【ユイナーダ王国勇者伝説】天然ボケ猫勇者王子セイマは修行中〜勇者パーティーは回復役は聖人より聖女の方が良い!と言ってますが真の勇者は私です!

砂月ちゃん

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勇者タツヒコの冒険 ❷

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セイマの奴をクビにした後、オレ達は早速この町で一番大きい神殿に行った。


しかし神官長に『【勇者】パーティーとして、【聖女】を雇いたい!』と言ったら……


「は?【勇者】パーティーで【聖女】を雇いたい?
ちょっと何を言っているのか、わからないのですが?
【勇者】様がいらっしゃるのなら【聖女】様は要らないのでは?
もし、どうしてもと言われるなら王都の大神殿に行かれてみてはいかがですか?」


と言われた。
本当に意味がわからないと言った表情だ。
意味がわからないのはこっちの方だ!


その後も俺達は行きに通った、いろんな場所に行ってみたが、【勇者】パーティーだと名乗ると何故か皆んな俺達の事を、無視したり白い目で見てくる。


中には可哀想な人を見る様な目を向けてくる者達も居た。
【勇者】パーティーの俺達に対して、そんな態度をとって良いと思ってるのか?


【勇者】パーティーの俺達を無視するなんて、お前ら後で覚えておけよ!!


くそ~あの神官をクビにしてから、どうも上手くいかない。
帰りもあの《魔道機関車》に乗れると思っていたのに、ようやくたどり着いた駅の駅員は……


「まだ運行を始めたばかりで、本数も少ないですので、お客様の様に一般の方の座席は一年先までご予約でいっぱいです。」


は?一般だと!?
じゃあ行きの《特等席》はなんだったんだよ?


「アレ?もしかして、お客様方って稀人でいらっしゃる?(たまにいるんだよなぁ~。自分が【勇者】だって勘違いしてる奴ら。)」


やっとわかってくれたか!
よし、お前の事はこれから贔屓にしてやるから、有り難く思えよ。


「《魔道機関車》は無理ですが、《高速馬車バス》なら手配できますよ。(普通の人間なら乗り心地が酷すぎて、耐えられないけど、稀人のそれなりのランクの奴なら体も頑丈だから大丈夫だろ。
良かった、自分が乗る事にならなくて……)
ですから、今ならすぐにチケット取れますよ♪」

「仕方ないな。じゃあそれで良い!
俺達はなるべく早く、王都に行きたいんだ!!」


バス代はけっこう高かったが、早く王都に行きたかった俺達はよく考えずにそのチケットを買った。


だがどう見ても、コレはバスじゃなくて馬車だろ!?
しかも馬はゴーレムで馭者は…案山子?


「じゃあお客さん、荷物は全てアイテムBOXかインベントリに仕舞って、しっかりシートベルトしてくださいね。
あ…後コレをしっかりと咥えておいてください!舌噛むと危険なんでww」


舌噛むと危険?どういう事だ??


俺達はさっきの駅員に言われた通り、全ての荷物をアイテムBOXに仕舞い、シートベルトを締め、舌噛み防止用の器具を装着した。
町を出て専用の高速道に入った途端に馬車は猛スピードで走行し始めた。


「「「ぎゃあ~!?」」」


確かに『なるべく早く着きたい。』とは言ったさ……
馬車の中でかなりシェイクされまくって、途中で窓が壊れ危うくマサユキが振り落とされるところだった!
死ぬかと思った……


だから乗車前に荷物を全部、アイテムBOXかインベントリを入れる様に言われたのか、確かに出しっぱなしじゃ危険すぎるし、だろうな。


他の馬車の迷惑にならない様に、《高速馬車バス》は高速道を猛スピードで走り抜け結果、確かに王都までは早く着いた。
だが、アレは普通の人間が乗るもんじゃない!


王都に辿り着いた時には、馭者席に乗せてあった案山子は当たり前だが、全部ふっ飛んでいた。


流石の俺達も、ボロボロになりながら王都へ入る手続きを終え、とりあえず一番近い宿に入って翌日の昼過ぎまで寝た。


もう二度とあんな乗り物に乗るもんか……


----------------
その頃……

(駅員side)
ポケテル君で会話中……

「リョウ坊ちゃん、やっぱりアレ危険過ぎますよ。
稀人のA級冒険者に、実験台になってもらいましたけど、三人共王都に着いた時はボロボロだったそうですし。」

『やっぱ無理かぁ……
全自動運転、人件費が掛からないから良いと思ったのになぁ~。
仕方ない…第二案のケンタウルス族を雇って、運行するか…… 』


その後、勇者タツヒコご一行の尊い犠牲により、高速馬車バスはケンタウルス族の新しい職場、そして安心安全に一般の人々も乗れる乗り物として重宝されて行くのであった。


メデタシメデタシ……


まだ続く


☆リョウ坊ちゃん

サイド伯爵家次男。
名探偵タークの次兄でちょっとマットな魔道具師。

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