上 下
16 / 40
しくじりヒロイン 神殿編

6

しおりを挟む
えっ!?賠償金大金貨18枚?


嘘でしょ?
タイガ様とのイベントの為に、ゲームより派手にやっただけなのに?


ガラス温室のガラスだって、ゲームのイベントより5~6枚くらい多く割れちゃっただけだし……



ガラス1枚が大金貨1枚って高すぎる!


後で聞いたら、あれだけ大きなガラスは作るだけでかなりの金額がかかって、更に輸送するのが凄くたいへんな作業。


あのガラス温室は裏手にある家が建つ前に作らせた物なので、今から入れ直すとなると莫大な費用が掛かるんですって!


そんな事、ゲームにも設定資料にも書いて無かったわよ!!


賠償金額のあまりの多さと、チン侯爵家との契約を勝手に破棄した事に、地方視察から戻って来た神官長をしているタイガ様のお父様は激怒し、原因である私を神殿から追放したの。


ありえないでしょ!


「ごめんねサクラ……父上が家では飼えないって言うんだ。」


飼えないって…私は捨て犬か!?


「そんな!タイガ様…それでは私どうすれば良いのですか?
実家には帰れませんし……。 」


耳を伏せ、尻尾を垂らして上目遣いでタイガ様を見つめる。
今までコレで落ちなかった男は実家の元家族くらい。


「ごめんね…私が君を飼ってあげられたら良かったんだけど、もう無理なんだ。
春になったら、学園に行かないといけないし……
それにもう、私には君を飼う資格がないんだ。」


飼う資格って何?


「昨日、賠償金を負けてもらう事を条件に、チン侯爵家のスズランの婿養子飼い犬になる事が決まったんだ。」


それって賠償金を負けてもらう為に、身売りしたって事!?


嘘でしょ?


「ち…因みに、おいくらに負けて頂けたのでしょうか?」


私は真っ青になりながら、タイガ様に残金が尋ねた。


「何と大金貨8枚も負けてくれたんだよ。
私も頑張ったんだけど、これ以上は無理だそうだ。
残り大金貨10枚分、頑張って借金返済するんだよサクラ………… 。」


えっ…大金貨10枚って日本円で1億円じゃないの!!
無理っ!無理よ!!


「後、悔しいけどサクラの面倒を見てくれるって言う、友人を紹介するよ。
騎士団長の息子のアラシはこの前紹介したから知ってるよね。」


その後、タイガ様は何かいろいろ喋っていたけど、よくわからなかった。
最後に自慢げに薄紫色の婚約チョーカー首輪を見せてくれたわ……


アレってどう見ても首輪よね?
あんた犬じゃなくて犬獣人よね?
何このオチ?ドン引きよ!
(注:この風習は北海国だけの伝統です。)


しかもいきなり借金1億円って…そんなのシナリオに無かったわよ!


話しが違うじゃない!!
これからどうすれば良いの?


とうか【ルート選択】したはずなのに、どうして?
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

その断罪、三ヶ月後じゃダメですか?

荒瀬ヤヒロ
恋愛
ダメですか。 突然覚えのない罪をなすりつけられたアレクサンドルは兄と弟ともに深い溜め息を吐く。 「あと、三ヶ月だったのに…」 *「小説家になろう」にも掲載しています。

悪役令嬢の去った後、残された物は

たぬまる
恋愛
公爵令嬢シルビアが誕生パーティーで断罪され追放される。 シルビアは喜び去って行き 残された者達に不幸が降り注ぐ 気分転換に短編を書いてみました。

婚約者とその幼なじみの距離感の近さに慣れてしまっていましたが、婚約解消することになって本当に良かったです

珠宮さくら
恋愛
アナスターシャは婚約者とその幼なじみの距離感に何か言う気も失せてしまっていた。そんな二人によってアナスターシャの婚約が解消されることになったのだが……。 ※全4話。

マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました

東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。 攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる! そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。

完 あの、なんのことでしょうか。

水鳥楓椛
恋愛
 私、シェリル・ラ・マルゴットはとっても胃が弱わく、前世共々ストレスに対する耐性が壊滅的。  よって、三大公爵家唯一の息女でありながら、王太子の婚約者から外されていた。  それなのに………、 「シェリル・ラ・マルゴット!卑しく僕に噛み付く悪女め!!今この瞬間を以て、貴様との婚約を破棄しゅるっ!!」  王立学園の卒業パーティー、赤の他人、否、仕えるべき未来の主君、王太子アルゴノート・フォン・メッテルリヒは壁際で従者と共にお花になっていた私を舞台の中央に無理矢理連れてた挙句、誤り満載の言葉遣いかつ最後の最後で舌を噛むというなんとも残念な婚約破棄を叩きつけてきた。 「あの………、なんのことでしょうか?」  あまりにも素っ頓狂なことを叫ぶ幼馴染に素直にびっくりしながら、私は斜め後ろに控える従者に声をかける。 「私、彼と婚約していたの?」  私の疑問に、従者は首を横に振った。 (うぅー、胃がいたい)  前世から胃が弱い私は、精神年齢3歳の幼馴染を必死に諭す。 (だって私、王妃にはゼッタイになりたくないもの)

婚約破棄で、自由になったと思ったのに

志位斗 茂家波
恋愛
「ヴィーラ・エクス公爵令嬢!!貴様と婚約破棄をする!!」 会場に響く、あの名前を忘れた馬鹿王子。 彼との婚約破棄を実現させるまでかなりの苦労をしたが、これでようやく解放される。・・・・・・ってあれ? ――――――― 息抜きで書いてみた単発婚約破棄物。 ざまぁも良いけど、たまにはこういう事もやってみたいと思い、勢いでやってしまった。

すべてを思い出したのが、王太子と結婚した後でした

珠宮さくら
恋愛
ペチュニアが、乙女ゲームの世界に転生したと気づいた時には、すべてが終わっていた。 色々と始まらなさ過ぎて、同じ名前の令嬢が騒ぐのを見聞きして、ようやく思い出した時には王太子と結婚した後。 バグったせいか、ヒロインがヒロインらしくなかったせいか。ゲーム通りに何一ついかなかったが、ペチュニアは前世では出来なかったことをこの世界で満喫することになる。 ※全4話。

彼女の幸福

豆狸
恋愛
私の首は体に繋がっています。今は、まだ。

処理中です...