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ドリスの決意
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プリシラはタップに、ウィード国の王女が、ドワーフたちのリーダーと対話がしたいと言っている事を通訳してもらった。
ドワーフはハッとした表情になり、深いため息をついて言った。
〔お前さんたちの気持ちは嬉しい。だがもう遅いのだ。我々はエルフと手を組み、森のために戦うと誓った。エルフのリーダーは決して戦いをやめない。最後の一人が死ぬまで、この国への攻撃はやめないだろう。なぁ、人間の娘さん。わしはあんたに恩を受けた。どうか、大切な者たちを連れて、この国から逃げてくれないか?〕
タップから、ドワーフの言葉を聞いて、プリシラは青ざめた。これからウィード国がドワーフとエルフによって攻撃される。戦いはドワーフとエルフが全滅するまで終わらない。プリシラが震えていると、タップがプリシラを心配しながら言った。
『プリシラ。ドワーフのおっさんもこう言ってる。この国から逃げようぜ?俺がいればプリシラを守ってやれる』
「だめ、だめよタップ。この国にはトビーもマージさんも、サシャさんもおばあさんも、イヴァンさまもダニエラさんも、たくさんの人たちが暮らしているのよ?皆を置いて逃げる事なんてできない」
『じゃあ、プリシラが助けたい人間を俺が運んでやる。誰を助けたい?』
「タップ、ありがとう。だけどそれだけじゃだめなの。私の大好きな人たちには、その人たちにとっての大好きな人たちがたくさんいるわ。そうしたら、この国の人たち全員が誰かの大切な人になるの。誰も置いては逃げられない」
『だったらエルフのリーダーに、国王の首でも差し出すか?これで手打ちにしてくれってよ?』
「王さまを犠牲になんてできるわけないでしょ?!」
そこでプリシラは慌てて口をつぐんだ。この場にはウィード国王の娘ドリスがいるのだ。彼女は心を痛めるだろう。ドリスは真剣な顔でプリシラを見つめた。
「プリシラ。ドワーフのリーダーとの交渉は望めないのだな?確かにこの戦をしずめるためにはお父さまの首を出さねばおさまらないのかもしれぬ。ならばわたくしの命を差し出そう。それでドワーフのリーダーとの対話を進めてくれぬか?」
プリシラは真っ青になってドリスを止めようとすると、それよりも早くネリオが叫んだ。
「ドリスさま!それはなりません。こうなったら私は貴女さまを連れてこの国から逃げます。ドリスさま!私と一緒に逃げてください!」
ドリスは悲しげに愛する男を見て言った。
「ネリオ。わたくしは王族なのです。お父さまはわたくしの事を特別だといいました。王族とは、民のためにいるのです。この国の民の命がおびやかされるならば、王族であるわたくしが、民を守らなければなりません。わたくしは、森の侵略を指揮した憎い国王の娘。相手方も、わたくしの命ならばほしいと考えるでしょう。ネリオ、後の事は頼みましたよ?」
「・・・。ドリスさま」
ネリオは真っ青な顔をしたまま、愛する女性を見つめた。
ドワーフはハッとした表情になり、深いため息をついて言った。
〔お前さんたちの気持ちは嬉しい。だがもう遅いのだ。我々はエルフと手を組み、森のために戦うと誓った。エルフのリーダーは決して戦いをやめない。最後の一人が死ぬまで、この国への攻撃はやめないだろう。なぁ、人間の娘さん。わしはあんたに恩を受けた。どうか、大切な者たちを連れて、この国から逃げてくれないか?〕
タップから、ドワーフの言葉を聞いて、プリシラは青ざめた。これからウィード国がドワーフとエルフによって攻撃される。戦いはドワーフとエルフが全滅するまで終わらない。プリシラが震えていると、タップがプリシラを心配しながら言った。
『プリシラ。ドワーフのおっさんもこう言ってる。この国から逃げようぜ?俺がいればプリシラを守ってやれる』
「だめ、だめよタップ。この国にはトビーもマージさんも、サシャさんもおばあさんも、イヴァンさまもダニエラさんも、たくさんの人たちが暮らしているのよ?皆を置いて逃げる事なんてできない」
『じゃあ、プリシラが助けたい人間を俺が運んでやる。誰を助けたい?』
「タップ、ありがとう。だけどそれだけじゃだめなの。私の大好きな人たちには、その人たちにとっての大好きな人たちがたくさんいるわ。そうしたら、この国の人たち全員が誰かの大切な人になるの。誰も置いては逃げられない」
『だったらエルフのリーダーに、国王の首でも差し出すか?これで手打ちにしてくれってよ?』
「王さまを犠牲になんてできるわけないでしょ?!」
そこでプリシラは慌てて口をつぐんだ。この場にはウィード国王の娘ドリスがいるのだ。彼女は心を痛めるだろう。ドリスは真剣な顔でプリシラを見つめた。
「プリシラ。ドワーフのリーダーとの交渉は望めないのだな?確かにこの戦をしずめるためにはお父さまの首を出さねばおさまらないのかもしれぬ。ならばわたくしの命を差し出そう。それでドワーフのリーダーとの対話を進めてくれぬか?」
プリシラは真っ青になってドリスを止めようとすると、それよりも早くネリオが叫んだ。
「ドリスさま!それはなりません。こうなったら私は貴女さまを連れてこの国から逃げます。ドリスさま!私と一緒に逃げてください!」
ドリスは悲しげに愛する男を見て言った。
「ネリオ。わたくしは王族なのです。お父さまはわたくしの事を特別だといいました。王族とは、民のためにいるのです。この国の民の命がおびやかされるならば、王族であるわたくしが、民を守らなければなりません。わたくしは、森の侵略を指揮した憎い国王の娘。相手方も、わたくしの命ならばほしいと考えるでしょう。ネリオ、後の事は頼みましたよ?」
「・・・。ドリスさま」
ネリオは真っ青な顔をしたまま、愛する女性を見つめた。
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