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友情
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フィンはぼんやりと兄であるバレットの背中を見つめていた。ユリスが申し訳なさそうにフィンに言った。
「ごめんね、フィン」
「ううん。僕こそ早く本当の事言わなくてごめんね」
フィンはブランに頼んで服を元に戻してもらった。フィンはシンプルなシャツとズボン姿になった。それを見たユリスが言った。
「フィンは本当に男の子だったんだね?」
「そうに決まってるじゃないか。何でドレス着た僕を見て女だって思うのかな?」
「フィンがわからないんだったらいいよ」
ユリスは視線をフィンから足元のブランに移して言った。
「美しい白猫だ。この白猫は霊獣だね?フィンは召喚士なんだ」
「うん。僕自身は少しの土魔法しか使えないんだ。だから、さっきユリスの防御ドームに穴を空けて入れたのもブランの魔法なんだよ」
ユリスはしゃがんで、ブランの背中を優しく撫でた。ブランがユリスに気を許している事からも、ユリスが誠実な人間だとうかがえた。
フィンは気になった事をユリスに聞いた。
「ねぇ、ユリス。君はシュロム国の王子さまなのに、なぜレムーリア国に来ているの」
それまで嬉しそうにブランを撫でていたユリスの手が止まった。ユリスはさびしげな笑顔になってから、話しが長くなるからと言った。ユリスははしっこに寄せてあったテーブルとソファーを魔法で元の位置に戻し、フィンとブランにソファを進めた。
フィンたちが席につくと、ユリスは隠しの魔法を解いて、ティーセットを出現させた。ユリスは手ずから紅茶を注いでくれた。ブランにはフルーツの盛り合わせを出してくれた。
ユリスは紅茶を一口飲んでから話し出した。
「このレムーリア国に僕が来た理由は、オーバン国王の末娘ディアナ王女との婚姻の約束のためなんだ」
ユリスの言葉にフィンは驚いてしまった。ディアナ王女との婚姻の約束をするのに、何でフィンに求婚したのだろうか。フィンのいぶかしむ表情が顔に出たのだろう。ユリスは困ったように答えた。
「ディアナ王女は今五歳だ。僕が会いに行った時、乳母に抱きついて大泣きしていたよ。僕はこれから数年後、彼女と結婚するのかと思うと、何だがやりきれなくてね。僕の人生は僕の好きに決められないんだ」
ユリスはもう一度紅茶を飲んでから、フィンを見て言った。
「そんな時フィンに出会ったんだ。フィンは自分で自分の人生を切り開ける強い人だと思った。だから僕はフィンに惹かれたんだ」
どうやら一国の王子というものはとても大変らしい。フィンはどう言っていいかわからずに黙っていると、ユリスは笑顔になって言った。
「僕、もう一度父上に話してみるよ。僕とディアナ王女は政略結婚だからね。シュロム国とレムーリア国の友好のための結婚なんだ」
フィンは紅茶を一口飲んでからユリスに言った。
「僕は平民だから、王子のユリスの気持ちはわからない。でもユリスは王子である前に一人の人間だ。ユリスが国のために自分の人生を捨ててしまうのは違うと思う」
「ありがとう、フィン。僕は王子の中でも一番ダメな奴なんだ」
「そんな事ないよ!ユリスは強い魔法使いだし、ブランにも好かれている。立派な人だよ!」
「あはは、フィンは優しいなぁ。王子は全員で八人いるんだ。皆王子として生まれてすぐに剣を習うんだ。それは強い男になるためなんだ。身体的にも、精神的にも。だけど僕は小さい頃から病弱で、父上はとてもなげいていた。他の王子たちにもうとまれていた。だけど兄上、第一王子だけが僕に魔法使いの教師をつけてくれたんだ。僕は人よりも魔力が強かったようで、魔法使いは喜んで僕を指導してくれた。僕はこの力を、僕を見捨てないでくれた兄上と困っている人のために使いたいんだ」
フィンはユリスの考えに感動した。フィンはユリスの力になりたかった。フィンはとなりに座っているユリスの手を掴んで言った。
「僕、ユリスを応援するよ!」
ユリスは驚いた顔をしたが、笑顔になった。
「ごめんね、フィン」
「ううん。僕こそ早く本当の事言わなくてごめんね」
フィンはブランに頼んで服を元に戻してもらった。フィンはシンプルなシャツとズボン姿になった。それを見たユリスが言った。
「フィンは本当に男の子だったんだね?」
「そうに決まってるじゃないか。何でドレス着た僕を見て女だって思うのかな?」
「フィンがわからないんだったらいいよ」
ユリスは視線をフィンから足元のブランに移して言った。
「美しい白猫だ。この白猫は霊獣だね?フィンは召喚士なんだ」
「うん。僕自身は少しの土魔法しか使えないんだ。だから、さっきユリスの防御ドームに穴を空けて入れたのもブランの魔法なんだよ」
ユリスはしゃがんで、ブランの背中を優しく撫でた。ブランがユリスに気を許している事からも、ユリスが誠実な人間だとうかがえた。
フィンは気になった事をユリスに聞いた。
「ねぇ、ユリス。君はシュロム国の王子さまなのに、なぜレムーリア国に来ているの」
それまで嬉しそうにブランを撫でていたユリスの手が止まった。ユリスはさびしげな笑顔になってから、話しが長くなるからと言った。ユリスははしっこに寄せてあったテーブルとソファーを魔法で元の位置に戻し、フィンとブランにソファを進めた。
フィンたちが席につくと、ユリスは隠しの魔法を解いて、ティーセットを出現させた。ユリスは手ずから紅茶を注いでくれた。ブランにはフルーツの盛り合わせを出してくれた。
ユリスは紅茶を一口飲んでから話し出した。
「このレムーリア国に僕が来た理由は、オーバン国王の末娘ディアナ王女との婚姻の約束のためなんだ」
ユリスの言葉にフィンは驚いてしまった。ディアナ王女との婚姻の約束をするのに、何でフィンに求婚したのだろうか。フィンのいぶかしむ表情が顔に出たのだろう。ユリスは困ったように答えた。
「ディアナ王女は今五歳だ。僕が会いに行った時、乳母に抱きついて大泣きしていたよ。僕はこれから数年後、彼女と結婚するのかと思うと、何だがやりきれなくてね。僕の人生は僕の好きに決められないんだ」
ユリスはもう一度紅茶を飲んでから、フィンを見て言った。
「そんな時フィンに出会ったんだ。フィンは自分で自分の人生を切り開ける強い人だと思った。だから僕はフィンに惹かれたんだ」
どうやら一国の王子というものはとても大変らしい。フィンはどう言っていいかわからずに黙っていると、ユリスは笑顔になって言った。
「僕、もう一度父上に話してみるよ。僕とディアナ王女は政略結婚だからね。シュロム国とレムーリア国の友好のための結婚なんだ」
フィンは紅茶を一口飲んでからユリスに言った。
「僕は平民だから、王子のユリスの気持ちはわからない。でもユリスは王子である前に一人の人間だ。ユリスが国のために自分の人生を捨ててしまうのは違うと思う」
「ありがとう、フィン。僕は王子の中でも一番ダメな奴なんだ」
「そんな事ないよ!ユリスは強い魔法使いだし、ブランにも好かれている。立派な人だよ!」
「あはは、フィンは優しいなぁ。王子は全員で八人いるんだ。皆王子として生まれてすぐに剣を習うんだ。それは強い男になるためなんだ。身体的にも、精神的にも。だけど僕は小さい頃から病弱で、父上はとてもなげいていた。他の王子たちにもうとまれていた。だけど兄上、第一王子だけが僕に魔法使いの教師をつけてくれたんだ。僕は人よりも魔力が強かったようで、魔法使いは喜んで僕を指導してくれた。僕はこの力を、僕を見捨てないでくれた兄上と困っている人のために使いたいんだ」
フィンはユリスの考えに感動した。フィンはユリスの力になりたかった。フィンはとなりに座っているユリスの手を掴んで言った。
「僕、ユリスを応援するよ!」
ユリスは驚いた顔をしたが、笑顔になった。
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