だ。
身につけているアクセサリーはエメラルド。指輪もイヤリングもネックレスもふんだんにエメラルドを使用したものだ。エメラルドは澄んだグリーンをしている。
プリシラは、自身の背後から鏡をのぞきこむ姉のエスメラルダに振り向いて言った。
「うん、お姉ちゃん。ありがとう」
「さすが私の妹だわ。ドリスなんかよりもよっぽどお姫さまよ」
「お、お姉ちゃん!ドリス王女さまを引き合いに出すのやめてよ!」
プリシラは、ドワーフとエルフとのいさかいをまとめるのに、エスメラルダをとても心配させてしまった。そのためお仕置きとして、ドレスを作ってもらい、豪遊する事になったのだ。
ドレスはだいぶ以前からオーダーしていた。王都で一番人気のドレスメーカー直々に作ってもらったのだ。アクセサリーも特注で、すべてプリシラの身体に合わせてオーダーメードされたものだ。
ドレスとクツとアクセサリーで一体どれほどの金額がかかったのかプリシラは知らない。きっと金額を知ったら、卒倒してしまう額なのだろう。
プリシラはできたばかりのドレスを身にまとい、エスメラルダに連れられて人気のカフェにお茶に行った。このカフェはスイーツが絶品で、プリシラはクレームブリュレを注文した。パリパリのカラメルとクリーミーなカスタードプディングが美味しかった。甘いものがあまり得意ではらないエスメラルダはサバランだ。
エスメラルダが一口食べてみなさいといって、フォークですくってプリシラの口に入れてくれた。
ラム酒の香りが口に広がってとても美味しかった。普段ならお行儀が悪い事を許さないエスメラルダだが、今日は珍しく機嫌がいいようだ。
観劇を鑑賞した後は、五つ星ホテルのディナーだ。しかも一フロアを貸し切っている。これはタップのためにしてくれたもので、エスメラルダはタップも一緒に食事ができるようにしてくれたのだ。
ホタテのカルパッチョとパプリカとアスパラガスのマリネの前菜から始まり、クリームスープ。タップはりんごやいちごにパイナップルの果物のお皿にご満悦だ。
シタビラメのポワレの後は、いちごとブルーベリーのシャーベット。子羊のワインソースかけ。デザートと紅茶を飲みながら、怒涛のような姉の小言を聞いている。
「パルヴィス公爵夫人からお手紙が来たの。娘が普段着のドレスを着て舞踏会に行こうとするって。プリシラ、お義母さまの気持ちを考えて差し上げなさい。今度の舞踏会には、今着ているドレスを着て行きなさい。だけど今度からはパルヴィス公爵さまご夫妻にドレスをあつらえていただくのよ?プリシラの姿や立ち居振る舞いが、公爵さまご夫妻の評判にもつながるんだから。それに、」
「わ、わかったわ。お姉ちゃん。今度はちゃんとしたドレスで行くわ。それでね、お姉ちゃん。ドウマ国って知ってる?」
「ドウマ国?ああ、魔力の強さを鼻にかけている愚か者の集団ね?それがどうかしたの?」
「・・・。うん。ここ最近ね、城下町で、魔力の強い女の子の誘拐未遂が多発しているの。チコとサラが冒険者の依頼で犯人の確保を請け負ったんだけど、一人取り逃しちゃって。それでね、チコとサラが、お姉ちゃんの事を犯人たちに話してしまって。だからお姉ちゃん、身の回りには十分注意してね?もし何かあったら私に知らせてね?」
「大丈夫よ、プリシラ。お姉ちゃん強いから。プリシラが心配する事なんて一つもないの」
プリシラは心から姉が心配なのだが、エスメラルダは取り合ってくれなかった。
プリシラは自身が映った姿見をうっとりと見つめた。プリシラはエメラルドグリーンの鮮やかなドレスに身を包んでいた。ドレスのデザインは、流行の最先端だ。
身につけているアクセサリーはエメラルド。指輪もイヤリングもネックレスもふんだんにエメラルドを使用したものだ。エメラルドは澄んだグリーンをしている。
プリシラは、自身の背後から鏡をのぞきこむ姉のエスメラルダに振り向いて言った。
「うん、お姉ちゃん。ありがとう」
「さすが私の妹だわ。ドリスなんかよりもよっぽどお姫さまよ」
「お、お姉ちゃん!ドリス王女さまを引き合いに出すのやめてよ!」
プリシラは、ドワーフとエルフとのいさかいをまとめるのに、エスメラルダをとても心配させてしまった。そのためお仕置きとして、ドレスを作ってもらい、豪遊する事になったのだ。
ドレスはだいぶ以前からオーダーしていた。王都で一番人気のドレスメーカー直々に作ってもらったのだ。アクセサリーも特注で、すべてプリシラの身体に合わせてオーダーメードされたものだ。
ドレスとクツとアクセサリーで一体どれほどの金額がかかったのかプリシラは知らない。きっと金額を知ったら、卒倒してしまう額なのだろう。
プリシラはできたばかりのドレスを身にまとい、エスメラルダに連れられて人気のカフェにお茶に行った。このカフェはスイーツが絶品で、プリシラはクレームブリュレを注文した。パリパリのカラメルとクリーミーなカスタードプディングが美味しかった。甘いものがあまり得意ではらないエスメラルダはサバランだ。
エスメラルダが一口食べてみなさいといって、フォークですくってプリシラの口に入れてくれた。
ラム酒の香りが口に広がってとても美味しかった。普段ならお行儀が悪い事を許さないエスメラルダだが、今日は珍しく機嫌がいいようだ。
観劇を鑑賞した後は、五つ星ホテルのディナーだ。しかも一フロアを貸し切っている。これはタップのためにしてくれたもので、エスメラルダはタップも一緒に食事ができるようにしてくれたのだ。
ホタテのカルパッチョとパプリカとアスパラガスのマリネの前菜から始まり、クリームスープ。タップはりんごやいちごにパイナップルの果物のお皿にご満悦だ。
シタビラメのポワレの後は、いちごとブルーベリーのシャーベット。子羊のワインソースかけ。デザートと紅茶を飲みながら、怒涛のような姉の小言を聞いている。
「パルヴィス公爵夫人からお手紙が来たの。娘が普段着のドレスを着て舞踏会に行こうとするって。プリシラ、お義母さまの気持ちを考えて差し上げなさい。今度の舞踏会には、今着ているドレスを着て行きなさい。だけど今度からはパルヴィス公爵さまご夫妻にドレスをあつらえていただくのよ?プリシラの姿や立ち居振る舞いが、公爵さまご夫妻の評判にもつながるんだから。それに、」
「わ、わかったわ。お姉ちゃん。今度はちゃんとしたドレスで行くわ。それでね、お姉ちゃん。ドウマ国って知ってる?」
「ドウマ国?ああ、魔力の強さを鼻にかけている愚か者の集団ね?それがどうかしたの?」
「・・・。うん。ここ最近ね、城下町で、魔力の強い女の子の誘拐未遂が多発しているの。チコとサラが冒険者の依頼で犯人の確保を請け負ったんだけど、一人取り逃しちゃって。それでね、チコとサラが、お姉ちゃんの事を犯人たちに話してしまって。だからお姉ちゃん、身の回りには十分注意してね?もし何かあったら私に知らせてね?」
「大丈夫よ、プリシラ。お姉ちゃん強いから。プリシラが心配する事なんて一つもないの」
プリシラは心から姉が心配なのだが、エスメラルダは取り合ってくれなかった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
137
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる