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番外編
【番外編】その後の精気供給(ファング②)
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ファングの家の風呂も2回目ともなれば、慣れるもの。という訳もなく。リンダは少し緊張しながら湯に浸かっていた。そもそも、ファングが、リンダを膝に抱えるようにして後ろにぴたりの張り付いているのだ。緊張しない訳がない。
後ろから伸びた、自分のものよりかなり太い腕をちらりと見下ろす。風呂の縁に置かれたそれは、相変わらず傷だらけで、少し浅黒くて、逞しい。
「リンダ…」
どことなく甘さを含んだ声で名前を呼ばれる。しかも、耳元で。風呂場のせいか、声が少し反響して聞こえた。
「な、何?」
出来るだけ普通に問いかけるが、体は素直で、背後のファングに怯えるように、ぴくりと反応している。
リンダの問いに答えず、ファングはリンダを包み込むように腕を回してきた。湯が揺れて、リンダも湯の中で少し不安定な体勢になる。
「わっ」
ぎゅう、と抱き込まれると、厚い胸板が背中に当たる。そして、尻の辺りにも、熱い塊が。
「…っ、兄さ、ん」
リンダは顔を赤くして、ちらりとファングを振り返る。が、ファングは気にした様子もない。
熱い塊、ファングの陰茎は、それなりの硬度を持って、リンダの尻の狭間にごりごりと当たっている。既に、緩やかに勃ち上がっているのだ。
「あた、当たってるって…」
恥ずかしくて、手の甲で、目の当たりを抑える。何も見えなくなるように、目を閉じて。
しかしそうすると、余計に尻に当たるそれに意識が集中してしまう。淫魔としての自分が、それを求めてしまう。
「やめろ、リンダ。まだ入らない」
何故かリンダを止めるような事を言われて、ハッと顔を上げる。リンダは湯の中で腰を持ち上げ、自らファングの陰茎に尻を擦り付けるように、揺らしていた。
「わっ」
尻を持ち上げ、後ろの穴でをファングの先端に押し当てるようにして。まるで早く挿れてくれと言わんばかりの動きだ。
リンダは顔を赤くしてファングから離れようと試みた。しかしファングは離さないとばかりに腕を掴んで、リンダを逃さない。
「ごめ、俺、なんか無意識…」
言いながら、頬が熱くなる。無意識に陰茎を咥え込みそうになるなんて、どんな体だ。言い訳にもなっていない自分の言葉が恥ずかしくて、リンダは俯く。揺れる湯と、自分を包む腕、そして湯の揺らめきの奥で、もうしっかりと期待に勃ち上がっている自身の陰茎が見えた。
「それは、ごく自然で、当たり前の事だ」
「…当たり、前?」
ファングの手が、勃ち上がったリンダの陰茎に伸びる。ゆるりと握りしめられて、リンダの腰が跳ねた。
「淫魔は生きるために精気を搾取する。リンダが精気を欲するのは、生物として当然の事だ。人間が食事を摂るのと何も変わらない」
「食事…」
「だから必要以上に恐縮するな。俺から精気を貰う事に罪悪感を感じるな」
そういえば、今日部屋に来た時、思わず「ごめん」と謝ってしまったリンダに対し、ファングは「謝るな」と言ってくれた。
「俺が与えたくて与えているんだ。お前は、ただ素直に欲しがればいい」
リンダは、やはりどこか、ファングやカインは仕方なく精気を与えているのだと思っていた。リンダが強請るから、欲しがるから与えてくれているのだと。リンダが兄弟で、見捨てられないから精気をくれているのだと。
しかしファングは気にするな、と言う。もっと素直に欲しがっていいという。それが当たり前の事だから、と。
リンダは、下腹部の辺りが、きゅうんと切なく引き絞られるように疼くのを感じた。
「そんな事言われたら、俺、俺…」
そもそも今、リンダは空腹なのだ。空腹の状態で目の前に最上級のご馳走を出されて、我慢せずに食べていいと言われたら、どうなるのか。
「……我慢、できなくなっちゃうよ?」
ああ、やはり、とリンダは心の中で項垂れる。
リンダの思考は桃色に染まり、どうやって精気を搾り取るか、という事しか考えられなくなっていく。いつかこの状態も、うまく操縦できるようになるのだろうか。
ファングの太い腕に自分の腕を絡ませながら、くるりと体の向きを反転させると、ファングと至近距離で向かい合った。
「兄さん、ね、口付けして」
ん、と唇を突き出すとファングがすぐさま応えてくれる。降ってきたその唇を受け止め、リンダは口を開いてファングの舌を招き入れる。
「ん、ん…、美味しい精気…、ありがと…」
とろとろと、舌先から流し込まれるように精気を与えられて、リンダは腰を浮かせる。そして、ファングの見事に割れた腹筋に自身の陰茎を擦り付けるように、動かす。
「はふ…、ん、兄さんのここ、かたぁい…」
湯の中なので力一杯とはいかないが、ぬりゅ、ぬりゅ、と陰茎が腹筋に当たってはやわやわと跳ね返される。
「こっちも、硬い…」
リンダはファングの肩に腕を乗せ、持ち上げた腰をゆっくり降ろし、後孔とファングの陰茎を触れさせる。
「ぁんっ」
そして、ファングの舌をぺろぺろと舐めながら、押し殺したような声を上げた。
「へへ、ほらぁ。上でも、…下でも、口付けしてるみたい…」
奥まで挿れはしないが、穴の縁を、ぷちゅ、と陰茎の先に当てて飲み込みそうな素振りを見せながら、腰を離すという事を繰り返す。
「リンダ…」
ファングが我慢出来ない様子でリンダの腰を掴もうとするが、リンダは首を振る。
「だぁめ、まだ、口付けするの、…ん、ちゅ…んぐぅ…っ!?」
リンダが笑いながら揶揄うようにそう言えば、頭を押さえつけられるような勢いでファングと強制的に深い口付けをさせられる。
「ぁぐっ、んぐぅ、んちゅっ、んんっ」
まるで、リンダの方が食べられてしまいそうな口付けだ。まるで大型の獣が食事をするように、舌ごと唇を貪られて、リンダはどんどん、どんどん仰け反っていく。
すっかり真上を向いたあたりで、口を離されて、リンダは涙目になりながら兄を見上げる。
「にいさ…」
「逆上せる前に上がるぞ」
リンダを抱えたまま、ファングが立ち上がろうとする。
しかしリンダは、するりとファングの肩から腕を下ろすと、ざばっ、と湯から上がったファングと対照的に激しく揺れる湯の中に舞い戻った。
「リンダ?」
浴槽に立つファングと、座り込むリンダ。リンダが少し見上げた先には、ファングの立派すぎる陰茎がそそり勃っている。リンダは膝立ちになると、そろそろとそれに手を伸ばした。
「待って、先に少しだけ…。この体勢、すごくいい感じ…」
「リン…ッ」
リンダの名前を呼びかけて、ファングが言葉に詰まる。リンダがファングの陰茎を掴み、その先端を口に含んだからだ。
「あむっ、ん、んぐぅ」
相変わらず大き過ぎるそれは、リンダの小さな口では全て咥えきるなんて事は出来ない。リンダはちゅうちゅうと先端を吸ってから、一度、んぱっ、と口を開いて陰茎を解放した。その重量に相応しく、口を離した反動で、ぶるんっ、と重たげに揺れる陰茎を、リンダはうっとりとした目つきで見つめる。
「ふふ、えい」
リンダは悪戯に微笑んでから、ファングの陰茎を根本の方から指先で撫でる。がちがちに硬い竿に浮いた太い血管に指を這わせ、裏筋をくすぐりながらえらの張った赤黒い亀頭まで。リンダと唾液と先走りでぬるついたそれは、リンダの指をよく滑らせる。
「こぉんな大きいのが、…この間、俺の中に入ってたんだよね」
リンダは両手を差し出すと、竿を優しく握りしめる。両手で持ってもまだ亀頭部分は手の中から溢れて、顔を覗かせている。
「すごい、おっきぃ…」
両手の筒からはみ出した亀頭の、その先端の鈴口に、ちろちろと舌を這わせる。
「ん、ん、ふふ、ぬるぬる出てきた…」
リンダが舌を尖らせるようして、その小さな穴を刺激すれば、先走りがとろりと溢れてくる。
「精気、すごい、濃ゆいぃ…」
リンダは、鈴口に口付けするようにちゅうちゅうと吸い付く。まるで先走りの一滴すら逃さないというように。
「美味いか?」
ファングがリンダの髪の毛に手を入れてよしよしをするように撫でつける。リンダは鈴口と口付けたまま、こくこくと懸命に頭を上下に振った。
じゅるるる、と啜るような音を立てて、ようやくリンダが口を離す。そしてまたむしゃぶりつくようにファングの陰茎にかぶりついた。
「んぷっ!」
先走りで、余計に空腹を刺激されてしまったのだろう。リンダは皿の底に残った餌を必死で舐めとる獣のように、角度を変え、何度も何度もファングの先端を吸う。そのうちに、リンダの腰はゆらゆらと湯の中で不規則に踊り始めた。
「んちゅ、んっ、んっ、」
ぺろぺろと先端を舐めたかと思えば、顔を傾けながら太い竿に唇を滑らせ、たまに、陰茎に見合った立派な大きさの睾丸にもちろちろと舌を這わせる。
ファングの陰茎は、いつの間にか、リンダの涎でベトベトになっていた。
「リンダ…」
「はふっ、はふっ、おいし…、おいしいよぉっ」
リンダは最早夢中になってファングの陰茎を舐めしゃぶっている。涙目になりながら、恍惚とした表情を浮かべるリンダの頬をファングが手の甲でぴたぴたと優しく叩く。
「リンダ」
「…んちゅぅ、……はひ?」
裏筋と睾丸との境目辺りを吸いながら刺激していたリンダが、とろとろに蕩けきった顔を上げる。涎でぺたりと張り付いた髪をかき上げてやりながら、ファングが問う。
「このままじゃ、お前が逆上せる。続きは風呂を上がってからだ」
リンダはファングの言葉をぼんやりとした顔で聞いて、こくん、と頷いた。わかっているのかいないのか怪しい表情だ。未だファングの陰茎を両手で捧げもつかのように握っている所を見ると、やはりよくわかっていないのかもしれない。
「逆上せるから、湯から上がるぞ」
「あ、うん、…あい」
リンダは相変わらずぽやんとした顔をしながら、舌足らずな返事を返す。それでもなんとか、ふらふらとその場に立ち上がった。そして、湯から上がると、1人で浴槽を跨いで出てしまう。
「待て、リンダ」
ふらつくリンダを捕まえようとするが、その前に、リンダが浴室の床に座り込んでしまった。
「リンダ、大丈夫か?」
気分でも悪くなったのかとファングが問うと、リンダはそれに答える事なく、そのまま、その場に手を突いた。そして、
「風呂出たよ?ここで、いい?」
ほかほかと蒸気が出る程温まって薄桃色に染まる体を四つん這いにして、ぐい、とファングの方へ尻を向けた。
そして、ペタンと床に胸をつけると、さらに高々と尻を掲げる。
「ここなら、のぼせない?にいさんの、せいき、くれる?」
浴槽の縁を片足で跨いだまま思わず固まってしまったファングに、リンダは悲しそうな顔をする。
「だめ?もうここ、解れてるよ…」
「リンダ、部屋に戻るまで我慢できないか?」
ファングはそれでも冷静にリンダを促す。そんなファングに、リンダはショックを受けたかのように悲しそうな声を出す。まるで、甘える子犬のように。
「うぅ…、出来ない、がまん、できないぃ…」
リンダは自分の尻に手を伸ばすと、両手で尻朶を掴み、割り開いた。リンダの後孔はまるで何時間もかけて弄り続けたかのようにとろとろに溶けきっていた。桃色に色付いた、ふくりとした穴の縁がファングを誘うようにひくひくと開いては閉じる。とろりと溢れた蜜は、催淫効果がある淫魔の体液だろう。
「にいさん、…精気、ちょうだい?」
それに触れればどうなるかわかっていながら、ファングは迷う事なく湯から片足を引き上げると、リンダの腰を掴んだ。
後ろから伸びた、自分のものよりかなり太い腕をちらりと見下ろす。風呂の縁に置かれたそれは、相変わらず傷だらけで、少し浅黒くて、逞しい。
「リンダ…」
どことなく甘さを含んだ声で名前を呼ばれる。しかも、耳元で。風呂場のせいか、声が少し反響して聞こえた。
「な、何?」
出来るだけ普通に問いかけるが、体は素直で、背後のファングに怯えるように、ぴくりと反応している。
リンダの問いに答えず、ファングはリンダを包み込むように腕を回してきた。湯が揺れて、リンダも湯の中で少し不安定な体勢になる。
「わっ」
ぎゅう、と抱き込まれると、厚い胸板が背中に当たる。そして、尻の辺りにも、熱い塊が。
「…っ、兄さ、ん」
リンダは顔を赤くして、ちらりとファングを振り返る。が、ファングは気にした様子もない。
熱い塊、ファングの陰茎は、それなりの硬度を持って、リンダの尻の狭間にごりごりと当たっている。既に、緩やかに勃ち上がっているのだ。
「あた、当たってるって…」
恥ずかしくて、手の甲で、目の当たりを抑える。何も見えなくなるように、目を閉じて。
しかしそうすると、余計に尻に当たるそれに意識が集中してしまう。淫魔としての自分が、それを求めてしまう。
「やめろ、リンダ。まだ入らない」
何故かリンダを止めるような事を言われて、ハッと顔を上げる。リンダは湯の中で腰を持ち上げ、自らファングの陰茎に尻を擦り付けるように、揺らしていた。
「わっ」
尻を持ち上げ、後ろの穴でをファングの先端に押し当てるようにして。まるで早く挿れてくれと言わんばかりの動きだ。
リンダは顔を赤くしてファングから離れようと試みた。しかしファングは離さないとばかりに腕を掴んで、リンダを逃さない。
「ごめ、俺、なんか無意識…」
言いながら、頬が熱くなる。無意識に陰茎を咥え込みそうになるなんて、どんな体だ。言い訳にもなっていない自分の言葉が恥ずかしくて、リンダは俯く。揺れる湯と、自分を包む腕、そして湯の揺らめきの奥で、もうしっかりと期待に勃ち上がっている自身の陰茎が見えた。
「それは、ごく自然で、当たり前の事だ」
「…当たり、前?」
ファングの手が、勃ち上がったリンダの陰茎に伸びる。ゆるりと握りしめられて、リンダの腰が跳ねた。
「淫魔は生きるために精気を搾取する。リンダが精気を欲するのは、生物として当然の事だ。人間が食事を摂るのと何も変わらない」
「食事…」
「だから必要以上に恐縮するな。俺から精気を貰う事に罪悪感を感じるな」
そういえば、今日部屋に来た時、思わず「ごめん」と謝ってしまったリンダに対し、ファングは「謝るな」と言ってくれた。
「俺が与えたくて与えているんだ。お前は、ただ素直に欲しがればいい」
リンダは、やはりどこか、ファングやカインは仕方なく精気を与えているのだと思っていた。リンダが強請るから、欲しがるから与えてくれているのだと。リンダが兄弟で、見捨てられないから精気をくれているのだと。
しかしファングは気にするな、と言う。もっと素直に欲しがっていいという。それが当たり前の事だから、と。
リンダは、下腹部の辺りが、きゅうんと切なく引き絞られるように疼くのを感じた。
「そんな事言われたら、俺、俺…」
そもそも今、リンダは空腹なのだ。空腹の状態で目の前に最上級のご馳走を出されて、我慢せずに食べていいと言われたら、どうなるのか。
「……我慢、できなくなっちゃうよ?」
ああ、やはり、とリンダは心の中で項垂れる。
リンダの思考は桃色に染まり、どうやって精気を搾り取るか、という事しか考えられなくなっていく。いつかこの状態も、うまく操縦できるようになるのだろうか。
ファングの太い腕に自分の腕を絡ませながら、くるりと体の向きを反転させると、ファングと至近距離で向かい合った。
「兄さん、ね、口付けして」
ん、と唇を突き出すとファングがすぐさま応えてくれる。降ってきたその唇を受け止め、リンダは口を開いてファングの舌を招き入れる。
「ん、ん…、美味しい精気…、ありがと…」
とろとろと、舌先から流し込まれるように精気を与えられて、リンダは腰を浮かせる。そして、ファングの見事に割れた腹筋に自身の陰茎を擦り付けるように、動かす。
「はふ…、ん、兄さんのここ、かたぁい…」
湯の中なので力一杯とはいかないが、ぬりゅ、ぬりゅ、と陰茎が腹筋に当たってはやわやわと跳ね返される。
「こっちも、硬い…」
リンダはファングの肩に腕を乗せ、持ち上げた腰をゆっくり降ろし、後孔とファングの陰茎を触れさせる。
「ぁんっ」
そして、ファングの舌をぺろぺろと舐めながら、押し殺したような声を上げた。
「へへ、ほらぁ。上でも、…下でも、口付けしてるみたい…」
奥まで挿れはしないが、穴の縁を、ぷちゅ、と陰茎の先に当てて飲み込みそうな素振りを見せながら、腰を離すという事を繰り返す。
「リンダ…」
ファングが我慢出来ない様子でリンダの腰を掴もうとするが、リンダは首を振る。
「だぁめ、まだ、口付けするの、…ん、ちゅ…んぐぅ…っ!?」
リンダが笑いながら揶揄うようにそう言えば、頭を押さえつけられるような勢いでファングと強制的に深い口付けをさせられる。
「ぁぐっ、んぐぅ、んちゅっ、んんっ」
まるで、リンダの方が食べられてしまいそうな口付けだ。まるで大型の獣が食事をするように、舌ごと唇を貪られて、リンダはどんどん、どんどん仰け反っていく。
すっかり真上を向いたあたりで、口を離されて、リンダは涙目になりながら兄を見上げる。
「にいさ…」
「逆上せる前に上がるぞ」
リンダを抱えたまま、ファングが立ち上がろうとする。
しかしリンダは、するりとファングの肩から腕を下ろすと、ざばっ、と湯から上がったファングと対照的に激しく揺れる湯の中に舞い戻った。
「リンダ?」
浴槽に立つファングと、座り込むリンダ。リンダが少し見上げた先には、ファングの立派すぎる陰茎がそそり勃っている。リンダは膝立ちになると、そろそろとそれに手を伸ばした。
「待って、先に少しだけ…。この体勢、すごくいい感じ…」
「リン…ッ」
リンダの名前を呼びかけて、ファングが言葉に詰まる。リンダがファングの陰茎を掴み、その先端を口に含んだからだ。
「あむっ、ん、んぐぅ」
相変わらず大き過ぎるそれは、リンダの小さな口では全て咥えきるなんて事は出来ない。リンダはちゅうちゅうと先端を吸ってから、一度、んぱっ、と口を開いて陰茎を解放した。その重量に相応しく、口を離した反動で、ぶるんっ、と重たげに揺れる陰茎を、リンダはうっとりとした目つきで見つめる。
「ふふ、えい」
リンダは悪戯に微笑んでから、ファングの陰茎を根本の方から指先で撫でる。がちがちに硬い竿に浮いた太い血管に指を這わせ、裏筋をくすぐりながらえらの張った赤黒い亀頭まで。リンダと唾液と先走りでぬるついたそれは、リンダの指をよく滑らせる。
「こぉんな大きいのが、…この間、俺の中に入ってたんだよね」
リンダは両手を差し出すと、竿を優しく握りしめる。両手で持ってもまだ亀頭部分は手の中から溢れて、顔を覗かせている。
「すごい、おっきぃ…」
両手の筒からはみ出した亀頭の、その先端の鈴口に、ちろちろと舌を這わせる。
「ん、ん、ふふ、ぬるぬる出てきた…」
リンダが舌を尖らせるようして、その小さな穴を刺激すれば、先走りがとろりと溢れてくる。
「精気、すごい、濃ゆいぃ…」
リンダは、鈴口に口付けするようにちゅうちゅうと吸い付く。まるで先走りの一滴すら逃さないというように。
「美味いか?」
ファングがリンダの髪の毛に手を入れてよしよしをするように撫でつける。リンダは鈴口と口付けたまま、こくこくと懸命に頭を上下に振った。
じゅるるる、と啜るような音を立てて、ようやくリンダが口を離す。そしてまたむしゃぶりつくようにファングの陰茎にかぶりついた。
「んぷっ!」
先走りで、余計に空腹を刺激されてしまったのだろう。リンダは皿の底に残った餌を必死で舐めとる獣のように、角度を変え、何度も何度もファングの先端を吸う。そのうちに、リンダの腰はゆらゆらと湯の中で不規則に踊り始めた。
「んちゅ、んっ、んっ、」
ぺろぺろと先端を舐めたかと思えば、顔を傾けながら太い竿に唇を滑らせ、たまに、陰茎に見合った立派な大きさの睾丸にもちろちろと舌を這わせる。
ファングの陰茎は、いつの間にか、リンダの涎でベトベトになっていた。
「リンダ…」
「はふっ、はふっ、おいし…、おいしいよぉっ」
リンダは最早夢中になってファングの陰茎を舐めしゃぶっている。涙目になりながら、恍惚とした表情を浮かべるリンダの頬をファングが手の甲でぴたぴたと優しく叩く。
「リンダ」
「…んちゅぅ、……はひ?」
裏筋と睾丸との境目辺りを吸いながら刺激していたリンダが、とろとろに蕩けきった顔を上げる。涎でぺたりと張り付いた髪をかき上げてやりながら、ファングが問う。
「このままじゃ、お前が逆上せる。続きは風呂を上がってからだ」
リンダはファングの言葉をぼんやりとした顔で聞いて、こくん、と頷いた。わかっているのかいないのか怪しい表情だ。未だファングの陰茎を両手で捧げもつかのように握っている所を見ると、やはりよくわかっていないのかもしれない。
「逆上せるから、湯から上がるぞ」
「あ、うん、…あい」
リンダは相変わらずぽやんとした顔をしながら、舌足らずな返事を返す。それでもなんとか、ふらふらとその場に立ち上がった。そして、湯から上がると、1人で浴槽を跨いで出てしまう。
「待て、リンダ」
ふらつくリンダを捕まえようとするが、その前に、リンダが浴室の床に座り込んでしまった。
「リンダ、大丈夫か?」
気分でも悪くなったのかとファングが問うと、リンダはそれに答える事なく、そのまま、その場に手を突いた。そして、
「風呂出たよ?ここで、いい?」
ほかほかと蒸気が出る程温まって薄桃色に染まる体を四つん這いにして、ぐい、とファングの方へ尻を向けた。
そして、ペタンと床に胸をつけると、さらに高々と尻を掲げる。
「ここなら、のぼせない?にいさんの、せいき、くれる?」
浴槽の縁を片足で跨いだまま思わず固まってしまったファングに、リンダは悲しそうな顔をする。
「だめ?もうここ、解れてるよ…」
「リンダ、部屋に戻るまで我慢できないか?」
ファングはそれでも冷静にリンダを促す。そんなファングに、リンダはショックを受けたかのように悲しそうな声を出す。まるで、甘える子犬のように。
「うぅ…、出来ない、がまん、できないぃ…」
リンダは自分の尻に手を伸ばすと、両手で尻朶を掴み、割り開いた。リンダの後孔はまるで何時間もかけて弄り続けたかのようにとろとろに溶けきっていた。桃色に色付いた、ふくりとした穴の縁がファングを誘うようにひくひくと開いては閉じる。とろりと溢れた蜜は、催淫効果がある淫魔の体液だろう。
「にいさん、…精気、ちょうだい?」
それに触れればどうなるかわかっていながら、ファングは迷う事なく湯から片足を引き上げると、リンダの腰を掴んだ。
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