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フティの街のその後

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 王都の騎士団長ランハートは、フティの街の騎士団が領主と結託して私腹をこやしていた事にとても腹を立てた。フティの街の騎士団長と幹部は罪をとわれ、領主と商人たちと共に王都へ移送られる事になった。

 新たなフティの街の騎士団長はランハートの信頼のおける部下がなる事になった。ベノーたち元用心棒は幸運にも、欠員を補うために新たな騎士団員として入団する事になった。騎士団ともなれば給料は破格になる。ベノーたち用心棒はとても喜んだ。

 フィンはベノーたち用心棒仲間と別れる事になった。共に暮らしたベノーたちは、フィンにとって大切な仲間になっていた。用心棒たちはフィンとの別れを泣きながら惜しんでくれた。ベノーはフィンに言った。

「フィン、ブラン。世話になったな」
「お礼を言うのは僕の方です。ベノーさん、僕を助けてくれてありがとうございました。でも、もう危険な事しないでくださいよ?ベノーさんは、アレンくんにとってたった一人のお父さんなんですからね」
「ああ。フィンを弓矢からかばったのは無意識だったんだ。俺の息子も、大きくなったらフィンみたいに勇敢になるのかなと思ったら身体が動いていたんだ」

 ベノーの言葉にフィンは泣きそうになって黙ってしまった。ベノーは優しい笑顔でフィンに聞いた。

「フィン。お前の父ちゃんはどんな奴なんだ?」
「僕は孤児なので父はいません」
「!。だってお前、兄がいるって言ったじゃねぇか?!」
「兄のバレットととは血のつながりはありません。バレットも孤児だから、僕たち兄弟になったんです」
「そうか、心がつながってるんだな。エメリンお嬢さんと元クソ領主は血がつながっていても、心は通じあっていなかった。フィン、兄さんを大事にな」

 フィンは笑ってはい、と答えた。


 フィンとブランはベノーたちと別れてエメリンたちのいるジキの村へ急いだ。領主の屋敷は王都の騎士団により徹底的に調べられているので、エメリンが屋敷に戻れるようになるのはだいぶ先になるだろう。使用人たちは引き続き屋敷で働ける事になっていた。

 フィンがエメリンとドミニクに会うと、二人はジカの村の人々と仲良くなっていた。フィンがエメリンに領主が騎士団に捕まった事を話すと、彼女は悲しそうに微笑んだ。

 エメリンとドミニクの二人はフティの街には帰らず、この村で暮らす事を決めた。フィンはエメリンとドミニクが嬉しそうに村人と共に農業をする姿を見て嬉しくなった。フィンはエメリンとドミニクに再会を誓って別れた。

 

 
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