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亜子はたまに、放課後狐太郎から陰陽師の術の手解きを受ける事になった。その時は狼牙は音子に預かってもらっている。
狐太郎は亜子を教室のイスに座らせて、亜子の前に立って質問した。
「亜子。妖術についてどう理解している?」
「えっと、パパから教わったわ。妖術とは、妖力を持ったあやかしの力。自然界の霊気を吸収して、放出する」
「ああ、そうだな。これから俺が教える陰陽師の術は人間が操るものだ。人間の持つ霊能力を使う。自然界の霊気の力を利用して使う」
亜子は手をあげて狐太郎に質問した。
「狐太郎くん。霊気を吸収して使うのと、霊気の力を利用するのはどうちがうの?」
狐太郎はうなずいてから口を開いた。
「あやかしは、膨大な霊気を吸収して妖力に変える事ができる。だが人間は霊気を吸収しすぎては、自身が破裂してしまう。だから円陣や札に霊気をまとわせて術を使うんだ」
亜子は難しいなと思ったが、一応うなずいた。狐太郎もうなずき、言葉を続けた。
「亜子は治癒の術を最初に学びたいと言ったな?」
「うん。もし私の妖術で、誰かを傷つけてしまったら、その人を治したいの」
亜子はこの間の戦闘訓練で、妖術を使う責任と、相手を傷つける覚悟を学んだ。
だからこそ、治癒の術を学びたかったのだ。狐太郎はうなずいてから、両手を亜子の前に出した。亜子が彼の手を見つめると、狐太郎の手が輝き出した。彼が治癒の術を使う時、いつも手が輝いていた。狐太郎が言った。
「今、俺の手のひらに霊気をまとわせた。亜子は妖術を使う時、霊気を吸って身体に取り込むだろ?そうではなくって、手のひらにまとわせるんだ」
亜子はうなずいて目を閉じた。いつもは自然界にある霊気を取り込んで妖術を発動させるが、今回は手のひらに集中させる。亜子の手のひらがじんわり温かくなっていく。
亜子がゆっくりと目を開くと、手のひらが輝いていた。とりあえずの成功に、亜子はホッとした。狐太郎は小さくうなずくと、ポケットからナイフを取り出し、何のためらいもなく自身の左手を傷つけた。
亜子は突然の事に動転して、キャッと叫んだ。狐太郎の左腕からはボタボタと血がしたたり落ちている。狐太郎は傷の痛みをものともせずに言った。
「亜子、俺の手を治癒させてくれ」
亜子はイスから立ち上がり、震える手で狐太郎の傷口に手をかざそうとした。そこで亜子はハタと動きを止めた。もし狐太郎の傷をしっかり治せなかったらどうしよう。
亜子は不安で身体をブルブル震わせた。狐太郎はふわっと笑って亜子に言った。
「大丈夫。亜子ならできるよ」
亜子はフゥッと肩の力を抜いて、狐太郎の左手に自身の手をそえた。狐太郎の傷口が輝き出す。
狐太郎の傷口は綺麗に治癒した。
狐太郎は亜子を教室のイスに座らせて、亜子の前に立って質問した。
「亜子。妖術についてどう理解している?」
「えっと、パパから教わったわ。妖術とは、妖力を持ったあやかしの力。自然界の霊気を吸収して、放出する」
「ああ、そうだな。これから俺が教える陰陽師の術は人間が操るものだ。人間の持つ霊能力を使う。自然界の霊気の力を利用して使う」
亜子は手をあげて狐太郎に質問した。
「狐太郎くん。霊気を吸収して使うのと、霊気の力を利用するのはどうちがうの?」
狐太郎はうなずいてから口を開いた。
「あやかしは、膨大な霊気を吸収して妖力に変える事ができる。だが人間は霊気を吸収しすぎては、自身が破裂してしまう。だから円陣や札に霊気をまとわせて術を使うんだ」
亜子は難しいなと思ったが、一応うなずいた。狐太郎もうなずき、言葉を続けた。
「亜子は治癒の術を最初に学びたいと言ったな?」
「うん。もし私の妖術で、誰かを傷つけてしまったら、その人を治したいの」
亜子はこの間の戦闘訓練で、妖術を使う責任と、相手を傷つける覚悟を学んだ。
だからこそ、治癒の術を学びたかったのだ。狐太郎はうなずいてから、両手を亜子の前に出した。亜子が彼の手を見つめると、狐太郎の手が輝き出した。彼が治癒の術を使う時、いつも手が輝いていた。狐太郎が言った。
「今、俺の手のひらに霊気をまとわせた。亜子は妖術を使う時、霊気を吸って身体に取り込むだろ?そうではなくって、手のひらにまとわせるんだ」
亜子はうなずいて目を閉じた。いつもは自然界にある霊気を取り込んで妖術を発動させるが、今回は手のひらに集中させる。亜子の手のひらがじんわり温かくなっていく。
亜子がゆっくりと目を開くと、手のひらが輝いていた。とりあえずの成功に、亜子はホッとした。狐太郎は小さくうなずくと、ポケットからナイフを取り出し、何のためらいもなく自身の左手を傷つけた。
亜子は突然の事に動転して、キャッと叫んだ。狐太郎の左腕からはボタボタと血がしたたり落ちている。狐太郎は傷の痛みをものともせずに言った。
「亜子、俺の手を治癒させてくれ」
亜子はイスから立ち上がり、震える手で狐太郎の傷口に手をかざそうとした。そこで亜子はハタと動きを止めた。もし狐太郎の傷をしっかり治せなかったらどうしよう。
亜子は不安で身体をブルブル震わせた。狐太郎はふわっと笑って亜子に言った。
「大丈夫。亜子ならできるよ」
亜子はフゥッと肩の力を抜いて、狐太郎の左手に自身の手をそえた。狐太郎の傷口が輝き出す。
狐太郎の傷口は綺麗に治癒した。
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