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ウィード国王
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ウィード国王はいらだたしげに部下の知らせを待っていた。数日前から、可愛い可愛い娘のドリスが行方知れずなのだ。
ドリスの居場所は心当たりがついている。愛人である騎士のネリオのところに違いない。
騎士ネリオには西の森の奪還を命じている。そんなところにドリスが行っては非常に危険だ。
ウィード国王は二人の娘を心から愛していた。亡くなった愛する妻の忘れ形見だからだ。長女のドリスに次女のバーバラ。バーバラはすでに友好国であるドロイアの王族に嫁がせてある。
だがドリスは城に残した。ウィード国王は、ドリスの夫を時期国王としようと考えているのだ。
ドリスは長女というだけではなく、まっすぐとした信念を持っていた。ドリスこそ王妃に相応しいと考えていたからだ。
ドリスの夫になる男は王族でなくてはいけない。騎士のネリオでは務まらないのだ。ドリスがネリオを愛人の一人として寵愛するのは構わない。だがネリオと結婚するとなると話しは違ってくる。
そのためウィード国王は、かねてから目をつけていた西の森の攻略を命じたのだ。西の森からは質の良い宝石がよく採掘されるのだ。
西の森には古くから森の民が住んでいる。森の民は人ではない。彼らは魔法を使うやっかいな相手だが、数は多くない。ウィード国軍を差し向ければ、勝つ事はたやすいだろう。
この戦いでネリオが死んでくれれば。ウィード国王は密かにもくろんでいた。賢いドリスはその考えにいたって、城を抜け出し、ネリオの元に向かったのだろう。
ドリスには護身のため、たくさんの高価な魔法具を持たせている。ドリスが身につけている宝飾品で、攻撃魔法、防御魔法、治癒魔法を使う事ができるので、一応安心はしている。
だが娘一人が危険な戦場をうろつくなど危険すぎる。
ウィード国王は、ドリスがいなくなってすぐに、西の森に行く乗り合い馬車を全て止めさせた。だが乗り合い馬車を待つ乗客の中には、ドリスはいなかった。
ドリスはまだ城下町にいるのか、それとも何らかの手段で西の森に行ってしまったのだろうか。
ウィード国王が自室の書斎でやきもきしていると、ノックと共に部下が入って来た。
「ドリスは!娘の行方はわかったのか?!」
「はっ。恐れながら、国王陛下。ドリス王女の足取りは依然つかめておりませんが、ドリス王女の書状を持った者がまいりました。その者が申すには、国王陛下に直接書状を渡したいと申ております。大変ガンコな者でして、」
ウィード国王は、渋る部下に叫んだ。
「すぐにその者を謁見の間に通せ!」
ドリスの居場所は心当たりがついている。愛人である騎士のネリオのところに違いない。
騎士ネリオには西の森の奪還を命じている。そんなところにドリスが行っては非常に危険だ。
ウィード国王は二人の娘を心から愛していた。亡くなった愛する妻の忘れ形見だからだ。長女のドリスに次女のバーバラ。バーバラはすでに友好国であるドロイアの王族に嫁がせてある。
だがドリスは城に残した。ウィード国王は、ドリスの夫を時期国王としようと考えているのだ。
ドリスは長女というだけではなく、まっすぐとした信念を持っていた。ドリスこそ王妃に相応しいと考えていたからだ。
ドリスの夫になる男は王族でなくてはいけない。騎士のネリオでは務まらないのだ。ドリスがネリオを愛人の一人として寵愛するのは構わない。だがネリオと結婚するとなると話しは違ってくる。
そのためウィード国王は、かねてから目をつけていた西の森の攻略を命じたのだ。西の森からは質の良い宝石がよく採掘されるのだ。
西の森には古くから森の民が住んでいる。森の民は人ではない。彼らは魔法を使うやっかいな相手だが、数は多くない。ウィード国軍を差し向ければ、勝つ事はたやすいだろう。
この戦いでネリオが死んでくれれば。ウィード国王は密かにもくろんでいた。賢いドリスはその考えにいたって、城を抜け出し、ネリオの元に向かったのだろう。
ドリスには護身のため、たくさんの高価な魔法具を持たせている。ドリスが身につけている宝飾品で、攻撃魔法、防御魔法、治癒魔法を使う事ができるので、一応安心はしている。
だが娘一人が危険な戦場をうろつくなど危険すぎる。
ウィード国王は、ドリスがいなくなってすぐに、西の森に行く乗り合い馬車を全て止めさせた。だが乗り合い馬車を待つ乗客の中には、ドリスはいなかった。
ドリスはまだ城下町にいるのか、それとも何らかの手段で西の森に行ってしまったのだろうか。
ウィード国王が自室の書斎でやきもきしていると、ノックと共に部下が入って来た。
「ドリスは!娘の行方はわかったのか?!」
「はっ。恐れながら、国王陛下。ドリス王女の足取りは依然つかめておりませんが、ドリス王女の書状を持った者がまいりました。その者が申すには、国王陛下に直接書状を渡したいと申ております。大変ガンコな者でして、」
ウィード国王は、渋る部下に叫んだ。
「すぐにその者を謁見の間に通せ!」
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