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戦闘2
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これはいける。狐太郎は心の中でつぶやいた。サトリの半妖の悟は、つぶさに敵である亜子たちの作戦を把握し、狐太郎の心に直接知らせてくれる。費やす時間は一秒にも満たない。
狐太郎は悟からの情報を元に、すばやくグループの仲間に対策の指示を出せるのだ。
序盤は河太郎の水攻撃だった。狐太郎はすかさず、同じ水の半妖のみなもに指示を出した。みなもと河太郎の能力はほぼ同じ、均衡状態が続いた。
次に亜子はやまびこの半妖山彦に攻撃を指示した。山彦の妖術は音波によるものだ。まともに食らえばただでは済まない。
だが狐太郎は、悟から事前に攻撃される事を知らされている。ふところに持っている術式の札を取り出し、防御壁の術を使う。
狐太郎の張った防御壁に、山彦の音波攻撃が当たり、目の前の透明な壁は破壊された。だが狐太郎は仲間を守る事に成功したのだ。狐太郎は横目でチラリと悟を見ながら聞いた。
「悟。亜子は攻撃してこないのか?」
今回の戦闘訓練では、相手の手の内を知った者が相対している。つまり敵の手の内が読めた上での戦闘なのだ。だが狐太郎たちには一つの懸念材料があった。それは唯一、手の内がわからない亜子の存在だ。
亜子は天狗の娘、きっとぼう大な妖力を有し、強力な妖術を使うはずだ。しかし亜子は、仲間に指示を出すばかりで、一向に攻撃はしてこなかった。悟は念話ではなく、自身の言葉で言った。
「亜子ちゃんは、妖術を使うのをためらっている。どうやら妖術に自信がないみたいだ」
「ん?妖力が弱いという事か?」
「逆だよ。強すぎて、僕たちを傷つけないか心配しているんだ」
「はっ、たいした自信だな」
「亜子ちゃんはお高くとまってるわけじゃないよ?いつも妖術のコントロールを誤って、お父さんに大ケガさせているらしいんだ」
「・・・。それはまずいな」
狐太郎がぼやくと、それまで穏やかだった悟の顔が鋭くなって叫んだ。
「狐太郎くん!清姫ちゃんが毒攻撃をする!」
「菊花!防御の網を張れ!」
鬼蜘蛛の半妖の菊花は、すぐさまクモの糸で、狐太郎たちを毒から守る網を張った。その直後に、清姫の毒液が網にかかる。
狐太郎の心に、悟の念話が響いた。
亜子ちゃんたちは、僕の妖術で手の内を読まれる事を嫌って、僕に集中して攻撃をしかけてくる。最初は狼牙くん。
狐太郎はチッと舌打ちした。巨大狼になった狼牙はものすごく強い。狐太郎の張った悟の防御結界も壊されてしまうだろう。狐太郎は音子に叫んだ。
「音子!狼牙が来る!行けるか?!」
「ガォ!」
虎ほどの大きさになった音子は、ガォッとうなり声をあげると、狼牙に向かって突進した。
狐太郎は悟からの情報を元に、すばやくグループの仲間に対策の指示を出せるのだ。
序盤は河太郎の水攻撃だった。狐太郎はすかさず、同じ水の半妖のみなもに指示を出した。みなもと河太郎の能力はほぼ同じ、均衡状態が続いた。
次に亜子はやまびこの半妖山彦に攻撃を指示した。山彦の妖術は音波によるものだ。まともに食らえばただでは済まない。
だが狐太郎は、悟から事前に攻撃される事を知らされている。ふところに持っている術式の札を取り出し、防御壁の術を使う。
狐太郎の張った防御壁に、山彦の音波攻撃が当たり、目の前の透明な壁は破壊された。だが狐太郎は仲間を守る事に成功したのだ。狐太郎は横目でチラリと悟を見ながら聞いた。
「悟。亜子は攻撃してこないのか?」
今回の戦闘訓練では、相手の手の内を知った者が相対している。つまり敵の手の内が読めた上での戦闘なのだ。だが狐太郎たちには一つの懸念材料があった。それは唯一、手の内がわからない亜子の存在だ。
亜子は天狗の娘、きっとぼう大な妖力を有し、強力な妖術を使うはずだ。しかし亜子は、仲間に指示を出すばかりで、一向に攻撃はしてこなかった。悟は念話ではなく、自身の言葉で言った。
「亜子ちゃんは、妖術を使うのをためらっている。どうやら妖術に自信がないみたいだ」
「ん?妖力が弱いという事か?」
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「はっ、たいした自信だな」
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「・・・。それはまずいな」
狐太郎がぼやくと、それまで穏やかだった悟の顔が鋭くなって叫んだ。
「狐太郎くん!清姫ちゃんが毒攻撃をする!」
「菊花!防御の網を張れ!」
鬼蜘蛛の半妖の菊花は、すぐさまクモの糸で、狐太郎たちを毒から守る網を張った。その直後に、清姫の毒液が網にかかる。
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「音子!狼牙が来る!行けるか?!」
「ガォ!」
虎ほどの大きさになった音子は、ガォッとうなり声をあげると、狼牙に向かって突進した。
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