72 / 109
第5章 婚約破棄編
報酬の話し 2
しおりを挟む
「では次にパーティー【サイエンス】の皆さんは犯罪奴隷を28人。
逃亡中に更に罪を犯しているので、その分の賞金も含めて合計金貨14枚ですね。
⑧ラノベ作家御用達本『実用異世界技術』(翻訳版)は大金貨2枚でお買い上げですね。」
なるほど…数で勝負か。
借金奴隷より犯罪奴隷の方が、もちろん賞金額が高い。
結果的に【勇者シルバーのパーティー】より一人頭の賞金は高くなっている。
「一人金貨2枚って事で良いよね。
残りはいつも通り共同貯金で!」
「「「「了解♪♪」」」」
【サイエンス】のメンバーは同じ高校の、化学部員だったそうだ。
現在26~28歳の男性5人組のパーティー。
んっ?あれ?
そう言えば、俺が前世の世界に行った時、読んだ新聞に……
インベントリに入れっぱなしだった、カートを引っ張り出し、中から新聞を出してみた。
あっ!やっぱり載ってる。
【K県N高校化学部員失跡事件】
『部活中、部室として使っていた、化学室が突然眩しく光り、爆発かと思われたが部室内にその痕跡はなく、7人の部員がこつぜんと姿を消してしまった。』
間違いなく彼らの事だと思うけど、5人しか居ない……
2人足りないし年齢も合わないな。
本人達に確認した方がいいよなぁ。
俺が直接ここで話し掛けるのは、ちょっとまずいので、ギルドマスターに頼む事にした。
「【サイエンス】の皆さんにはこの後、お聴きしたい事がありますので、少々お時間をいただけますか?」
【サイエンス】のメンバーは訝しげな表情で、こちらを見て来た。
本当に用があるのは俺の方だと、気づいているようだ。
流石はS級冒険者パーティーだな。
「次はランディー・アンバーさんですが、こちらではなく王都の冒険者ギルドで報酬を受け取るそうです。」
そうか…来ないんだアイツ……
実は直接会った事は一度もない。
会わない方が、お互いの為なのだろう。
どうやらテレーゼには、なんとか話し合いで諦めてもらえた様だ。
この騒ぎの所為で、ユイナーダ学園の皆んなとゆっくりお別れの挨拶をしている暇が無くなってしまった。
来月からポーラルタオの魔法学院に行かないといけない。
ロピアー侯爵家やボルネオール家へのお土産は渡せたけど、他の皆んなの分はメッセージカードを添えて、タマキのおっさんに配達してもらう事にした。
その後はこのオッハーナのサブギルドマスターで町の防衛戦の立役者、ロイドさんに金貨9枚が支払われた。
マーサを捕まえた分、金貨1枚は領民の皆んなで、使うそうだ。
おそらく夜の宴会で消えるんだろうなぁ。
今回彼のおかげで、ワタヌキ達を倒せたと言っても過言ではない。
「何があった時はいつでも、チェイテス公爵家を訪ねてくれ、いつでも力になる!」
とロイドさんに言うと、苦笑いしながら
「その時は頼みます。」
と言って本来の仕事に戻って行った。
と…【サイエンス】のメンバーを待たせていたんだ。
ここから先の話しは流石に、ギルドマスターにも聞かせられない話しなので、退席してもらい、防音魔法を使って盗聴を防止する。
ギルドの二階にある、この会議室はある程度盗聴防止策が、されているのに更に防音魔法をかける意味を察して、【サイエンス】のメンバー達は益々警戒を強めた。
「で…そこまで厳重にして公爵子息様は我々に、何の御用ですか?」
リーダーのアキト氏を始め、【サイエンス】メンバーはかなりこちらを警戒しているが、一応話しは聞いてくれるらしい。
いざという時の為に、いつでも反撃できる態勢を取っている……
「実は皆さんに見ていただきたい物が、あります。
偶々手に入れた物ですが…… 」
そう言いながら、俺は机の上に例の新聞を広げた。
【サイエンス】のメンバー達はそれを見て驚愕している。
無理もない…それはこの世界に有ってはならない物……
自分達の失跡を報じた新聞なのだから。
「この失跡した化学部員達ってあなた方の事ですよね?」
逃亡中に更に罪を犯しているので、その分の賞金も含めて合計金貨14枚ですね。
⑧ラノベ作家御用達本『実用異世界技術』(翻訳版)は大金貨2枚でお買い上げですね。」
なるほど…数で勝負か。
借金奴隷より犯罪奴隷の方が、もちろん賞金額が高い。
結果的に【勇者シルバーのパーティー】より一人頭の賞金は高くなっている。
「一人金貨2枚って事で良いよね。
残りはいつも通り共同貯金で!」
「「「「了解♪♪」」」」
【サイエンス】のメンバーは同じ高校の、化学部員だったそうだ。
現在26~28歳の男性5人組のパーティー。
んっ?あれ?
そう言えば、俺が前世の世界に行った時、読んだ新聞に……
インベントリに入れっぱなしだった、カートを引っ張り出し、中から新聞を出してみた。
あっ!やっぱり載ってる。
【K県N高校化学部員失跡事件】
『部活中、部室として使っていた、化学室が突然眩しく光り、爆発かと思われたが部室内にその痕跡はなく、7人の部員がこつぜんと姿を消してしまった。』
間違いなく彼らの事だと思うけど、5人しか居ない……
2人足りないし年齢も合わないな。
本人達に確認した方がいいよなぁ。
俺が直接ここで話し掛けるのは、ちょっとまずいので、ギルドマスターに頼む事にした。
「【サイエンス】の皆さんにはこの後、お聴きしたい事がありますので、少々お時間をいただけますか?」
【サイエンス】のメンバーは訝しげな表情で、こちらを見て来た。
本当に用があるのは俺の方だと、気づいているようだ。
流石はS級冒険者パーティーだな。
「次はランディー・アンバーさんですが、こちらではなく王都の冒険者ギルドで報酬を受け取るそうです。」
そうか…来ないんだアイツ……
実は直接会った事は一度もない。
会わない方が、お互いの為なのだろう。
どうやらテレーゼには、なんとか話し合いで諦めてもらえた様だ。
この騒ぎの所為で、ユイナーダ学園の皆んなとゆっくりお別れの挨拶をしている暇が無くなってしまった。
来月からポーラルタオの魔法学院に行かないといけない。
ロピアー侯爵家やボルネオール家へのお土産は渡せたけど、他の皆んなの分はメッセージカードを添えて、タマキのおっさんに配達してもらう事にした。
その後はこのオッハーナのサブギルドマスターで町の防衛戦の立役者、ロイドさんに金貨9枚が支払われた。
マーサを捕まえた分、金貨1枚は領民の皆んなで、使うそうだ。
おそらく夜の宴会で消えるんだろうなぁ。
今回彼のおかげで、ワタヌキ達を倒せたと言っても過言ではない。
「何があった時はいつでも、チェイテス公爵家を訪ねてくれ、いつでも力になる!」
とロイドさんに言うと、苦笑いしながら
「その時は頼みます。」
と言って本来の仕事に戻って行った。
と…【サイエンス】のメンバーを待たせていたんだ。
ここから先の話しは流石に、ギルドマスターにも聞かせられない話しなので、退席してもらい、防音魔法を使って盗聴を防止する。
ギルドの二階にある、この会議室はある程度盗聴防止策が、されているのに更に防音魔法をかける意味を察して、【サイエンス】のメンバー達は益々警戒を強めた。
「で…そこまで厳重にして公爵子息様は我々に、何の御用ですか?」
リーダーのアキト氏を始め、【サイエンス】メンバーはかなりこちらを警戒しているが、一応話しは聞いてくれるらしい。
いざという時の為に、いつでも反撃できる態勢を取っている……
「実は皆さんに見ていただきたい物が、あります。
偶々手に入れた物ですが…… 」
そう言いながら、俺は机の上に例の新聞を広げた。
【サイエンス】のメンバー達はそれを見て驚愕している。
無理もない…それはこの世界に有ってはならない物……
自分達の失跡を報じた新聞なのだから。
「この失跡した化学部員達ってあなた方の事ですよね?」
1
お気に入りに追加
54
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。

このやってられない世界で
みなせ
ファンタジー
筋肉馬鹿にビンタをくらって、前世を思い出した。
悪役令嬢・キーラになったらしいけど、
そのフラグは初っ端に折れてしまった。
主人公のヒロインをそっちのけの、
よく分からなくなった乙女ゲームの世界で、
王子様に捕まってしまったキーラは
楽しく生き残ることができるのか。
素材採取家の異世界旅行記
木乃子増緒
ファンタジー
28歳会社員、ある日突然死にました。謎の青年にとある惑星へと転生させられ、溢れんばかりの能力を便利に使って地味に旅をするお話です。主人公最強だけど最強だと気づいていない。
可愛い女子がやたら出てくるお話ではありません。ハーレムしません。恋愛要素一切ありません。
個性的な仲間と共に素材採取をしながら旅を続ける青年の異世界暮らし。たまーに戦っています。
このお話はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。
裏話やネタバレはついったーにて。たまにぼやいております。
この度アルファポリスより書籍化致しました。
書籍化部分はレンタルしております。

「君を愛するつもりはない」と言ったら、泣いて喜ばれた
菱田もな
恋愛
完璧令嬢と名高い公爵家の一人娘シャーロットとの婚約が決まった第二皇子オズワルド。しかし、これは政略結婚で、婚約にもシャーロット自身にも全く興味がない。初めての顔合わせの場で「悪いが、君を愛するつもりはない」とはっきり告げたオズワルドに、シャーロットはなぜか歓喜の涙を浮かべて…?
※他サイトでも掲載中しております。
魔境へ追放された公爵令息のチート領地開拓 〜動く屋敷でもふもふ達とスローライフ!〜
西園寺おとば🌱
ファンタジー
公爵家に生まれたエリクは転生者である。
4歳の頃、前世の記憶が戻って以降、知識無双していた彼は気づいたら不自由極まりない生活を送るようになっていた。
そんな彼はある日、追放される。
「よっし。やっと追放だ。」
自由を手に入れたぶっ飛んび少年エリクが、ドラゴンやフェンリルたちと気ままに旅先を決めるという物語。
- この話はフィクションです。
- カクヨム様でも連載しています。

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる