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エスメラルダの気持ち3
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エスメラルダはある決心をした。プリシラに試練を与えようと考えたのだ。幼いプリシラは、エスメラルダがいなくなる事をとても恐れていた。
いつもは決してワガママを言わないプリシラが、エスメラルダに魔法学校に行かないでと願ったのだ。
エスメラルダは覚悟を決めて言った。プリシラは風魔法の特訓をしなければならない、と。エスメラルダがいなくなれば、プリシラは心のよりどころを失うだろう。だが弱いままではいけない、プリシラは強くならなければならないのだ。エスメラルダは、プリシラは優秀な風のエレメント使いになると確信していた。
事実プリシラの風魔法は、エスメラルダの風魔法よりも秀でていた。素直なプリシラは、エスメラルダに風魔法の特訓をすると約束してくれた。
エスメラルダが屋敷を去る時、思い余ってメイド頭にこん願した。どうかプリシラが困った時、助けになってほしいと。エスメラルダは自身が貴族である事に誇りを持っていた。そのため平民である使用人たちとは一線を画していた。
そんなエスメラルダが、使用人に願い事をするなど、虫のよい話だ。エスメラルダはメイド頭にけいべつされるかもしれないと思い、目をつむって彼女の返事を待った。
メイド頭はしゃがみこんでエスメラルダの視線に合わせてから口を開いた。
「もちろんでございます、エスメラルダお嬢さま。プリシラお嬢さまのような心優しい方をないがしろにするなど、いくらご主人さまと奥さまでもあってはならない事です。よくぞ今までプリシラお嬢さまをお守りくださいました。プリシラお嬢さまの事はわたくしどもにお任せください」
エスメラルダは驚いてしまった。プリシラには助けてくれる人々がたくさんいたのだ。
プリシラは使用人に対しても分けへだてなく優しかった。エスメラルダはそんなプリシラをあまり良く思っていなかった。まだ子供だから仕方ないが、大きくなったら貴族として、使用人との接し方を変えさせなければいけないと考えていた。
だがプリシラの優しさと行動は、使用人たちを味方につける結果となったのだ。
エスメラルダは魔法学校の在学時代、メイド頭から何度も手紙をもらった。屋敷内でのプリシラの様子を知らせてもらうためだ。
プリシラとも手紙のやり取りはしていたが、手紙の中でのプリシラは、自分は元気でやっているので心配しないでくれという文言ばかりだった。
メイド頭はプリシラが言わない事、言えない事をエスメラルダに書き記してくれた。エスメラルダはプリシラの境遇を知り、それとなくアドバイスをおくるのが常だった。
ある時とんでもない内容の手紙がメイド頭から送られてきた。プリシラが十三歳になったら、山奥の修道院に入れるというのだ。
修道院に送られてしまえば、プリシラは死ぬまで自由がなくなってしまう。エスメラルダはかねてより考えていた事を実行にうつした。
エスメラルダは、プリシラの事を召喚士養成学校に入れようと考えていた。召喚士とは、自身の魔力が弱くても、精霊や霊獣と契約して、強大な魔力を操る事ができるようになるのだ。
召喚士になるには、学校で五年間の勉強をし、国家試験に受からなければいけない。学校に通えば誰でも召喚士になれるわけではない。召喚士になるための一番の素質は、心が綺麗である事なのだ。
精霊や霊獣は高貴な存在だ。心の汚い人間は大嫌いだが、心の綺麗な人間には好意を持ってくれる。
エスメラルダの妹であるプリシラは、姉のひいき目を抜きにしても心が綺麗だった。きっと召喚士になる事ができるだろう。
エスメラルダは両親を説き伏せ、最後の親としての責任を果たさせ、プリシラを召喚士養成学校に入学させた。
いつもは決してワガママを言わないプリシラが、エスメラルダに魔法学校に行かないでと願ったのだ。
エスメラルダは覚悟を決めて言った。プリシラは風魔法の特訓をしなければならない、と。エスメラルダがいなくなれば、プリシラは心のよりどころを失うだろう。だが弱いままではいけない、プリシラは強くならなければならないのだ。エスメラルダは、プリシラは優秀な風のエレメント使いになると確信していた。
事実プリシラの風魔法は、エスメラルダの風魔法よりも秀でていた。素直なプリシラは、エスメラルダに風魔法の特訓をすると約束してくれた。
エスメラルダが屋敷を去る時、思い余ってメイド頭にこん願した。どうかプリシラが困った時、助けになってほしいと。エスメラルダは自身が貴族である事に誇りを持っていた。そのため平民である使用人たちとは一線を画していた。
そんなエスメラルダが、使用人に願い事をするなど、虫のよい話だ。エスメラルダはメイド頭にけいべつされるかもしれないと思い、目をつむって彼女の返事を待った。
メイド頭はしゃがみこんでエスメラルダの視線に合わせてから口を開いた。
「もちろんでございます、エスメラルダお嬢さま。プリシラお嬢さまのような心優しい方をないがしろにするなど、いくらご主人さまと奥さまでもあってはならない事です。よくぞ今までプリシラお嬢さまをお守りくださいました。プリシラお嬢さまの事はわたくしどもにお任せください」
エスメラルダは驚いてしまった。プリシラには助けてくれる人々がたくさんいたのだ。
プリシラは使用人に対しても分けへだてなく優しかった。エスメラルダはそんなプリシラをあまり良く思っていなかった。まだ子供だから仕方ないが、大きくなったら貴族として、使用人との接し方を変えさせなければいけないと考えていた。
だがプリシラの優しさと行動は、使用人たちを味方につける結果となったのだ。
エスメラルダは魔法学校の在学時代、メイド頭から何度も手紙をもらった。屋敷内でのプリシラの様子を知らせてもらうためだ。
プリシラとも手紙のやり取りはしていたが、手紙の中でのプリシラは、自分は元気でやっているので心配しないでくれという文言ばかりだった。
メイド頭はプリシラが言わない事、言えない事をエスメラルダに書き記してくれた。エスメラルダはプリシラの境遇を知り、それとなくアドバイスをおくるのが常だった。
ある時とんでもない内容の手紙がメイド頭から送られてきた。プリシラが十三歳になったら、山奥の修道院に入れるというのだ。
修道院に送られてしまえば、プリシラは死ぬまで自由がなくなってしまう。エスメラルダはかねてより考えていた事を実行にうつした。
エスメラルダは、プリシラの事を召喚士養成学校に入れようと考えていた。召喚士とは、自身の魔力が弱くても、精霊や霊獣と契約して、強大な魔力を操る事ができるようになるのだ。
召喚士になるには、学校で五年間の勉強をし、国家試験に受からなければいけない。学校に通えば誰でも召喚士になれるわけではない。召喚士になるための一番の素質は、心が綺麗である事なのだ。
精霊や霊獣は高貴な存在だ。心の汚い人間は大嫌いだが、心の綺麗な人間には好意を持ってくれる。
エスメラルダの妹であるプリシラは、姉のひいき目を抜きにしても心が綺麗だった。きっと召喚士になる事ができるだろう。
エスメラルダは両親を説き伏せ、最後の親としての責任を果たさせ、プリシラを召喚士養成学校に入学させた。
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