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プリシラの友達4

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 リベリオはサラとチコが、何故プリシラとの思い出を話したのかがわからず黙っていると、サラが厳しい顔になって言った。

「だからね、リベリオさんがプリシラを泣かせたら、私たちは貴方を許しません。私とチコだけじゃないわ。ティアもプッチもタップだって、プリシラの事が大好き。プリシラには絶対に幸せになってもらいたいの。二人の霊獣と精霊が相手になったら、リベリオさんがいくら優秀な魔法使いでも手も足も出ないんだから」

 リベリオはサラの言葉を注意深く聞いて、からからになったのどから絞りだすように言った。

「えっ、サラさんとチコさんは俺のプリシラに対する想いを認めてくれるの?!」

 チコはもうサラの話しには興味がないらしく、紅茶についてきた小さなクッキーをかじっている。サラは渋面を作りながら答えた。

「さっきも言いましたように、私たちはプリシラの幸せが一番なの。だからプリシラの事を幸せにしてくれるなら、リベリオさんだって誰だっていいの」

 サラの言葉に、リベリオは不覚にも泣きそうになった。初めてリベリオのプリシラへの想いを認められたからだ。リベリオが感激していると、サラは口を挟んだ。

「あっ、勘違いしないでね?もしお姉さんが、やっぱりリベリオさんはプリシラに相応しくないと言ったら、私たちはお姉さんにつくから」
「ええっ?!応援してくれるんじゃないの?!」
「当たり前じゃない。私たちだってお姉さんは怖いもの。それにね、この世の中で、お姉さんほどプリシラの事を想っている人はいないわ」

 それについてはリベリオも同感だ。初めて出会ったエスメラルダは、プリシラのためなら命を投げ出しても構わないというような気迫を感じた。

 プリシラは姉からも友達からもとても愛されているのだ。リベリオがプリシラへの愛を貫くためには、相当な覚悟が必要なのだ。リベリオは決意を新たにした。

「俺は絶対にプリシラを守り、幸せにする。・・・、だから、ちょっとだけでもお姉さんに口添えしてくれない?」

 決意した途端に、リベリオは情けない声を出してサラとチコに懇願した。

 チコはニヤニヤした顔で、親指と人差し指で輪を作りながら言った。

「そこまで言われちゃあ仕方ないわなぇ。まあ、出すもの出したら考えないでもないわよ?」

 金か。金ならデムーロ伯爵家の財産がある。金でプリシラと仲良くなれる道筋が見えるなら、惜しくはない。リベリオがチコの言い値を聞こうとすると、サラが冷めた声で言った。

「やめた方がいいですよ?リベリオさん。チコはお金だけもらって何もしないですらから。払うだけ無駄ですよ?」
「もう、サラったらそんな事言ってぇ。お金をもらえれば、お姉さんが万が一にも機嫌のいい時に、リベリオさんの長所を言ってあげるわよ。金払いのらいい男だって」

 それはそれで誤解を招きそうだ。リベリオはチコの怪しげなアシストは受けない事にした。

 
 
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