【第4章】🦝ウチで雇ってるバイトがタヌキって言ったら、誰か信じる❓🦝

砂月ちゃん

文字の大きさ
6 / 51
第1章 アルバイト始めました

6

しおりを挟む
「えっと、どう言う事?」


徳タヌキのセリフで、私は術にかかったフリをするのをやめた。


「なんじゃと?ワシの苦労がぁ~。」


すると、満月タヌキは益々落ち込んでしまった。
そんな満月タヌキをよそに、徳タヌキは呑気に思い出を語り出したの。


「あれは5年前の夏の暑い日じゃった。
溜め池の近くでワシが涼んでおったら、お嬢が1人で網を持って、虫を追いかけとった。

暫く見ておったら、お嬢が足を滑らせ土手から溜め池に落っこちてしもうてのぅ~。
ワシ…泳げんから、人間に化けて棒か何かで助け様思うたんじゃが、探しとる間に沈んでしもうちゃどうしょうもないけん神通力で助けたんじゃ。」

「つまりその時に《忘却の術》を使ってしまったって事?
5年前って事はの姿の時よね? 」

「そうじゃのぅ。」

「はぁ~。それじゃ見た事あるはずよね~。同じ人?タヌキだったんだから…… 
しかもこの感じだとその《忘却の術》って言うの効きが悪かったんじゃない?」

「そうかもしれんのぅ。長い事つこうとらんかったし。
さて、この話はまた後での…… 」


そう言って徳タヌキは、人間の姿に化け戻った。
どうやったら、そんな事が出来るのか謎だけど……


「その方がいい……
そろそろ戻らないと本当にマズいぞ。
ほら、満月も機嫌直して行こう!」


満月タヌキは不満気な顔をしながらも、化け戻り、店の方に向かった。


「ワシの苦労がぁ~ 。」


とブツブツ言いながら……
これは、後で揉めそうです。
幸いにも留守中、店には誰も来てなかった。
戻った途端、お客さんが来た。


「「「いらっしゃいませ。」」」

「こちらのお席にどうぞ。」


やって来たのは時々、仕事帰りに寄ってくれるお客さんだった。


「ねぇ聞いた?とうとう警察が動くらしいわよ。」

「聞いたわよ!でも大丈夫かしら?
噂じゃ相手は人間じゃないって話だし…… 」

「オバケなんでしょ?怖いわよね~。
誰かなんとかしてくれないかしら?
例えばホラ!オニレンみたいな人が来て、『セィヤー!』ってやっつけてくれるとか!?」

「流石にそれは、テレビの見過ぎよ~。」

「冗談だってば~。流石に警察が出て来たら、捕まるでしょ?」

「そうよねー。」


お客さんはコーヒーを飲みながら、そんな話をして帰って行った。
りくが閉店準備を手伝ってくれたので、いつもより早く仕事が終わり、夕食後にまた食料庫で落ち合う事にした。


夕食の支度を手伝っていたら、私が緊張していたのが分かったみたいで、


「あら?理子どうしたの?そんなにソワソワして。
明日の入学式そんなに楽しみ?」


お母さんに言われて思い出した!
そう言えば明日、高校の入学式だったわ!
一応、準備は事前に済ませてあるから大丈夫だと思うけど……


「そ、そうなのよ~。かおるちゃんと同じクラスになれると良いなぁ~。
とか考えてたの。」


と私が言うとお母さんは、不思議そうな顔をしてこう言った。


「あら?理子って寛現寺かんげんじかおるちゃんとそんなに仲良かった?」

「ほ、ほら今、町に現れてる【謎の暴走族】、『実はオバケじゃないか?』って今日来たお客さん達が言ってたから、寛現寺で退治してくれないかなぁ~。
なんて思ってたから…… 」

「確かにあそこのお寺はこの辺りじゃ『そういうのには強い!』と昔から言われてるわ。
けど流石に、薫ちゃんには無理でしょ。」

「あははっ!そ、そうよねー!」

「はい、出来た。じゃあコレ並べてくれる?」

「はぁい。」


因みに寛現寺っていうのは、私の住んでる地区を開いた【勝屋右京しょうやうきょう】っていう平安末期の武将が開いたお寺と言われているの。
かつては京の都で主君と共に【ぬえ】退治をしたという、現代風に言うと勇者の従者を務めた人物だとか……
で、その子孫が寛現寺の勝屋薫ちゃん。


瑞稀みずきに言わせると、【厨二病】らしい……











しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

婚約者の幼馴染?それが何か?

仏白目
恋愛
タバサは学園で婚約者のリカルドと食堂で昼食をとっていた 「あ〜、リカルドここにいたの?もう、待っててっていったのにぃ〜」 目の前にいる私の事はガン無視である 「マリサ・・・これからはタバサと昼食は一緒にとるから、君は遠慮してくれないか?」 リカルドにそう言われたマリサは 「酷いわ!リカルド!私達あんなに愛し合っていたのに、私を捨てるの?」 ん?愛し合っていた?今聞き捨てならない言葉が・・・ 「マリサ!誤解を招くような言い方はやめてくれ!僕たちは幼馴染ってだけだろう?」 「そんな!リカルド酷い!」 マリサはテーブルに突っ伏してワアワア泣き出した、およそ貴族令嬢とは思えない姿を晒している  この騒ぎ自体 とんだ恥晒しだわ タバサは席を立ち 冷めた目でリカルドを見ると、「この事は父に相談します、お先に失礼しますわ」 「まってくれタバサ!誤解なんだ」 リカルドを置いて、タバサは席を立った

腹に彼の子が宿っている? そうですか、ではお幸せに。

四季
恋愛
「わたくしの腹には彼の子が宿っていますの! 貴女はさっさと消えてくださる?」 突然やって来た金髪ロングヘアの女性は私にそんなことを告げた。

つまらない妃と呼ばれた日

柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。 舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。 さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。 リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。 ――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。

今さら「間違いだった」? ごめんなさい、私、もう王子妃なんですけど

有賀冬馬
恋愛
「貴族にふさわしくない」そう言って、私を蔑み婚約を破棄した騎士様。 私はただの商人の娘だから、仕方ないと諦めていたのに。 偶然出会った隣国の王子は、私をありのまま愛してくれた。 そして私は、彼の妃に――。 やがて戦争で窮地に陥り、助けを求めてきた騎士様の国。 外交の場に現れた私の姿に、彼は絶句する。

私を裏切った夫が、後悔しているようですが知りません

藤原遊
恋愛
政略結婚として、公爵家に嫁いだ私は 愛のない夫婦関係を「仕事」だと思い、正妻の役目を果たしてきた。 夫が愛人を持つことも、 その子を屋敷に迎え入れることも、黙って受け入れてきた。 けれど―― 跡取りを、正妻の子ではなく愛人の子にする。 その言葉を、人前で軽く口にした瞬間。 私は悟ったのだ。 この家では、息子を守れないと。 元々、実家との間には 「嫡子以外の子は実家の跡取りにする」という取り決めがあった。 ならば話は簡単だ。 役目を終えた私は、離縁を選ぶ。 息子と共に、この家を去るだけ。 後悔しているようですが―― もう、私の知るところではありません。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

本物の夫は愛人に夢中なので、影武者とだけ愛し合います

こじまき
恋愛
幼い頃から許嫁だった王太子ヴァレリアンと結婚した公爵令嬢ディアーヌ。しかしヴァレリアンは身分の低い男爵令嬢に夢中で、初夜をすっぽかしてしまう。代わりに寝室にいたのは、彼そっくりの影武者…生まれたときに存在を消された双子の弟ルイだった。 ※「小説家になろう」にも投稿しています

処理中です...