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始まり

ブルーギャングとの移動

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僕は、青山に連れられて、烏丸駅から阪急電車に乗っていた。
「あの、青山さん?」
「何だ?」
青山は、ブルーギャングから素顔の姿に戻っていた。しかし、僕の呼び掛けに青山は、顔を強ばらせたので、僕は身を引きながら、質問を続けた。
「皆さんは、何者なんですか?」
青山は、少し考えた後、
「…見ての通り、俺たちはギャングだ。」
と、正体を明かした。
「悪者?でも、格好がそういう感じじゃ…。」
僕は、戦隊モノの様な姿に対して、疑問に感じていた。
「あの格好は、野々宮が好きに使ってるんだ。まぁ、俺もちょっとは気に入っててな。」
僕は、強面の中にも笑顔が伺えて、少し安心した。
「青山さんは、何のためにギャングをやってるんですか?」
「お前は、ギャングって言われて、恐がらねえのか?」
青山は、興味本位に聞いてくる僕に、逆に聞き返した。
「恐いは恐いですけど、僕のことを守ってくれてるし。」
青山は、僕の人としての心を悟り、少しずつ心を開こうとした。そして、
「俺は、ただ野々宮に付いてってるだけだから。でも、野々宮は、全国統一の野望を抱いてるみたいで、俺は、その情熱に惹かれたんだ。」
と、野々宮への想いを語った。
「…情熱的ですね。」
僕は、青山の熱意に好意を抱いた。そして、僕と青山は、淡路駅で乗り換え、天下茶屋を目指した。

僕と青山は、続けて南海電車のホームを目指した。
「探したぞ!」
僕と青山が振り向いた先には、黒いジャンパーを着た男が立っていた。
「その子を引き渡せ!」
警察は、ギャングスターを誘拐犯として追っていたのだ。
「何を誤解してるのか分からねえが、逃げてばかりはいられねえようだな!」
青山は、そう言ってブレスレットの力を使い、ブルーギャングになって、立ち向かった。警察も、メタリックな戦闘スーツに身を包み、僕は、壮絶な闘いを目の当たりにした。
戦闘は警察に優勢で、ブルーギャングは、手錠を掛けられそうになった。
「待ってくれ!何かの誤解だ!」
僕は、青山を庇い、青山を連れて、南海電車のホームへ逃げた。

青山は、警察との闘いで、肩を痛めた。僕は、青山の手当をしながら、
「あの宇宙警察って、何の目的で追ってるんだろう?」
と、率直に疑問を投げかけた。
「俺も、気になってたんだ。ただの警察じゃねえ、宇宙の警察なんだ。俺たちは、宇宙まで敵に回すつもりはねえんだ。」
「何か、他の目的があるんじゃないですか?」
僕が推測すると、
「…まずは、お前を黄島の元に渡してからだな。」
と、青山は、僕の身を守るために、北海道に飛んだ黄島と連絡を取った。
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