【最終章】どうやら俺はただのモブではなかったらしい、フラグは折る為にある!

砂月ちゃん

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第3章  ズーラシアン王国編

1 いざ!モフモフの国へ!!

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俺とテレーゼ愚妹は、ズーラシアン王国の国境にある砦の門の前に居る。



俺と従者、テレーゼ愚妹と専属執事とメイド2名、新人使用人1名。
そしてユイナーダ王国の外交官であるロピアー次期公爵夫妻と一緒に……


偶々、新婚旅行を兼ねてズーラシアン王国に視察団として行く事になっていた次期公爵夫妻に、ケイト先輩が俺達の同行を頼んでくれたのだ。



よく考えたらいくら転移魔法で簡単に行き来できるからといって、勝手に他国に出入りしたら【不法入国】になる。
見つかれば国際問題だ。
俺は見つからない自信があるがテレーゼ愚昧は何かやらかしそうだし。



俺は何処かの()の様には、なりたく無いからな。



俺達の同行理由は【稀人研究】の為という事になっている。
このズーラシアン王国にも【稀人伝承】があるのだ。



そして俺のお目当ての人物が滞在しているのがズーラシアン王国で【稀人研究の第一人者】と言われている虎の獣人で第五王子のタイガ殿下の離宮だ。



当然、王宮内に有るので【不法侵入】は無理だ。
正規の方法を教えていたらケイト先輩が『ズーラシアン王国に伝がある』と教えてくれた。



以前ケイト先輩がお世話になった兎獣人の伯爵令嬢の義兄が、タイガ殿下の離宮の護衛官だと言うのでちょっと関係が遠いけど、その人を通して『【稀人研究の件】で会いたい。』と打診してもらったらすんなりOKの返事が来た。



それにしてもケイト先輩、顔広いな。
流石は次期女侯爵。
俺も次期公爵として頑張ろう。



ズーラシアン王国に入国して数日後、俺達はタイガ殿下に会う為に離宮へとやって来た。
次期公爵夫人エリー様も着いて来たがっていたが、公務がある為、夫君である次期公爵クリス様に連れられて渋々出かけて行った。
その代わりお目当ての人物達の写真を、頼まれている。



俺達だけでは大変だろうと、ケイト先輩がミケルという猫獣人ハーフの上級メイドも付けてくれた。
何でも以前は学園街でお爺さんと2人で食堂をしていたが、ある事件を期に辞める事になり、その時ケイト先輩と知り合って侯爵家に仕える事になったのだそうだ。



残念ながら、唯一の身内だったお爺さんは2年前に亡くなり、もしかしたらいるかも知れない獣人族の身内を探す為にも、俺達に同行する事になった。



個人で探すよりも俺達と一緒に来て、タイガ殿下の伝を頼った方がいいからな。



因みにテレーゼ愚妹は、ズーラシアン王国迄の道中でミケルとすっかり仲良くなり、今では姉の様に慕っている。



で、今回連れて来た新人使用人。
実は例のの聖女(笑)で前世の従姉妹だ。



彼女は大した事をしていなかったので、早々に釈放されたが、何のスキルもなく前の世界に居た時も、家の手伝いもせずに【乙女ゲーム】ばかりしていたから、当然家事労働も出来ない。



流石に野垂れ死にでもされたら、気分が悪いので従兄弟とは名乗らず、【稀人まれびと研究】の為だと偽って使用人として雇った。



もちろん、無駄に遊ばせてはいない。
きちんと使用人の仕事をさせている。



で、コイツの【乙女ゲーム】の知識がまさか今回役に立つとは、この時の俺は思いもしなかったのだ。






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