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山賊の言い訳
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捕らえた山賊の一番背の高い男はゴイ、太っちょがトン、やせっぽちはヤンと言った。皆タジの村の出身だ。ゴイたちは村人から金を巻き上げる時は、布で顔をおおって悪事を働いていたようだ。
ユリスは男たちに聞いた。
「ゴイさん、何で村の人たちの迷惑になるような事をしたんですか?」
「俺たちはやっかいもんだからよ。ケンカばかりして、仕事もしねぇし、金もねぇ、だから徹底的に悪い奴になってやろうとしたのよ!」
フィンは呆れてものが言えなかった。彼らは見たところフィンよりも年上だ。三十歳くらいかもしれない。それなのに、仕事もしないでバカげた事をしている。これはしっかりお灸をすえたほうがいいのかもしれない。フィンが考えていると、ユリスがとんでもない事を言い出した。
「お金がないから山賊をしたんですか?お金はいくらあれば山賊をやめてくれますか?僕の持っているお金で足りるかなぁ?」
ユリスはそう言って、隠しの魔法を解いて、金貨が詰まった宝箱を出そうとしたのだ。フィンは慌てて言った。
「ダメだよ!ユリス!お金はね、自分で稼がなきゃいけないものなんだよ?」
フィンの言葉に、ユリスはキョトンとした顔をした。フィンはユリスの目を見て話した。
「ユリス、君が持っているお金はお父さんとお兄さんがくれたものでしょ?それはユリスが困った時に使うように持たせてくれたものなんだよ?ユリスはもう冒険者だ。君は自分で働いてお金を稼ぐんだ。この人たちも同じだよ?暴力をふるってお金を奪う事は絶対にやってはいけない事だ。この人たちは自分たちで働いてお金を稼がなきゃいけないんだ」
フィンの言葉を聞いたゴイは、吐き捨てるように言った。
「けっ!何が自分で働くだ!お前みたいに魔法の才能があれば俺だって働いてらぁ!」
ゴイの言葉に対して、ユリスは言った。
「ゴイさん。僕の魔法の先生が言っていたんだ。人はね、神様から必ず一つ才能をもらうんだって。その才能は、歌が上手かったり、字が上手だったり、力が強かったりと皆それぞれ違うんだって。その才能に気づけた人は幸せだ。だけどもっと幸せな人はね、自分の才能を誇りに思える人なんだって」
ユリスは柔らかな声で話した。ゴイとトンとヤンは静かに聞いている。ユリスは言葉を続けた。
「魔法の先生は、僕には魔法の才能があるっていってくれたんだ。だけど僕は父上からも兄弟たちからも出来損ないといわれていたから、自分の才能を誇りに思う事はできなかった。だけど、友達のフィンが父上に言ってくれたんだ。自分の子供を何故誇りに思わないんだって。そうしたら、父上が胸の内を話してくれたんだ。僕の事を誇りに思ってるって。僕はその時初めて自分の才能に誇りを持つ事ができたんだ」
ユリスは微笑んでゴイたちに言った。
「だからね、ゴイさんたちにだって、自分にしかできない才能がきっとあるはずだよ?何かない?」
「俺は、何もねぇよ。バカ力しかよぉ」
ゴイはふてくされたように言った。ユリスは喜んで言った。
「ゴイさん。力持ちは才能だよ!」
ゴイにつられて、トンもためらいがちに言った。
「お、俺は食う事が大好きだから!うまいもの食べたらその味付けがすぐわかるんだ!」
「トンさんすごい!料理人になれるよ!」
ユリスは手をたたいて喜んで言った。そして黙っているヤンに向きなおって言った。
「ヤンさんは?」
「・・・。俺は、何もねぇよ。チンケな彫刻しかできねぇ」
「彫刻?トグサさんと同じだね?」
「トグサ?お前、俺のオヤジを知っているのか?」
フィンとユリスは驚いた。お世話になったトグサがヤンの父親だったのだ。
ユリスは男たちに聞いた。
「ゴイさん、何で村の人たちの迷惑になるような事をしたんですか?」
「俺たちはやっかいもんだからよ。ケンカばかりして、仕事もしねぇし、金もねぇ、だから徹底的に悪い奴になってやろうとしたのよ!」
フィンは呆れてものが言えなかった。彼らは見たところフィンよりも年上だ。三十歳くらいかもしれない。それなのに、仕事もしないでバカげた事をしている。これはしっかりお灸をすえたほうがいいのかもしれない。フィンが考えていると、ユリスがとんでもない事を言い出した。
「お金がないから山賊をしたんですか?お金はいくらあれば山賊をやめてくれますか?僕の持っているお金で足りるかなぁ?」
ユリスはそう言って、隠しの魔法を解いて、金貨が詰まった宝箱を出そうとしたのだ。フィンは慌てて言った。
「ダメだよ!ユリス!お金はね、自分で稼がなきゃいけないものなんだよ?」
フィンの言葉に、ユリスはキョトンとした顔をした。フィンはユリスの目を見て話した。
「ユリス、君が持っているお金はお父さんとお兄さんがくれたものでしょ?それはユリスが困った時に使うように持たせてくれたものなんだよ?ユリスはもう冒険者だ。君は自分で働いてお金を稼ぐんだ。この人たちも同じだよ?暴力をふるってお金を奪う事は絶対にやってはいけない事だ。この人たちは自分たちで働いてお金を稼がなきゃいけないんだ」
フィンの言葉を聞いたゴイは、吐き捨てるように言った。
「けっ!何が自分で働くだ!お前みたいに魔法の才能があれば俺だって働いてらぁ!」
ゴイの言葉に対して、ユリスは言った。
「ゴイさん。僕の魔法の先生が言っていたんだ。人はね、神様から必ず一つ才能をもらうんだって。その才能は、歌が上手かったり、字が上手だったり、力が強かったりと皆それぞれ違うんだって。その才能に気づけた人は幸せだ。だけどもっと幸せな人はね、自分の才能を誇りに思える人なんだって」
ユリスは柔らかな声で話した。ゴイとトンとヤンは静かに聞いている。ユリスは言葉を続けた。
「魔法の先生は、僕には魔法の才能があるっていってくれたんだ。だけど僕は父上からも兄弟たちからも出来損ないといわれていたから、自分の才能を誇りに思う事はできなかった。だけど、友達のフィンが父上に言ってくれたんだ。自分の子供を何故誇りに思わないんだって。そうしたら、父上が胸の内を話してくれたんだ。僕の事を誇りに思ってるって。僕はその時初めて自分の才能に誇りを持つ事ができたんだ」
ユリスは微笑んでゴイたちに言った。
「だからね、ゴイさんたちにだって、自分にしかできない才能がきっとあるはずだよ?何かない?」
「俺は、何もねぇよ。バカ力しかよぉ」
ゴイはふてくされたように言った。ユリスは喜んで言った。
「ゴイさん。力持ちは才能だよ!」
ゴイにつられて、トンもためらいがちに言った。
「お、俺は食う事が大好きだから!うまいもの食べたらその味付けがすぐわかるんだ!」
「トンさんすごい!料理人になれるよ!」
ユリスは手をたたいて喜んで言った。そして黙っているヤンに向きなおって言った。
「ヤンさんは?」
「・・・。俺は、何もねぇよ。チンケな彫刻しかできねぇ」
「彫刻?トグサさんと同じだね?」
「トグサ?お前、俺のオヤジを知っているのか?」
フィンとユリスは驚いた。お世話になったトグサがヤンの父親だったのだ。
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