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召喚士対魔法使い

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 フィンは目の前の状況をあっけにとられながら見ていた。ブランが作り出した巨大は土人形が、ユリスによって破壊されてしまったのだ。

 ブランの土魔法は敵の捕縛や攻撃に有利だと思っていたが、こと魔法使いには別な対応を考えなければいけないようだ。ユリスは土人形を破壊した後、地面に着地した。

 フィンはブランに続けて土人形での攻撃を指示した。ブランは自分の土人形魔法が、ユリスにてんで効いていない事が面白くないらしく、今度は二十体の土人形を作ってユリスに向かわせた。

 きっとこの二十体の土人形もユリスに破壊されてしまうだろう。フィンが次の手段を考えようとした時、ユリスの異変に気づいた。ユリスの身体がゆらいだかと思うと、そのまま倒れてしまったのだ。フィンはブランに叫んだ。

「ブラン!攻撃中止!」
『えっ?!』

 ブランは身体が小さいので、ユリスが倒れた事に気づかなかったのだろう。フィンの突然の攻撃中止の指示に、オタオタしてしまい、土人形の攻撃が止まらなかった。危ない。このままではユリスに大ケガをさせてしまう。

「ユリス!」

 フィンは大声でユリスの名を叫んだ。突然、倒れたユリスの前にセミルが現れた。セミルは右手を、襲いかかる土人形に向けた。驚いた事に、土人形はピタリと動きを止めてしまった。セミルが右手のこぶしをにぎるような仕草をして、再び手を開くと、土人形はパッと土にかえってしまった。

 セミルにブランの土魔法が解除されてしまったのだ。フィンはホッと息を吐いてからセミルに駆け寄って言った。

「セミル!ユリスは無事?!」

 セミルは倒れて動かないユリスを抱き上げて答えた。

「ああ。魔力切れで気絶しているだけだ」

 フィンは安どのため息をついた。そして思い出したようにセミルに言った。

「セミル、すごいね?ブランの土魔法を解除しちゃったんだね?」
「当たり前だ、ここは俺の結界内だからな。いくらブランが霊獣でも、俺に解除できけねぇ魔法なんてねぇの」

 フィンは足元のブランを抱き上げて言った。

「ブラン。ユリスにケガがなくて良かったね?」
『・・・。ユリスにケガが無いのは良かったけど、アタシの魔法が通用しなかったのはフクザツだわよ』
「そうだねブラン。魔法使いってすごいね。これから魔法使いに対抗できる土魔法を考えないとね?」
『うん』

 フィンは落ち込んでしまっているブランの背中をポンポンと優しくたたいた。フィンはセミルを見て言った。

「セミルありがとう。ユリスと戦わせてくれたのは、僕とブランの問題点を指摘してくれたんだね?」

 セミルは歯切れ悪く答えた。

「うーん。俺は土魔法は万能だと思っている。だが他の火、水、風魔法には弱い面もあるからな。四つのエレメントを使う魔法使いには考えねぇとな」
「うん」




 
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