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黄島の最期

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その時、黄島は、あの世へ逝った野々宮と青山に会った。
「野々宮?」
「黄島、お前、あの黒岩って奴が、好きなのか?」
その中で、野々宮は、黄島に話しかけた。
「…たまたま、青山に似てたから。でも、俺、悪党なのに、野々宮達を裏切ってるんじゃねえかって…。」
黄島の話を聞いた青山は、
「顔が俺に似てて、裏切ってるとかないんじゃねえか?黄島は、俺たちがいた頃も、全うに俺たちに付いてきてたじゃねえか?黄島は、何でも一生懸命に生きてる。お前らしくって、良いじゃねえか?最期まで、あの黒岩って奴を守ってやれ。」
と、黄島に見せたことのない情熱を語った。そして、野々宮と青山は、遠い向こうへ消えようとした。
「黄島!先に行ってるぞ!」
黄島を待ち構えるような最後の言葉。そこで目を覚ました黄島は、自分の死を暗示させているような気がした。

翌朝。鬼軍団の作戦は、既に桜島で進展していた。
「邪魔者は、あのブラック二号。まずは、奴の抹殺を実行せよ!」
鬼軍団の幹部が、部下に命令した。それを知らない黒岩たちは、
「赤井たちは、まだ合流に時間が掛かりそうだ。黒岩、一人で持ち堪えてくれ!」
と、五つ星戦隊の幹部から司令を受け、しばらく黒岩と黄島だけで闘うことになった。
「黒岩、先に闘ってるぞ!」
黄島は、イエローギャングの戦闘スーツに身を変えると、先に鬼軍団と闘い始めた。
「バクソウチェンジ!」
黒岩は、ややもたついたが、自分のブレスレットに手をかけた。その時、鬼軍団の手下が、剣を黒岩に突き付けようと、向かってきた。
「黒岩!」
しかし、それを見ていた黄島が、黒岩の背後を塞いだ。そして、鬼軍団の刃は、黄島の腹を貫通した。
「黄島!てめえ!」
遅れてブラック二号に変身した黒岩は、手下を押し倒した。黄島に刺さった刃は、勢いで抜かれたが、黄島は、腹から血を垂れ流して倒れた。
「黄島、しっかりしろ!」
黒岩は、黄島の様態を心配した。
「く、黒岩。大丈夫。俺は、まだ死ねねえ。奴らの作戦を、阻止しねえと…。」
黄島は、そう言いながら、ブレスレットを操作して、自分のメカを呼び出した。すると、黄島の前に、トラック型のメカが到着した。黄島は、無理に身体を起こし、メカに乗り込もうとした。
「待て!そんなことして、どうするつもりだ!?」
黒岩は、黄島の行動を必死に止めた。
「俺のメカを突進させて、あの巨大兵器を破壊させる。後は、黒岩と仲間たちの力で、鬼軍団を壊滅させるんだ!」
「止めろ!黄島、死ぬつもりか!?」
黒岩が、黄島の身体を押さえつけ、言い放つと、
「…悪党らしい、死に様じゃねえか?」
と、黄島は、最期まで悪党でいることを言葉にした。そして、黒岩の手から逃れると、急いでメカに乗り込み、鬼軍団の巨大兵器に向かって突進していった。

「黄島、俺たちのところに来たのか?」
「黄島も、結局最期は、俺たちの道を選んだんだな?」
黄島は、メカを突進させる間に、野々宮と青山の幻を見るかのようだった。

黄島が乗り込んだメカは、鬼軍団の巨大兵器にダメージを与え、兵器の中で爆発した。
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