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魔法修行3

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 昼食を終えて休けいした後、ユリスたちは魔法の勉強の時間になった。てっきりユリスは、セミルが教えてくれるものだと思っていたのだが、セミルが驚くべき事を言った。

「よしユリス、お前がフィンとブランに魔法学を教えてやるんだ」
「ちょっと待ってください師匠!ブランは高貴な霊獣です。僕などが教えるなど恐れおおいです」
「ユリスは頭がかてぇなぁ。確かにブランは人間よりもはるかに長生きしている。だがユリスがブランに教えてるのは、人間が長い年月をかけてつちかってきた魔法理念だ」

 ユリスはしぶしぶうなずいて、隠しの魔法を解いて沢山の書物を取り出した。ユリスが幼少の頃、魔法の師から教わった教科書の数々だ。ユリスが初級の魔法学の本を開こうとすると、セミルが止めた。

「おいユリス、本を読むな。間違っていれば俺が訂正する。ユリスは自分の中にある魔法学をフィンとブランに教えるんだ」

 ユリスは面食らってしまったが、フィンは目をキラキラ輝かせてユリスが話出すのを待っていた。仕方ない、ユリスは一つ息をはいてから口を開いた。

「人にものを教えるなんて初めての事だよ。上手くいかなかったらごめんね?フィン、ブラン」
「そんな事ないよユリス。僕とブランは魔法の事をよく知らないもの。知らない事を知れるのはとても楽しい事だよ」

 フィンの言葉にユリスは身体の力が抜けた。ユリスは自分が学んできた魔法学を話し出した。

「この世の中は火、水、土、風、四つのエレメントでできているという理念は聞いた事あるよね?」

 フィンとブランはうなずく。ユリスもうなずいて言葉を続けた。

「四つのエレメントは全て関係し合い、敵対し合うんだ」

 ユリスは土魔法で小さな苗木を作り出した。水魔法で苗木に雨を降らせる。苗木はスクスク成長した。次に火魔法で小さな炎を作り出し、風魔法を発生させた。炎は風を含み大きく燃え上がった。フィンとブランはユリスの魔法をジッと見つめていた。ユリスはうなずいて言った。

「水魔法は土魔法に力を与えられる。風魔法は火魔法に力を与えられる。これは助け合う関係、相生というんだ。反対に」

 ユリスは育った苗木を火魔法で焼いた。火魔法に水魔法を当てて、火魔法を消してしまった。ユリスは話しを続ける。

「このように敵対しあうのを相克という」

 フィンとブランは苗木が炎に焼かれてしまってしょんぼりしてしまった。フィンとブランは土魔法だからだ。ユリスは笑顔で言った。

「どの魔法にも苦手な魔法はあるからね。ブランの魔法はすごかったよ?土人形の魔法なんて、僕もマネしたいけど、あんなに沢山の土人形を操れないよ!」

 それまでしょんぼりしていたブランは、ユリスの言葉を聞いて嬉しくなったようだ。可愛いい鼻をツンと突き出して得意げにした。
 



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