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解決
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プリシラははやる気持ちをおさえられず、背中に乗せて飛んでくれているタップにせがんだ。
「タップ。もっと早く飛んで?!」
『オッケー!プリシラ。振り落とされんなよ?』
タップは空を飛ぶ速度を上げて、文字通り風のように飛んだ。
プリシラはタップの長い毛をしっかりと握り、その速さに耐えた。しばらくすると、タップがゆっくりと速度をゆるめた。
『おっ?何かいるぞ?』
プリシラはこわばらせていた身体の力を抜いて考えた。空中にいる何かとは、鳥だろうか。その後もタップはゆっくりと空を飛び、やがてプリシラにも目の前の何かが見えるようになった。
「お姉ちゃん!」
空中に浮かんでいた何かは、プリシラの姉エスメラルダだった。エスメラルダはプリシラとタップに気づくと、優雅に空を飛んでやって来た。
プリシラは姉に会えた事が嬉しくてたまらず、自分自身に風浮遊魔法をかけて空にフワリと浮かんで、姉に抱きついた。
「お姉ちゃん!王さまが西の森から軍を撤退させてくれるって約束してくれたの!これでドワーフさんもエルフさんも、ドリスさまも助かるわ!」
エスメラルダは慈愛のこもった笑顔でプリシラを優しく抱きしめてくれた。
「さすが私の妹だわ。プリシラが国王を説得してくれるって信じてた」
姉の信頼の言葉に、プリシラは目頭が熱くなった。プリシラは、元の小さなモルモットに戻ったタップを片手で抱っこして、姉の手をつないで、ゆっくりとウィード軍の宿営地に降り立った。
一番大きなテントからは、チコとプッチ、サラとティアが駆け出してくると、プリシラとタップに抱きついた。
「プリシラ!王さまの説得に成功したの?!」
「ええ、チコ。この森から軍を撤退させてくれるって」
『やるじゃない。プリシラ』
チコとプッチは嬉しそうに笑った。サラとティアは今にも泣き出しそうな顔で言った。
「無事で良かったわ。プリシラ、タップ」
『本当に心配したんだから』
プリシラが友達と喜びを分かち合っていると、テントからドリスとネリオが出て来た。
「プリシラ。お父さまから軍撤退の公文書は受け取ったのですか?」
「はい、ドリス王女」
プリシラはポシェットから、大事に持ってきた国王からの書状をドリスに手渡した。
ドリスは書状を開くと、ホッと息を吐いた。
「確かにお父さまの文字だ。プリシラ、ありがとう」
ドリスはキリリとした瞳を柔らかく緩めて微笑んだ。その笑顔はとても美しかった。プリシラはドリスとネリオを見て、ある事を思い出した。
「国王は、ネリオさんはドリス王女のお側にいてよいと言っておりました。このプリシラ、しっかりと聞きました。一国の王さまが、言った言葉です。まさか撤回はしないでしょう」
プリシラの言葉に、ドリスとネリオは見つめ合って微笑んだ。これでドリスとネリオは引き離される事はないのだ。
プリシラが戻った事が知れ渡ったのか、捕虜だったドワーフと、エルフのリリアがプリシラの前にやってきた。嬉しい事に、彼らはクサリで拘束されてはいなかった。
プリシラは彼らに駆け寄って言った。
「ドワーフさん、エルフさん。もう貴方たちの森は攻撃されません。貴方たちの森だと認められたんです」
すかさずタップが彼らに通訳してくれた。ドワーフとエルフは喜びの顔になった。
エルフの側にドリスが歩み寄った。ドリスはタップに通訳を頼んだ。
「これよりウィード国軍は、この森からの撤退します。二度と貴女たちの森を攻撃しません。わたくしたちの軍に奪われた命は戻る事はありません。ですが破壊された森は、時間をかけてきっと元の美しい森になるでしょう。わたくしはそう願っています」
タップの通訳に、エルフは笑顔になった。タップに視線を向けて、通訳を頼んだ。
〔我らの森を取り戻すために尽力してくれた事を感謝する。森を攻撃した国王を許す事はできないが、娘のお前は信頼できる人間だ。どうか我らエルフとドワーフと国交を結んでくれまいか?〕
エルフの申し出に、ドリスは驚いた顔をしたが、微笑んで答えた。
「嬉しい申し出だ。わたくしは決めました。わたくしは何が何でもウィード国の時期女王になります。そしてウィード国が続く限り、エルフとドワーフの国との友好が続くでしょう」
タップがエルフとドワーフに通訳すると、彼らはとても喜んだ。ドリスがこの国の女王になる。プリシラは驚いてしまったが、我が身を犠牲にして、多くの者たちを救おうとするドリスは、きっと良い女王になるだろうと思った。
「タップ。もっと早く飛んで?!」
『オッケー!プリシラ。振り落とされんなよ?』
タップは空を飛ぶ速度を上げて、文字通り風のように飛んだ。
プリシラはタップの長い毛をしっかりと握り、その速さに耐えた。しばらくすると、タップがゆっくりと速度をゆるめた。
『おっ?何かいるぞ?』
プリシラはこわばらせていた身体の力を抜いて考えた。空中にいる何かとは、鳥だろうか。その後もタップはゆっくりと空を飛び、やがてプリシラにも目の前の何かが見えるようになった。
「お姉ちゃん!」
空中に浮かんでいた何かは、プリシラの姉エスメラルダだった。エスメラルダはプリシラとタップに気づくと、優雅に空を飛んでやって来た。
プリシラは姉に会えた事が嬉しくてたまらず、自分自身に風浮遊魔法をかけて空にフワリと浮かんで、姉に抱きついた。
「お姉ちゃん!王さまが西の森から軍を撤退させてくれるって約束してくれたの!これでドワーフさんもエルフさんも、ドリスさまも助かるわ!」
エスメラルダは慈愛のこもった笑顔でプリシラを優しく抱きしめてくれた。
「さすが私の妹だわ。プリシラが国王を説得してくれるって信じてた」
姉の信頼の言葉に、プリシラは目頭が熱くなった。プリシラは、元の小さなモルモットに戻ったタップを片手で抱っこして、姉の手をつないで、ゆっくりとウィード軍の宿営地に降り立った。
一番大きなテントからは、チコとプッチ、サラとティアが駆け出してくると、プリシラとタップに抱きついた。
「プリシラ!王さまの説得に成功したの?!」
「ええ、チコ。この森から軍を撤退させてくれるって」
『やるじゃない。プリシラ』
チコとプッチは嬉しそうに笑った。サラとティアは今にも泣き出しそうな顔で言った。
「無事で良かったわ。プリシラ、タップ」
『本当に心配したんだから』
プリシラが友達と喜びを分かち合っていると、テントからドリスとネリオが出て来た。
「プリシラ。お父さまから軍撤退の公文書は受け取ったのですか?」
「はい、ドリス王女」
プリシラはポシェットから、大事に持ってきた国王からの書状をドリスに手渡した。
ドリスは書状を開くと、ホッと息を吐いた。
「確かにお父さまの文字だ。プリシラ、ありがとう」
ドリスはキリリとした瞳を柔らかく緩めて微笑んだ。その笑顔はとても美しかった。プリシラはドリスとネリオを見て、ある事を思い出した。
「国王は、ネリオさんはドリス王女のお側にいてよいと言っておりました。このプリシラ、しっかりと聞きました。一国の王さまが、言った言葉です。まさか撤回はしないでしょう」
プリシラの言葉に、ドリスとネリオは見つめ合って微笑んだ。これでドリスとネリオは引き離される事はないのだ。
プリシラが戻った事が知れ渡ったのか、捕虜だったドワーフと、エルフのリリアがプリシラの前にやってきた。嬉しい事に、彼らはクサリで拘束されてはいなかった。
プリシラは彼らに駆け寄って言った。
「ドワーフさん、エルフさん。もう貴方たちの森は攻撃されません。貴方たちの森だと認められたんです」
すかさずタップが彼らに通訳してくれた。ドワーフとエルフは喜びの顔になった。
エルフの側にドリスが歩み寄った。ドリスはタップに通訳を頼んだ。
「これよりウィード国軍は、この森からの撤退します。二度と貴女たちの森を攻撃しません。わたくしたちの軍に奪われた命は戻る事はありません。ですが破壊された森は、時間をかけてきっと元の美しい森になるでしょう。わたくしはそう願っています」
タップの通訳に、エルフは笑顔になった。タップに視線を向けて、通訳を頼んだ。
〔我らの森を取り戻すために尽力してくれた事を感謝する。森を攻撃した国王を許す事はできないが、娘のお前は信頼できる人間だ。どうか我らエルフとドワーフと国交を結んでくれまいか?〕
エルフの申し出に、ドリスは驚いた顔をしたが、微笑んで答えた。
「嬉しい申し出だ。わたくしは決めました。わたくしは何が何でもウィード国の時期女王になります。そしてウィード国が続く限り、エルフとドワーフの国との友好が続くでしょう」
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