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救助要請
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プリシラはいつものように大きくなったタップの背中に乗って、配達の仕事をしていた。その帰り道、タップが突然空中で停止した。不審に思ったプリシラが、タップに声をかけた。
「タップ、どうしたの?」
『プッチとティアから連絡が入った。助けてくれって』
霊獣のタップは精霊のプッチと霊獣のティアとリンクしているので、すぐに連絡を取る事ができるのだ。プリシラはにわかに青ざめて言った。
「えっ?!プッチとティアからなら、チコとサラに何かあったって事?!」
プリシラは、タップにもう一度プッチとティアに状況を聞いてくれとお願いしたが、タップは首を振って答えた。
『ダメだ。プッチとティアにいくら声をかけても応答がねぇ』
「・・・。それって、どういう事?まさか、チコとサラはもう、」
プリシラは最悪の事を想像して泣き出しそうになった。
『泣くなプリシラ。まだ奴らがどうなったかなんてわからねぇだろ。連絡ができなくなった原因はいくつか考えられる。一つは、まぁ、ありえねぇけどよ。奴らが全員死んじまった場合だ。だが俺はありえねぇと考えている。火の霊獣ティアと土の精霊プッチを一瞬で殺せるなんてありえねぇ。もう一つは、何らかの原因で魔法を制御されちまっている事だ』
「魔法を制御?」
『ああ。魔法を使えなくする魔法とかな』
「もしそうだとしたら、チコとサラも危険なんじゃないかしら?!タップお願い!」
『ああ!プッチとティアの連絡が途切れる前、自分たちの居場所を連絡してきた。プリシラ!しっかり掴まっていろよ?!』
タップはものすごい速度で空を飛んだ。タップはプリシラを不安がらせないように余裕のある態度を取っていたが、内心ではプッチたちとティアたちの事をとても心配しているのだろう。
プリシラたちの向かう場所は、城下町の近くの森らしい。風の霊獣タップならばすぐに到着する事ができるだろう。
プリシラは、タップの長い毛を手に巻きつけて、振り落とされないようにしながら、心の中で必死に願っていた。
チコ、サラ、プッチ、ティア。すぐ行くわ。無事でいてね。
プリシラの顔には容赦なく風が吹き付ける。呼吸もままならないくらいだ。だがタップに速度をゆるめてもらうわけにはいかない。プリシラの大切な友達が危機に直面しているらから。
どのくらい飛んだのだろうか、プリシラにはとても長い時間に感じた。タップが飛ぶ速度をゆるめた。プリシラがタップの背中から地上を見ると、広大な森が広がっていた。
『ここら辺だ。プッチたちからの通信が途絶えたのは。プリシラ、森に何か異常がないかよく見てくれ』
「ええ、わかったわ」
プリシラはタップから落ちそうになるギリギリまで身体を伸ばして地上を見つめた。
「あっ!タップあれ!」
プリシラは森の中に見える不自然に輝く光を見つけて指を指した。
「タップ、どうしたの?」
『プッチとティアから連絡が入った。助けてくれって』
霊獣のタップは精霊のプッチと霊獣のティアとリンクしているので、すぐに連絡を取る事ができるのだ。プリシラはにわかに青ざめて言った。
「えっ?!プッチとティアからなら、チコとサラに何かあったって事?!」
プリシラは、タップにもう一度プッチとティアに状況を聞いてくれとお願いしたが、タップは首を振って答えた。
『ダメだ。プッチとティアにいくら声をかけても応答がねぇ』
「・・・。それって、どういう事?まさか、チコとサラはもう、」
プリシラは最悪の事を想像して泣き出しそうになった。
『泣くなプリシラ。まだ奴らがどうなったかなんてわからねぇだろ。連絡ができなくなった原因はいくつか考えられる。一つは、まぁ、ありえねぇけどよ。奴らが全員死んじまった場合だ。だが俺はありえねぇと考えている。火の霊獣ティアと土の精霊プッチを一瞬で殺せるなんてありえねぇ。もう一つは、何らかの原因で魔法を制御されちまっている事だ』
「魔法を制御?」
『ああ。魔法を使えなくする魔法とかな』
「もしそうだとしたら、チコとサラも危険なんじゃないかしら?!タップお願い!」
『ああ!プッチとティアの連絡が途切れる前、自分たちの居場所を連絡してきた。プリシラ!しっかり掴まっていろよ?!』
タップはものすごい速度で空を飛んだ。タップはプリシラを不安がらせないように余裕のある態度を取っていたが、内心ではプッチたちとティアたちの事をとても心配しているのだろう。
プリシラたちの向かう場所は、城下町の近くの森らしい。風の霊獣タップならばすぐに到着する事ができるだろう。
プリシラは、タップの長い毛を手に巻きつけて、振り落とされないようにしながら、心の中で必死に願っていた。
チコ、サラ、プッチ、ティア。すぐ行くわ。無事でいてね。
プリシラの顔には容赦なく風が吹き付ける。呼吸もままならないくらいだ。だがタップに速度をゆるめてもらうわけにはいかない。プリシラの大切な友達が危機に直面しているらから。
どのくらい飛んだのだろうか、プリシラにはとても長い時間に感じた。タップが飛ぶ速度をゆるめた。プリシラがタップの背中から地上を見ると、広大な森が広がっていた。
『ここら辺だ。プッチたちからの通信が途絶えたのは。プリシラ、森に何か異常がないかよく見てくれ』
「ええ、わかったわ」
プリシラはタップから落ちそうになるギリギリまで身体を伸ばして地上を見つめた。
「あっ!タップあれ!」
プリシラは森の中に見える不自然に輝く光を見つけて指を指した。
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