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大怪獣決戦の後片付け ②

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(セイマside)

王都郊外に現れた巨大なドラゴンの変異種は三つ首・パッションピンクにエメラルドグリーンの水玉模様の恐ろしい姿をしていた。


しかも勇者シルバーに倒されるまでは、あの巨大な古代竜エンシェントドラゴンの約八倍の大きさだったというから驚きです。


勇者シルバーが来るまでの間、30分以上もソレを引きつけて、ヘイトを稼いでくれていた、タツヒコ達は意外と優秀だった様ですね。


お礼に望み通り、『聖女様と旅をしたい。』という願いを叶えて差し上げたので、きっと王都を救ってくれた恩は返せたはずです。


たぶん……


それはさておき、問題は勇者シルバーとピンクギドラの吐いた、このゲピーの後片付けですね。


洗浄魔法を試してみたところ、成功はしたのですが、汚染された範囲がいかんせん広すぎた為、神殿総出の人海戦術で処理する事になりました。


何しろ夏場なので早くしないと、病気の発生源になりかねません!


本体の方は巨大なテントで覆い、氷魔法使い達と氷風の魔道具で、腐らない様にしながら解体をしています。


その影響で、テントの中はかなり寒いのです。
本当は神殿側の総責任者なので、中で作業の指示を出さなければいけないのですが、私は寒いのが苦手で、長時間中にいる事は出来ません。


それで私は代理を立てる事にしました。


魔道具に詳しく、体力が有り、信頼できる人物……
その名は《ハーシー・F・サイド》♪
やった~またハーシーと一緒に仕事ができるww


と思っていたのですが、王太子長兄から別の仕事を任されてしまいました。
近くの山の麓で見つかった、ピンクギドラの巣と思われる洞窟の探索の指揮を執る事になったのです。


助手としてハーシーの妹のターク嬢を付けてくれました。
もちろん依頼先から急いで帰って来たラック大型犬と一緒です。


ちょっとくらい二人きりになれるかと思ったのに……


(もちろん警護の騎士や侍女はいます。)


「お久しぶりですねセイマ殿下。
今日から暫く宜しくお願いします。」

「ああ久しぶりだね。少し見ない間に…大きくなったね。」


しまった~つい、小さな子供に言う様な事を!


「わかります?去年お会いした時より4mmも伸びたんですよ♪」

「それは良かったです。」

「友達にも『良かったですわね。』って言われたんです♪」


ターク嬢は凄く嬉しそうです。
大丈夫ですよ。たとえ誤差の範囲だと思っていても、誰もその事を貴女に面と向かって言う人はいないでしょう。


《可愛いは正義》ですから。
それに後ろで威嚇しているラック大型犬も怖いですし……


「ではそろそろ中に入りましょうか?」

「はい!」


普通ならここで彼女の手を取るところですが、ラック大型犬が威嚇するので辞めておきます。


うぅっ…私、王族なのに怖くて逆らえない……
動物界最強は猫科のはずなのに、イエネコ寄りの私ではラック大型犬には勝てそうにありません。


実際の身長は私の方が高いのに……



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