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第七王子の婚約者
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フィンは純白のドレスのフリルを持ち上げてぼやいた。
「僕が男ってばれても怒らないでよ?ユリス」
ユリスは目をキラキラ輝かせて答えた。
「大丈夫だよフィン。とっても綺麗だ。父上もきっと喜んでくれるよ」
フィンはユリスの土魔法で、純白のドレスを着て、長いブラウンのウィッグをかぶり、ペンダントやイヤリングを身につけていた。フィンは不安そうに足元のブランに聞いた。
「ブランおかしくない?ねぇ鏡見せて?」
『とっても綺麗だわよ、フィン。鏡見なくても大丈夫。鏡を見るとフィン、走って行っちゃうから』
以前フィンは、ブランとリリーにドレスを着せられ鏡を見た瞬間に、宿屋から飛び出して行ってしまったのだ。そしてユリスに出会った。世の中何があるかわからない。
フィンはドレスを着て、シュロム国の第七王子の婚約者としてシュロム国王に拝謁するのだ。フィンは冷や汗をかきながら部屋を出た。
ユリスの作ってくれた純白のドレスはとてもスソが長く、はいているクツはとても高いヒールだった。フィンはバランスがとれず、ユリスに手をひいてもらわなければ歩けなかった。契約霊獣のブランは姿隠しの魔法で姿を消している。
国王陛下の間まで行く途中、一人の男性に出会った。その男性は剣をたずさえた立派な人だった。ユリスはその男性に気づくと、フィンの手を離して駆け寄った。フィンはバランスを崩して前に倒れてしまった。
「兄上!」
「ユリス。この人がそうなのか?」
「はい!友達のフィンです。フィンに協力してもらっているんです」
「そうか。それは良いが、友達が倒れているぞ?」
ユリスはそこでようやく倒れて動けないフィンに駆け寄り、手を引っ張って起こしながら言った。
「フィン、ごめん。大丈夫?」
「ひどいよユリス。急に手をはなすんだもん」
「ごめんね。でもフィンって、結構ドンくさいんだねぇ」
フィンはバランスを崩した拍子に長いドレスのスソを踏み、派手に転倒して顔面を打ちつけてしまった。
ユリスがフィンの顔を覗き込んでぼやいた。
「ああ、顔面からいったんだね。鼻血出てる」
ユリスは治癒魔法でフィンの鼻血を止め、真っ白なハンカチを取り出してフィンの鼻血を拭いてくれた。ユリスは笑顔で男性を紹介してくれた。
「フィン、紹介するよ。僕の兄上、シュロム国第一王子レオンスだ」
フィンはユリスの兄、レオンスを見た。レオンスは第一王子。順当に行けば時期シュロム国王だ。レオンスは微笑んでフィンにあいさつをした。
「やぁフィン。弟から話しは聞いているよ。ユリスの友達になってくれてありがとう」
フィンはレオンスの笑顔に戸惑いながら引きつった笑いを浮かべた。レオンスは微笑んで言った。
「大丈夫だよ?フィン。ユリスから君は男の子だって聞いてる。弟の願いを聞いて協力しようとしてくれているのも知ってる。フィン、どうかユリスの助けになってくれ」
フィンはユリスに、レオンスと別れてから言った。
「ユリスのお兄さんの言ってた事。どういう意味?」
「・・・。フィン、僕は父上にディアナ王女との婚約を破棄する願いと共に、城を出たいんだ」
ユリスの告白に、フィンは驚いてしまった。一国の王子が城を出て自由に暮らす。そんな事は可能なのだろうか。フィンが黙っていると、ユリスが話し続けた。
「兄上には賛成してもらっている。兄上はいずれシュロム国の王になるだろう。父上には八人の王子がいるけど皆母親が違う。王子たちは自身が王になろうと、陰で牙をむいている。僕は自分が王になりたいなんて思わない。だけどレオンス兄上には時期国王になってほしいと思う。僕は、兄上の役に立てる者になりたいんだ。そのためには城の中にいてはダメだ。外の世界に出たいんだ」
以前ユリスが言っていた。王族の皆がユリスを弱いとののしる中、レオンスだけがユリスの才能を信じて魔法を習わせてくれた。ユリスは兄に恩返しがしたいのだ。
「僕が男ってばれても怒らないでよ?ユリス」
ユリスは目をキラキラ輝かせて答えた。
「大丈夫だよフィン。とっても綺麗だ。父上もきっと喜んでくれるよ」
フィンはユリスの土魔法で、純白のドレスを着て、長いブラウンのウィッグをかぶり、ペンダントやイヤリングを身につけていた。フィンは不安そうに足元のブランに聞いた。
「ブランおかしくない?ねぇ鏡見せて?」
『とっても綺麗だわよ、フィン。鏡見なくても大丈夫。鏡を見るとフィン、走って行っちゃうから』
以前フィンは、ブランとリリーにドレスを着せられ鏡を見た瞬間に、宿屋から飛び出して行ってしまったのだ。そしてユリスに出会った。世の中何があるかわからない。
フィンはドレスを着て、シュロム国の第七王子の婚約者としてシュロム国王に拝謁するのだ。フィンは冷や汗をかきながら部屋を出た。
ユリスの作ってくれた純白のドレスはとてもスソが長く、はいているクツはとても高いヒールだった。フィンはバランスがとれず、ユリスに手をひいてもらわなければ歩けなかった。契約霊獣のブランは姿隠しの魔法で姿を消している。
国王陛下の間まで行く途中、一人の男性に出会った。その男性は剣をたずさえた立派な人だった。ユリスはその男性に気づくと、フィンの手を離して駆け寄った。フィンはバランスを崩して前に倒れてしまった。
「兄上!」
「ユリス。この人がそうなのか?」
「はい!友達のフィンです。フィンに協力してもらっているんです」
「そうか。それは良いが、友達が倒れているぞ?」
ユリスはそこでようやく倒れて動けないフィンに駆け寄り、手を引っ張って起こしながら言った。
「フィン、ごめん。大丈夫?」
「ひどいよユリス。急に手をはなすんだもん」
「ごめんね。でもフィンって、結構ドンくさいんだねぇ」
フィンはバランスを崩した拍子に長いドレスのスソを踏み、派手に転倒して顔面を打ちつけてしまった。
ユリスがフィンの顔を覗き込んでぼやいた。
「ああ、顔面からいったんだね。鼻血出てる」
ユリスは治癒魔法でフィンの鼻血を止め、真っ白なハンカチを取り出してフィンの鼻血を拭いてくれた。ユリスは笑顔で男性を紹介してくれた。
「フィン、紹介するよ。僕の兄上、シュロム国第一王子レオンスだ」
フィンはユリスの兄、レオンスを見た。レオンスは第一王子。順当に行けば時期シュロム国王だ。レオンスは微笑んでフィンにあいさつをした。
「やぁフィン。弟から話しは聞いているよ。ユリスの友達になってくれてありがとう」
フィンはレオンスの笑顔に戸惑いながら引きつった笑いを浮かべた。レオンスは微笑んで言った。
「大丈夫だよ?フィン。ユリスから君は男の子だって聞いてる。弟の願いを聞いて協力しようとしてくれているのも知ってる。フィン、どうかユリスの助けになってくれ」
フィンはユリスに、レオンスと別れてから言った。
「ユリスのお兄さんの言ってた事。どういう意味?」
「・・・。フィン、僕は父上にディアナ王女との婚約を破棄する願いと共に、城を出たいんだ」
ユリスの告白に、フィンは驚いてしまった。一国の王子が城を出て自由に暮らす。そんな事は可能なのだろうか。フィンが黙っていると、ユリスが話し続けた。
「兄上には賛成してもらっている。兄上はいずれシュロム国の王になるだろう。父上には八人の王子がいるけど皆母親が違う。王子たちは自身が王になろうと、陰で牙をむいている。僕は自分が王になりたいなんて思わない。だけどレオンス兄上には時期国王になってほしいと思う。僕は、兄上の役に立てる者になりたいんだ。そのためには城の中にいてはダメだ。外の世界に出たいんだ」
以前ユリスが言っていた。王族の皆がユリスを弱いとののしる中、レオンスだけがユリスの才能を信じて魔法を習わせてくれた。ユリスは兄に恩返しがしたいのだ。
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