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巨大ロボで宣戦布告

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「巨大ロボ…。黒幕の正体は、一体…。」
野々宮は、ブレスレットを開発したと思われる、黒幕の正体が気掛かりだった。
「野々宮、これで、巨大ロボが出動できる。次の作戦は、このロボで、街を破壊しよう!」
青山が、野々宮に、次の作戦を提案した。野々宮たちに味方することになった黄島は、
「ところで、このブレスレットは、どう使うんだ?」
と、野々宮に尋ねた。
「メインスイッチを押してみろ。」
野々宮が、黄島に指示すると、黄島は、黄色い悪党・イエローギャングの姿になった。
「こいつは魂消たな~。こんな俺が、こんな姿になれるとは。」
黄島は、東京の街の支配者になれることを、無性に喜んだ。

ギャングスターの三人は、それぞれ、ロボに合体するためのメカに乗り込んだ。
「車型のメカとは、有難い。操作も完璧だ!」
黄島は、そう言いながら、乱暴にメカを操縦した。
「青山、ロボになる仕組みは、完璧か?」
野々宮が、青山に尋ねると、
「任せろ。野々宮、黄島。予定通り、メカに合体システムをインストールしてくれ!」
と、青山は指示した。
「パスワードは、合体・ギャングロボだ!」
三人は、合体システムをインストールした後、パスワードを同時にインプットさせた。すると、合体システムが作動し、巨大ロボ・ギャングロボとなった。
「ホントに、スゲーな?よし、宣戦布告だ!東京の街を破壊せよ!」
野々宮の指示で、青山と黄島も、ギャングロボを操縦して、東京の街に爆弾を発射した。

しばらく破壊を続けていると、正面から、別のロボが現れた。
「あいつは、何だ?」
黄島は、魂消た表情でロボを目の当たりにした。
「あのエンブレム!まさか!?」
青山は、咄嗟にチューブマンの胸に刻まれたシンボルマークを思い出した。
「悪党ども!俺たち、チューブマンが、許さない!チューブロボ、発進!」
正体は、案の定、チューブマンの巨大ロボ・チューブロボだった。こうして、ギャングロボ対チューブロボの対戦が、始まろうとしていた。
「チューブロボミサイル!」
チューブマンのリーダー・チューブレッドの指示で、ギャングロボは、発射されたミサイルにはまった。
「おわっ!青山、何か手は無いのか?」
野々宮が、青山の分析能力を宛にした。
「待ってくれ。あの兵器の弱点を…。駄目だ、力も機動力も、あっちのメカの方が、桁外れに上のようだ。」
青山の回答を聞いた黄島は、
「こんな良いタイミングで、地獄に落ちるのは、ゴメンだぜ!」
怪力の技を食らわせるために、ロボの蹴りを入れる方法を探した。そして、
「お?こいつか!?」
黄島の操作で、ギャングロボは、チューブロボに蹴りを食らわせた。チューブロボは、ダメージを食らったが、すぐに立ち上がり、ギャングロボの正面に立った。その時、
「そ、そうか!あのメカは、胸のメダルから、強力なパワーを蓄えているようだ!」
と、青山は、チューブロボの弱点を、ようやく見つけた。
「だが、もう手遅れだ。よし、ここは、引き上げだ!」
野々宮は、今後のダメージを考え、チューブロボの前から立ち去るよう指示した。

ギャングスターの三人は、アジトに戻り、項垂れた。
「クソ、征服も、つかの間の夢に過ぎねえのか?」
野々宮が、諦めの表情で呟いた。そこへ、あの黒幕が、姿を現した。
「どうやら、操縦だけは、覚えたようだな?」
「貴様、一体、何者なんだ?」
野々宮は、黒幕に罵った。すると、黒幕は、顔に光が当たる場所へ移動した。野々宮は、顔を見た瞬間、息を飲んだ。
「野々宮、どうした?」
青山が、野々宮の様子を伺うと、
「…お、親父?」
野々宮は、思いもよらぬ言葉を発した。
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