殺人鬼から逃げ切ったら超能力が目覚めた件〜ファイナルガールズの逆襲

盛平

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エイミーと腕試し

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 男たちは四人組だった。馴れ馴れしくレイチェルとエイミーの肩に腕を回し、のぞき込んできた。

「ヒュウ。どっちも可愛いじゃねぇか。なぁ、こんな所いないで俺たちと遊びに行こうぜ?」

 それまで笑顔だったエイミーは無表情な顔になって、自分の肩に乗った男の腕を払って言った。

「レイチェルに汚い手で触らないで」

 言うが早いか、レイチェルの肩に手を置いていた男の腕を捻りあげた。男は突然の痛みに悲鳴をあげる。 

「キャァ!エイミーカッコいい!」

 レイチェルはエイミーのカッコ良さに目をキラキラさせた。エイミーがレイチェルを守ってくれたのだ。エイミーは照れ臭そうに笑ってから言った。

「えへへ。ねぇ、レイチェル。このバカ四人、私にやらせてくれない?」
「大丈夫?こいつらだいぶ頭に血がのぼってるみたいだけど?」
「うん!」
「わかったわ。でも、危なくなったら私も加勢するからね?」
「ええ。レイチェル、ありがとう」

 エイミーがレイチェルに返事をした直後、怒った三人の男たちが同時にエイミーに殴りかかった。先の未来が見えるエイミーはスルスルと水を泳ぐ魚のように男たちをすり抜けると、無様に背後をさらしている男の背中にけりを入れた。

 三人の男たちは団子になって倒れた。あまりにもお話にならない弱い男たちだった。

 レイチェルがため息をついていると、四人目の男がレイチェルの肩をぐいっとつかんだ。

「ふざけんな、このアマ!」

 レイチェルはつかまれている男の手を取って、力を逃しながら背後にまわると、男の肩口を前方に押さえつけた。ゴキという鈍い音がする。肩がはずれたのだ。

 男は脱臼の痛みにギャアッと叫んだ。やってしまった。レイチェルは思わずため息をついた。

 レイチェルは自身が運動神経が悪い事は重々承知している。だが毎日のようにアレックスに格闘技をしかけられていては、無意識に反応してしまうのだ。

 レイチェルは叫び続ける男に舌打ちしてから、腹につま先でけりを入れた。男は気を失ったようだ。これで静かになった。

 レイチェルが三人の男と戦っているエイミーに視線を向けると、男たちの攻撃をよけながら、エイミーが困った表情でレイチェルを見ていた。

 レイチェルは悪びれた顔で舌を出した。もうこれ以上は手を出すまい。

 三人の男たちは、捕まえられないエイミーにいらだったのか、ポケットから折りたたみナイフを出していかくした。

 それまで小さな子供を相手するように緊張感の無かったエイミーの顔に、にわかに緊張が走った。



 
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