【ユイナーダ王国勇者伝説】天然ボケ猫勇者王子セイマは修行中〜勇者パーティーは回復役は聖人より聖女の方が良い!と言ってますが真の勇者は私です!

砂月ちゃん

文字の大きさ
上 下
6 / 35

サイド領にて ①

しおりを挟む
「で…どうして私のベットにセイマ様が転がっているんですか?
隣りにお部屋をご用意したはずですが?」


急遽行われたささやかな歓迎パーティー終了後…私は自分に用意された部屋ではなく、ハーシーのベットでゴロゴロしていた。


「え~だって~隣りの部屋じゃハーシーの匂いがしないんだよ。」


ベットの上でハーシーの枕を抱きしめながら可愛いく答えてみた。


「『え~だって~』じゃありません!
大の男がそんな事しても、まったく可愛いくありませんから!!」


この前、姉上に貸してもらった本に書いてあったのを、参考にしてみたのだけどダメらしい。


「チッ!」

「舌打ち!?セイマ様、ご身分と年齢をお考えください!」


ハーシーに怒られてしまった。
まぁ確かに、自分より10センチもデカい男に言われても可愛いくないよね。


「はぁ~、仕方ありません。大人しく部屋に戻りますよ。
じゃあ明日からの護衛、お願いしますね♪」


そう言って私はハーシーの部屋から出て行きました。
ハーシーの匂いのする枕を持って。


数分後……


「アアッ!私の枕がない!?アイツまた持って行ったな!」


セイマに枕を持って行かれて荒れるハーシー。

一方その頃、セイマの方は……


「あゝ♪ハーシーの匂いがする♡
癒される~♪♪」


ゴロゴロ♪スリスリ♡

《*注:コレは決してBLではなく、猫が気に入った物を収集しているのと同じ行動です。》


(翌日)


「オハヨウゴザイマス。セイマ様。」


ハーシーが不機嫌……
若干、目の下に隈があるから、昨日は良く眠れなかったみたいだ。


あっ!そういえば、ハーシーって枕が変わると寝れないのでしたね。


「あの…ハーシーごめんね。枕は返すから。機嫌を治してくれる?」


私は仕方なく、昨日の獲物の枕をハーシーに返した。
枕だけ…枕カバーは返さないからね。


「今度新しい枕カバーを進呈するから、許してニャン♪」


そう言いながら、可愛いく猫の手ポーズを決めてみる。


「…………………… 。」


アレ?違った???


「何処でそんな事覚えて来るんですか!?
まさか、他所でやってませんよね!?」

「や…やってないよ。」
(姉上の前で練習させられたけど。)


ちょっとだけ目を逸らせて答えると、ハーシーは顔を真っ赤にして、私にお説教をし始めました。


お説教を受ける時にするポーズ。
正座をする事、1時間……


そろそろこのポーズキツイんですけど~。


更に30分後……
やっと許してもらったけど…足が痺れて動けないです。


回復魔法で治そうとしたら、それだと罰にならないからダメだと言われました。


ハーシー酷いです。


10 分ほどして痺れも取れてきたので、サイド家の馬車で、最初の目的地に向かいました。


「まず、最初の村はリバーサイド村と言って、馬車で3時間の川沿いにある村です。
村の神殿で近隣の村人も集まっていますので、くれぐれも真面目に宜しくお願いしますよ。」

「はぁ~い。」


領都を抜けて暫くすると、景色は長閑な畑の風景が続く。
向かい側に座るハーシーは昨日の夜眠れなかったので、舟を漕いでいる。


2人きりなら、このまま抱きしめたいけど、サイド家で付けてくれたメイドと護衛騎士もいるから、無理ですよね。


仕方ありません…私も暫く瞑想をして神気を高めておきましょう。


3時間後……


「セイマ様、ハーシー様、もうすぐリバーサイド村に着きますのでご準備をお願いします。」








しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

聖女追放ラノベの馬鹿王子に転生しましたが…あれ、問題ないんじゃね?

越路遼介
ファンタジー
産婦人科医、後藤茂一(54)は“気功”を生来備えていた。その気功を活用し、彼は苦痛を少なくして出産を成功させる稀代の名医であったが心不全で死去、生まれ変わってみれば、そこは前世で読んだ『聖女追放』のラノベの世界!しかも、よりによって聖女にざまぁされる馬鹿王子に!せめて聖女断罪の前に転生しろよ!と叫びたい馬鹿王子レンドル。もう聖女を追放したあとの詰んだ状態からのスタートだった。 ・全8話で無事に完結しました!『小説家になろう』にも掲載しています。

聖女なのに王太子から婚約破棄の上、国外追放って言われたけど、どうしましょう?

もふっとしたクリームパン
ファンタジー
王城内で開かれたパーティーで王太子は宣言した。その内容に聖女は思わず声が出た、「え、どうしましょう」と。*世界観はふわっとしてます。*何番煎じ、よくある設定のざまぁ話です。*書きたいとこだけ書いた話で、あっさり終わります。*本編とオマケで完結。*カクヨム様でも公開。

聖女の孫だけど冒険者になるよ!

春野こもも
ファンタジー
森の奥で元聖女の祖母と暮らすセシルは幼い頃から剣と魔法を教え込まれる。それに加えて彼女は精霊の力を使いこなすことができた。 12才にった彼女は生き別れた祖父を探すために旅立つ。そして冒険者となりその能力を生かしてギルドの依頼を難なくこなしていく。 ある依頼でセシルの前に現れた黒髪の青年は非常に高い戦闘力を持っていた。なんと彼は勇者とともに召喚された異世界人だった。そして2人はチームを組むことになる。 基本冒険ファンタジーですが終盤恋愛要素が入ってきます。

聖女が降臨した日が、運命の分かれ目でした

猫乃真鶴
ファンタジー
女神に供物と祈りを捧げ、豊穣を願う祭事の最中、聖女が降臨した。 聖女とは女神の力が顕現した存在。居るだけで豊穣が約束されるのだとそう言われている。 思ってもみない奇跡に一同が驚愕する中、第一王子のロイドだけはただ一人、皆とは違った視線を聖女に向けていた。 彼の婚約者であるレイアだけがそれに気付いた。 それが良いことなのかどうなのか、レイアには分からない。 けれども、なにかが胸の内に燻っている。 聖女が降臨したその日、それが大きくなったのだった。 ※このお話は、小説家になろう様にも掲載しています

【完結】どうやら魔森に捨てられていた忌子は聖女だったようです

山葵
ファンタジー
昔、双子は不吉と言われ後に産まれた者は捨てられたり、殺されたり、こっそりと里子に出されていた。 今は、その考えも消えつつある。 けれど貴族の中には昔の迷信に捕らわれ、未だに双子は家系を滅ぼす忌子と信じる者もいる。 今年、ダーウィン侯爵家に双子が産まれた。 ダーウィン侯爵家は迷信を信じ、後から産まれたばかりの子を馭者に指示し魔森へと捨てた。

(完)聖女様は頑張らない

青空一夏
ファンタジー
私は大聖女様だった。歴史上最強の聖女だった私はそのあまりに強すぎる力から、悪魔? 魔女?と疑われ追放された。 それも命を救ってやったカール王太子の命令により追放されたのだ。あの恩知らずめ! 侯爵令嬢の色香に負けやがって。本物の聖女より偽物美女の侯爵令嬢を選びやがった。 私は逃亡中に足をすべらせ死んだ? と思ったら聖女認定の最初の日に巻き戻っていた!! もう全力でこの国の為になんか働くもんか! 異世界ゆるふわ設定ご都合主義ファンタジー。よくあるパターンの聖女もの。ラブコメ要素ありです。楽しく笑えるお話です。(多分😅)

女神に頼まれましたけど

実川えむ
ファンタジー
雷が光る中、催される、卒業パーティー。 その主役の一人である王太子が、肩までのストレートの金髪をかきあげながら、鼻を鳴らして見下ろす。 「リザベーテ、私、オーガスタス・グリフィン・ロウセルは、貴様との婚約を破棄すっ……!?」 ドンガラガッシャーン! 「ひぃぃっ!?」 情けない叫びとともに、婚約破棄劇場は始まった。 ※王道の『婚約破棄』モノが書きたかった…… ※ざまぁ要素は後日談にする予定……

芋くさ聖女は捨てられた先で冷徹公爵に拾われました ~後になって私の力に気付いたってもう遅い! 私は新しい居場所を見つけました~

日之影ソラ
ファンタジー
アルカンティア王国の聖女として務めを果たしてたヘスティアは、突然国王から追放勧告を受けてしまう。ヘスティアの言葉は国王には届かず、王女が新しい聖女となってしまったことで用済みとされてしまった。 田舎生まれで地位や権力に関わらず平等に力を振るう彼女を快く思っておらず、民衆からの支持がこれ以上増える前に追い出してしまいたかったようだ。 成すすべなく追い出されることになったヘスティアは、荷物をまとめて大聖堂を出ようとする。そこへ現れたのは、冷徹で有名な公爵様だった。 「行くところがないならうちにこないか? 君の力が必要なんだ」 彼の一声に頷き、冷徹公爵の領地へ赴くことに。どんなことをされるのかと内心緊張していたが、実際に話してみると優しい人で…… 一方王都では、真の聖女であるヘスティアがいなくなったことで、少しずつ歯車がズレ始めていた。 国王や王女は気づいていない。 自分たちが失った者の大きさと、手に入れてしまった力の正体に。 小説家になろうでも短編として投稿してます。

処理中です...