殺人鬼から逃げ切ったら超能力が目覚めた件〜ファイナルガールズの逆襲

盛平

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アレックスの暴走

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 アレックスはライオン男の被害者を突き止める事にほんそうしていた。

 手がけている仕事は大丈夫なのかと思うくらい、アレックスは仕事そっちのけで被害者の情報を探している。

 一緒に付き合わされるエイミーも疲労困憊だ。エイミーの予知能力は音が聞こえない。そのため映像だけで被害者を特定するしかない。

 やはり手がかりになるのは、一番のお金持ちの少女だろう。アレックスはエイミーに、片っ端からお金持ちの社長令嬢の写真を見せていった。

 アレックスたちのやり取りは夜をてっして行われるので、食事もろくにとっていないのだ。

 レイチェルはアレックスとエイミーの身体を心配して、サンドイッチを作って作業の合間に無理矢理たべさせた。

 そんなやり取りが続いたある日、ついに被害者の一人が判明した。メアリ・セルザム。不動産会社社長の娘だ。

「ありがとうエイミー。この後は私が調べてみるわ」

 アレックスは目の下に黒いクマを作りながら言った。エイミーも手伝うと言い張っていたが、レイチェルはもうエイミーは限界だと判断し、ベッドに引っ張って行った。

 レイチェルはエイミーの目の下のクマを心配しなが言った。

「後はアレックスに任せよう。アレックスは調べつくさないと絶対に休まないから。エイミーはもう休んで?」
「うん、ありがとう。でも、私。毎晩予知夢を視るの」
「えっ?!ライオン男に被害者が殺されるのを毎晩夢にみるの?!」
「・・・。そうなの」

 レイチェルはエイミーが可哀想で仕方なかった。エイミーがアレックスに付き合って被害者の情報探しをしていたのは、被害者を助けたい気持ちも大きいだろうが、眠ってしまうとライオン男に被害者が殺されてしまう夢を何度も見てしまうのが嫌だったのだ。

 レイチェルはエイミーのとなりに横になると、エイミーの短い銀髪を撫でながら言った。

「エイミー。目をつむって?エイミーが眠るまで私起きてるから。もしエイミーが予知夢を見たらすぐに起こすわ」
「ありがと、」

 エイミーは一言答えるとスースーと寝息を立てて眠ってしまった。レイチェルはエイミーの目の下にできた黒いクマを、指のはらで撫でた。エイミーはピクリとも動かず起きる事はなかった。

 翌朝レイチェルが目を覚ますと、エイミーがぐっすり眠っていた。レイチェルはエイミーの寝顔を見ているうちに眠ってしまったのだ。

 エイミーが夜中に悪夢をみたのかはわからないが、寝顔はおだやかだった。

 レイチェルがリビングに行くと、アレックスが血走った目でノートパソコンをのぞきこんでいた。
 
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