殺人鬼から逃げ切ったら超能力が目覚めた件〜ファイナルガールズの逆襲

エイミーとケィティ

　レイチェルに抱きしめられて、少し落ち着いたエイミーが、口を開いた。

「キティが私の事、エイミーじゃない、他人のそら似だって言ってくれたから、ケィティは疑いながらも納得してくれたの」

　エイミーは以前とだいぶ見た目を変えている。それまでのエイミーがしていなかった派手な髪型と服装とアクセサリー。

「だけど、ケィティがね、私に会わせたい人がいるから連絡先を教えてくれっていうの」

　ケィティがエイミーにそっくりな女の子を会わせたい人物とは、おそらくレイチェルの事だろう。

　ケィティはレイチェルがエイミーを失って落ち込んでいる事を熟知していた。だから他人のそら似であってもエイミーとうり二つ、この場合エイミー本人なのだが。ケィティはレイチェルにエイミーと会わせたいの考えたのだろう。優しいケィティの考えそうな事だ。

「私が答えられないで黙っていると、ケィティは私が困っているとわかったみたいで、自分のメールアドレスを渡していったわ。ねぇ、レイチェル。私どうしたらいいのかしら？」

　困り顔のエイミーに、レイチェルは困ってしまった。アレックスに助言を求めても、エイミーが生きている事はケィティに絶対に知らせるなという厳命がくだっただけだった。

　翌日レイチェルが学校に行くと、休み時間にケィティが教室に駆け込んで来た。

「レイチェル！大ニュースよ？！私、エイミーにそっくりな女の子に会ったの！」
「何言ってるの、ケィティ。だって、エイミーは、」
「そうよね。ごめん、こんな事言って。レイチェルはエイミーの最後を見たんだものね」

　レイチェルがふさぎ込む仕草をすると、優しいケィティは気遣わしげにレイチェルの手をそっと握った。

　ケィティは心の底からレイチェルとエイミーの事を大切に思ってくれているのだ。レイチェルはエイミーが生き返った事をケィティに話したくて仕方なかった。

　だがそれはできない事だ。レイチェルたちがくだした決断は。ケィティがピクリと身体を震わせた。きっと携帯電話にメールが入ったのだろう。

　ケィティはレイチェルの手を話して携帯電話を見て、興奮して叫んだ。

「レイチェル！エイミーにそっくりな女の子が、会ってもいいって！」

　エイミーはケィティと会う事にしたのだ。エイミーのそっくりさんとして。