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再会

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 響は辰治に案内されて、エグモントの隠れ家に到着した。ここは街から離れた洋館だった。辺りは森に囲まれて静かだった。

 エグモントの数ある住まいの一つなのだそうだ。響ははやる気持ちで洋館の前まで走った。すると響たちの頭上から声が聞こえた。

「何て無粋な犬たちなのだ。これから私たちの結婚式だと言うのに。キャンキャンうるさくてかなわん」

 響たちが上を見上げると、高い木の上に、ジュリアを抱いたエグモントが立っていた。可哀想にジュリアはぐったりとしていた。響は怒りにまかせて叫んだ。

「何が結婚式だ!ジュリアに暴力を振るう奴なんかとの結婚を認めるわけないじゃないか!」

 エグモントは響をさも小バカにしたように言った。

「何てうるさい犬だ。犬は犬らしく主人にしたがっていればいいのだ」

 響は話しにならないエグモントととの会話を打ち切り、辰治に向かって言った。

「辰治、頼む」
「ああ」

 辰治はうなずいて日本刀のさやを投げ捨てた。辰治は跳躍すると、木をつたって、エグモントとジュリアの元に行った。

 辰治はエグモントに何のちゅうちょもなく刀を振り下ろした。響は刀がジュリアに当たるのではないかヒヤヒヤした。

 エグモントはジュリアを抱えているため、守りいっぺんとうになる。エグモントは辰治の刀を避け続けた。だが辰治の刀の打ち込みが多いため、エグモントは片手で辰治の左腕を掴んでしまった。

 辰治はニヤリと笑って、右手でジュリアの腕を引っ張った。辰治が響に叫んだ。

「響!受け取れ!」

 ジュリアは木のてっぺんから真っ逆さまに落下した。響は慌ててジュリアを受け止めた。

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