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魔法使いたちの目的

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 サラとチコは、誘拐未遂にあった女の子たちを訪ねて、どのような時に魔法使いたちに襲われたのかを質問した。

 大体の女の子たちが、夜一人で街を歩いていて襲われたと言っていた。女の子たちはそれなりに魔法が使えるので、人前で魔法を披露する事がよくあったという。

 サラとチコは、犯人をおびき出すために、わざと城下町で魔法を使った。周りの人たちに迷惑にならないように、広場でケンカの演技を始めたのだ。

「サラ、貴女何さまのつもり?あの店員は私に気があるの。モテない女は引っ込んでなさい?」
「はぁぁ?!これだから田舎娘は。チコいい事、あの店員は私に惚れてるの!チビはお呼びじゃないのよ!」
「何ですって?!陰気女!」
「なあに?怒ったの?そばかすチビ!」

 チコの周りに、鉱物生成魔法でたくさんの刃が出現し、サラに襲いかかる。サラの目の前に炎の壁が出現すると、刃を無効化させてしまった。

 チコとサラはエレメント使いだが、自分自身の魔力はとても少ない。チコは小さな植物の芽を生えさせる事ができる土魔法。サラは手のひらに炎を出現させる火魔法だ。

 二人の魔法を操っているのは、姿隠しの魔法で姿を隠したプッチとティアだ。

 サラは大きな炎を作り出すと、チコに投げつけた。チコは鉱物防御魔法で、透明な壁を作り出し、炎を防いだ。

 突然始まった若い娘たちの魔法戦に、野次馬たちが取り囲む。チコとサラは頃合いと見て、その場を移動した。

「ギャラリーが増えてきたわね?サラ」
「私たちは見せ物じゃないわ。場所を変えましょう、チコ」

 チコとサラは連れ立って城下町を後にし、人気のない森に向かった。背後にローブを着た男の姿を確認しつつ。

 森に入ると、チコとサラはゆっくりと後ろを振り向いて言った。

「女の子の後ろをつけるなんて、いい趣味ねぇ。ねぇ、サラ」
「ナンパかしら?チコはイケメンじゃなきゃオーケーしないわよ?」
「その通り!」

 チコとサラのからかいの言葉が気にさわったのか、ローブの男は火攻撃魔法を二人に放った。すかさずチコが鉱物防魔法の壁を作る。ローブの男の魔法は無効化された。

 サラがローブの男に火攻撃魔法魔法を放つ。ローブの男は風防御魔法でそれを防いだ。

 チコとサラはローブの男と魔法戦をしながら、じりじりと森の中に追いやられていった。

 これは罠だったのだ。森の奥に五人のローブを着た魔法使いが潜んでいて、チコとサラが目的の場所にやって来たら、結界の中に閉じ込める算段だったのだ。

 魔法使いたちの罠に気づいたプッチとティアは慌てて仲間のタップに連絡を入れたのだ。だが連絡の途中で、結界の中に閉じ込められてしまい、タップとの連絡が途絶えてしまった。

 チコとサラの目の前には、六人の魔法使いが並んでいた。一番前のローブの魔法使いが、チコとサラに魔法を使えと言った。

 結界の中に閉じ込められては仕方ない。チコはプッチに、サラはティアに姿を現してくれと頼んだ。

 チコの肩に乗った小さな精霊と、サラを守るように前に立つミニチュアダックスを見た魔法使いは吐き捨てるように言った。

「貴様らは、何の能力も無い。ただ精霊と霊獣に魔力を借りているザコだったのだな!」

 魔法使いは腹を立てたようで、次々と攻撃魔法をチコとサラに繰り出した。その攻撃魔法を、プッチとティアがふせいでくれている。

 だがいつもの彼女たちとは違っていた。この結界の中では、プッチとティアはいつもの魔力を発揮する事ができないのだ。

 そこへプリシラとタップが飛び込んで来たというわけだ。
 


 

 
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