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戦い
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亜子はしばしの間、物思いにふけってしまった。
「亜子ちゃん!指示を出して?!」
普段おっとりしたみなもの厳しい声に、亜子はハッとして彼女に向き直った。今は戦いの真っ最中だった。亜子はみなもに言った。
「ごめんね、みなもちゃん」
亜子が周りを見回すと、大猫の音子も、大ヘビの清姫も、大グモの菊花も、皆亜子を見ていた。亜子は大きくうなずいて言った。
「ごめん、皆!私たち全員で、奴らを倒そう!音子、みなもちゃん!攻撃!」
「ええ!」
「ニャ!」
みなもと音子は同時に妖術を発動した。みなもは複数の水を出現させ、同時に操った。音子も沢山の炎を出現させた。二人の妖術は向上したのだ。
みなもと音子の水と炎は、うねりながら陰陽師たちに向かって行った。二人の陰陽師は術を発動し、透明な防御壁を作った。みなもと音子の攻撃は防がれてしまった。すかさず亜子は叫んだ。
「清姫ちゃん!菊花ちゃん!防御壁破壊!」
大ヘビの清姫と大グモの菊花が亜子たちの前に出ると、口から毒を吐き出した。毒は防御壁に当たるとジュウジュウと音をたてて、防御壁が溶け出した。清姫と菊花は、生成する毒を研究して、陰陽師の防御壁にも対応させたのだ。
防御壁を破られ、陰陽師たちは叫び声を上げた。亜子のとなりのみなもがある場所を指さして叫んだ。
「亜子ちゃん!準備できたよ?!」
亜子がみなもの指さす先には、五人の陰陽師たちから、亜子たちの前まで、水の道ができていた。亜子はうなずいて答えた。
「ありがとう、みなもちゃん」
亜子は天狗の扇を取り出すと、小さなカミナリ雲を発生させた。亜子はスウッとカミナリ雲を吸い込んだ。腹の中で、カミナリ雲がパチパチとイナビカリを発生させている。
亜子は片ひざをついて、みなもが作ってくれた水の道に手で触れた。亜子は勢いよくカミナリを発生させた。カミナリは水を通って、五人の陰陽師たちを感電させた。
陰陽師たちはギャアッと叫んでバタリと倒れてしまった。亜子はホウッと口からカミナリ雲を吐き出した。
亜子はクラスの皆と陰陽師の術を習っていた時にある事を相談したのだ。カミナリの妖術は強力すぎて人間に使うと殺しかねないと。
そこで皆が考えてくれたのが、亜子が自らカミナリ雲を体内に入れて、力を加減するという方法だ。
小さなカミナリ雲を飲み込むのは、少しお腹がピリピリするが、自身がカミナリを発生させる時にだいぶ加減ができるようになった。
目の前の五人の陰陽師たちも、うんうんうなっている所を見ると、命に別状はないようだ。雪奈が手を叩いて言った。
「皆さん、お疲れさまでした。この陰陽師たちをあやかし学園の牢屋にぶち込んだら、遠足を再開しましょう!先生がご褒美にクレープをおごってあけます」
亜子たちは一斉にキャァと歓声を上げた。
「亜子ちゃん!指示を出して?!」
普段おっとりしたみなもの厳しい声に、亜子はハッとして彼女に向き直った。今は戦いの真っ最中だった。亜子はみなもに言った。
「ごめんね、みなもちゃん」
亜子が周りを見回すと、大猫の音子も、大ヘビの清姫も、大グモの菊花も、皆亜子を見ていた。亜子は大きくうなずいて言った。
「ごめん、皆!私たち全員で、奴らを倒そう!音子、みなもちゃん!攻撃!」
「ええ!」
「ニャ!」
みなもと音子は同時に妖術を発動した。みなもは複数の水を出現させ、同時に操った。音子も沢山の炎を出現させた。二人の妖術は向上したのだ。
みなもと音子の水と炎は、うねりながら陰陽師たちに向かって行った。二人の陰陽師は術を発動し、透明な防御壁を作った。みなもと音子の攻撃は防がれてしまった。すかさず亜子は叫んだ。
「清姫ちゃん!菊花ちゃん!防御壁破壊!」
大ヘビの清姫と大グモの菊花が亜子たちの前に出ると、口から毒を吐き出した。毒は防御壁に当たるとジュウジュウと音をたてて、防御壁が溶け出した。清姫と菊花は、生成する毒を研究して、陰陽師の防御壁にも対応させたのだ。
防御壁を破られ、陰陽師たちは叫び声を上げた。亜子のとなりのみなもがある場所を指さして叫んだ。
「亜子ちゃん!準備できたよ?!」
亜子がみなもの指さす先には、五人の陰陽師たちから、亜子たちの前まで、水の道ができていた。亜子はうなずいて答えた。
「ありがとう、みなもちゃん」
亜子は天狗の扇を取り出すと、小さなカミナリ雲を発生させた。亜子はスウッとカミナリ雲を吸い込んだ。腹の中で、カミナリ雲がパチパチとイナビカリを発生させている。
亜子は片ひざをついて、みなもが作ってくれた水の道に手で触れた。亜子は勢いよくカミナリを発生させた。カミナリは水を通って、五人の陰陽師たちを感電させた。
陰陽師たちはギャアッと叫んでバタリと倒れてしまった。亜子はホウッと口からカミナリ雲を吐き出した。
亜子はクラスの皆と陰陽師の術を習っていた時にある事を相談したのだ。カミナリの妖術は強力すぎて人間に使うと殺しかねないと。
そこで皆が考えてくれたのが、亜子が自らカミナリ雲を体内に入れて、力を加減するという方法だ。
小さなカミナリ雲を飲み込むのは、少しお腹がピリピリするが、自身がカミナリを発生させる時にだいぶ加減ができるようになった。
目の前の五人の陰陽師たちも、うんうんうなっている所を見ると、命に別状はないようだ。雪奈が手を叩いて言った。
「皆さん、お疲れさまでした。この陰陽師たちをあやかし学園の牢屋にぶち込んだら、遠足を再開しましょう!先生がご褒美にクレープをおごってあけます」
亜子たちは一斉にキャァと歓声を上げた。
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