28 / 31
初等部編
牧場でゲームしてみた1-2
しおりを挟む
(ライネルside)
何故だ…何故こうなる……
今日は楽しいお出掛けのはずだったのに……
ボルネオール姉…アイツが関わるとろくな事にならない。
コレで悪気がまったく無いというんだから、タチが悪い!
「えぃ!」
ポコ!
ケイトちゃんがモグランを倒した様だ。
「やりましたわ♪これで3匹目!
ポコハンのレンタル代の元は取りました!」
はしゃぐ彼女の横で、シルバーがモグランの山を作っている。
モグランという魔獣は普段、地中に巣を作り地中を移動している。
しかし、巣穴近くの地面を叩くと驚いて、巣穴から飛び出して地面を走って逃げるという変わった習性を持っているんだよな。
シルバーがどうやって倒しているかというと、まず猫にしては大きな身体を活かして、地面を叩き巣穴から顔を出した所を、猫パンチか首元に食い付いて息の根を止めている。
そのやり方は、まさにポコハンと同じだ。
アレを作った奴はたぶん、シルバーの戦い方を参考にしたに違いない。
モグランは噛み付きと引っ掻きぐらいしか攻撃力が無い、だからちょっと頑張れば子供でも倒せる。
ただし今回は恐ろしく数が多いのが問題だ。
殆どモグランだけの魔物の氾濫だな。
最近同じ様な事事が起こったばかりだし後で冒険者ギルドに報告しておこう。
前回もそうだったが必ず何処かにモグランリーダーがいるはずだ。
そいつを見つけて倒さないと次の魔物の氾濫に繋がるかもしれない。
因みに俺はA級冒険者なのでゲームには参加していない。
皆んなの撃ち漏らしを普通に倒しているだけだ。
それでもけっこうな数倒しているがな……
―――――――――――――――――
(ハインツside)
私1人でこっそり奴を倒して、魔物の氾濫を未然に防ぐ予定だったのに何故こんな事に……
そもそもゲームにも設定資料集や小説版にも『こんなに沢山モグランが出た。』なんて何処にも書いて無かったんだけど?
ああ、自己紹介がまだでしたね。
皆さん初めまして、ユイナーダ王国第十王子エミール殿下の護衛騎士をしている、ハインツ・F・ライブラです。
実は私には前世の記憶がある。
ライブラ候爵家には時々、そういう者が生まれるそうだ。
私の母上もその1人である。
彼女の前世は魔法使いで得意魔法は土魔法。
領地で魔物の氾濫が起こった時は、その能力を活かして石の壁ストーンウォールで長時間城壁を維持し、同時に広範囲でストーンエッジを繰り出すという荒技で殆どの魔物を倒し、避難して来た領民を守り通したという女傑だ。
惣領娘だった母上だが、その恐ろしいまでの魔力に誰も婿の成り手がなく、危うく候爵家が無くなるところだった。
しかしユイナーダ王家の伝で、同盟国のポーラルタオ王国の公爵家から四男の父上を婿養子に迎える事に成功して今に至る。
因みに父上は普通の貴族で文官だ。
戦闘力はたいしてない。
浮気などしようものなら、浮気相手ごとあの世行きだろう。
以前、父上が婿養子なのを知らずに、しつこく言い寄って来た馬鹿な子爵家の庶子の女がいたが、父上に相手にされなかった上に、母上がその女の家の周りに石の壁で壁を作り、3週間も閉じ込めるという事があった。
私が子供の頃の話しなので、詳しい話しは知らないが……
どうやら皆んな同じ世界からという訳ではなく、その時々でライブラ候爵家に必要な人間が、呼ばれるらしい。
私の前世の世界に、魔法は無かった。
【乙女ゲーム】の知識を持った私が居るという事は、今回はその知事が必要だという事なのだろう。
----------------
※1
ノーネズミ事件の事。
何故だ…何故こうなる……
今日は楽しいお出掛けのはずだったのに……
ボルネオール姉…アイツが関わるとろくな事にならない。
コレで悪気がまったく無いというんだから、タチが悪い!
「えぃ!」
ポコ!
ケイトちゃんがモグランを倒した様だ。
「やりましたわ♪これで3匹目!
ポコハンのレンタル代の元は取りました!」
はしゃぐ彼女の横で、シルバーがモグランの山を作っている。
モグランという魔獣は普段、地中に巣を作り地中を移動している。
しかし、巣穴近くの地面を叩くと驚いて、巣穴から飛び出して地面を走って逃げるという変わった習性を持っているんだよな。
シルバーがどうやって倒しているかというと、まず猫にしては大きな身体を活かして、地面を叩き巣穴から顔を出した所を、猫パンチか首元に食い付いて息の根を止めている。
そのやり方は、まさにポコハンと同じだ。
アレを作った奴はたぶん、シルバーの戦い方を参考にしたに違いない。
モグランは噛み付きと引っ掻きぐらいしか攻撃力が無い、だからちょっと頑張れば子供でも倒せる。
ただし今回は恐ろしく数が多いのが問題だ。
殆どモグランだけの魔物の氾濫だな。
最近同じ様な事事が起こったばかりだし後で冒険者ギルドに報告しておこう。
前回もそうだったが必ず何処かにモグランリーダーがいるはずだ。
そいつを見つけて倒さないと次の魔物の氾濫に繋がるかもしれない。
因みに俺はA級冒険者なのでゲームには参加していない。
皆んなの撃ち漏らしを普通に倒しているだけだ。
それでもけっこうな数倒しているがな……
―――――――――――――――――
(ハインツside)
私1人でこっそり奴を倒して、魔物の氾濫を未然に防ぐ予定だったのに何故こんな事に……
そもそもゲームにも設定資料集や小説版にも『こんなに沢山モグランが出た。』なんて何処にも書いて無かったんだけど?
ああ、自己紹介がまだでしたね。
皆さん初めまして、ユイナーダ王国第十王子エミール殿下の護衛騎士をしている、ハインツ・F・ライブラです。
実は私には前世の記憶がある。
ライブラ候爵家には時々、そういう者が生まれるそうだ。
私の母上もその1人である。
彼女の前世は魔法使いで得意魔法は土魔法。
領地で魔物の氾濫が起こった時は、その能力を活かして石の壁ストーンウォールで長時間城壁を維持し、同時に広範囲でストーンエッジを繰り出すという荒技で殆どの魔物を倒し、避難して来た領民を守り通したという女傑だ。
惣領娘だった母上だが、その恐ろしいまでの魔力に誰も婿の成り手がなく、危うく候爵家が無くなるところだった。
しかしユイナーダ王家の伝で、同盟国のポーラルタオ王国の公爵家から四男の父上を婿養子に迎える事に成功して今に至る。
因みに父上は普通の貴族で文官だ。
戦闘力はたいしてない。
浮気などしようものなら、浮気相手ごとあの世行きだろう。
以前、父上が婿養子なのを知らずに、しつこく言い寄って来た馬鹿な子爵家の庶子の女がいたが、父上に相手にされなかった上に、母上がその女の家の周りに石の壁で壁を作り、3週間も閉じ込めるという事があった。
私が子供の頃の話しなので、詳しい話しは知らないが……
どうやら皆んな同じ世界からという訳ではなく、その時々でライブラ候爵家に必要な人間が、呼ばれるらしい。
私の前世の世界に、魔法は無かった。
【乙女ゲーム】の知識を持った私が居るという事は、今回はその知事が必要だという事なのだろう。
----------------
※1
ノーネズミ事件の事。
1
お気に入りに追加
20
あなたにおすすめの小説
国立ユイナーダ学園高等部⑨〜どうやら私は悪役令嬢らしいですわ
砂月ちゃん
恋愛
『どうやら私は攻略対象だったらしい』のサーラ視点。
隣国から来た聖女の所為で、学園は大騒ぎ!
巻き込まれた伯爵令嬢サーラの心中は?
前作を読んでから読むとわかりやすいです。
国立ユイナーダ学園高等部シリーズ⑨
番外編は書き終わりしだい、投稿しているので投稿時間は不定期です。
国立ユイナーダ学園高等部⑧〜どうやら私は攻略対象だったらしい
砂月ちゃん
恋愛
国立ユイナーダ学園高等部に転入して来た自称『ヒロインで聖女』彼女は何者だったのか?
乙女ゲームの概念がない世界でヒロイン(笑)がやらかしたらこうなりました。
現地民視点
国立ユイナーダ学園高等部シリーズ⑧
料理スキルで完璧な料理が作れるようになったから、異世界を満喫します
黒木 楓
恋愛
隣の部屋の住人というだけで、女子高生2人が行った異世界転移の儀式に私、アカネは巻き込まれてしまう。
どうやら儀式は成功したみたいで、女子高生2人は聖女や賢者といったスキルを手に入れたらしい。
巻き込まれた私のスキルは「料理」スキルだけど、それは手順を省略して完璧な料理が作れる凄いスキルだった。
転生者で1人だけ立場が悪かった私は、こき使われることを恐れてスキルの力を隠しながら過ごしていた。
そうしていたら「お前は不要だ」と言われて城から追い出されたけど――こうなったらもう、異世界を満喫するしかないでしょう。
その断罪、三ヶ月後じゃダメですか?
荒瀬ヤヒロ
恋愛
ダメですか。
突然覚えのない罪をなすりつけられたアレクサンドルは兄と弟ともに深い溜め息を吐く。
「あと、三ヶ月だったのに…」
*「小説家になろう」にも掲載しています。
【完結】私は死んだ。だからわたしは笑うことにした。
彩華(あやはな)
恋愛
最後に見たのは恋人の手をとる婚約者の姿。私はそれを見ながら階段から落ちた。
目を覚ましたわたしは変わった。見舞いにも来ない両親にー。婚約者にもー。わたしは私の為に彼らをやり込める。わたしは・・・私の為に、笑う。
美形王子様が私を離してくれません!?虐げられた伯爵令嬢が前世の知識を使ってみんなを幸せにしようとしたら、溺愛の沼に嵌りました
葵 遥菜
恋愛
道端で急に前世を思い出した私はアイリーン・グレン。
前世は両親を亡くして児童養護施設で育った。だから、今世はたとえ伯爵家の本邸から距離のある「離れ」に住んでいても、両親が揃っていて、綺麗なお姉様もいてとっても幸せ!
だけど……そのぬりかべ、もとい厚化粧はなんですか? せっかくの美貌が台無しです。前世美容部員の名にかけて、そのぬりかべ、破壊させていただきます!
「女の子たちが幸せに笑ってくれるのが私の一番の幸せなの!」
ーーすると、家族が円満になっちゃった!? 美形王子様が迫ってきた!?
私はただ、この世界のすべての女性を幸せにしたかっただけなのにーー!
※約六万字で完結するので、長編というより中編です。
※他サイトにも投稿しています。
「あなたのことはもう忘れることにします。 探さないでください」〜 お飾りの妻だなんてまっぴらごめんです!
友坂 悠
恋愛
あなたのことはもう忘れることにします。
探さないでください。
そう置き手紙を残して妻セリーヌは姿を消した。
政略結婚で結ばれた公爵令嬢セリーヌと、公爵であるパトリック。
しかし婚姻の初夜で語られたのは「私は君を愛することができない」という夫パトリックの言葉。
それでも、いつかは穏やかな夫婦になれるとそう信じてきたのに。
よりにもよって妹マリアンネとの浮気現場を目撃してしまったセリーヌは。
泣き崩れ寝て転生前の記憶を夢に見た拍子に自分が生前日本人であったという意識が蘇り。
もう何もかも捨てて家出をする決意をするのです。
全てを捨てて家を出て、まったり自由に生きようと頑張るセリーヌ。
そんな彼女が新しい恋を見つけて幸せになるまでの物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる