【完結】豆狸の宿

砂月ちゃん

文字の大きさ
上 下
13 / 13

おまけの話 豆狸、幽霊退治を頼まれる

しおりを挟む
ある夏の夜…豆狸達は、ペンションの裏庭でこんな話をしていました。


『そういえば従兄あんちゃん…この前、ハクビシン鼻白を退治した、山のふもとのお寺の狸達の様子を見に行ったんじゃが、《人間達の間で恐ろしいウワサが流れとる》そうなんじゃ……  』

『恐ろしいウワサ?』

『なんでも…駅向こうの寺の和尚の幽霊が、大きな道にかかっとる鉄の橋に出たんじゃと!?』

『怖いのぅ。ワシなら怖くて、とてもその橋は通れんのぅ。』


従兄豆狸はその話を聞いただけで、怖くてたまらなくなりました。


『ワシも怖かったが、怖がる狸達に頼まれての…しばらく見張っておったが何も出んかった。』

『それでしばらく、留守にしとったのか?
きっともう、その幽霊はどこかに行ってしもうたんじゃろう。』

『そうじゃの。なら安心じゃ!
エサを食べたらさっそく狸達に、言いに行って来よう。』

『それがええじゃろうのぅ。
よし!ワシも一緒に行ってやろう!』

従兄あんちゃんが一緒なら、狸達も余計安心じゃろう。』

『そうじゃろう、そうじゃろう!』


自分がやった事を、すっかり忘れているのんきな豆狸でした。






しおりを挟む

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

マサオの三輪車

よん
児童書・童話
Angel meets Boy. ゾゾとマサオと……もう一人の物語。

はらぺこオオカミと、くるくるヒツジ 

カリン
児童書・童話
はらぺこオオカミは悩んでいました。 とっても、とっても、悩んでいました。 え? どうしてかって?  だって、くるくるヒツジは、とっても、きれいでしたから。 

すずめのチュンコ

こぐまじゅんこ
児童書・童話
おじいさんを亡くして、かなしんでいるおばあさんの家の庭に、 ある日、すずめがふらふらと落ちてきました。

おちゅうしゃ

月尊優
児童書・童話
おちゅうしゃは痛(いた)い? おさない人はおちゅうしゃがこわかったと思(おも)います。 大人のひとは痛くないのかな? ふしぎでした。

ぼーいず・びぃ・あんびしゃす

蒼月さわ
児童書・童話
リュータ、ゴリスケ、ヤスヒコ、カンナの仲良し四人組が夜の学校に忍び込むお話。 4人の少年たちのわくわく大冒険(日常編) 子供の頃読んだ児童書に似せて書いてみました。 ショートストーリィです。

月星人と少年

ピコ
児童書・童話
都会育ちの吉太少年は、とある事情で田舎の祖母の家に預けられる。 その家の裏手、竹藪の中には破天荒に暮らす小さな小さな姫がいた。 「拾ってもらう作戦を立てるぞー!おー!」 「「「「おー!」」」」 吉太少年に拾ってもらいたい姫の話です。

おなら、おもっきり出したいよね

魚口ホワホワ
児童書・童話
 ぼくの名前は、出男(でるお)、おじいちゃんが、世界に出て行く男になるようにと、つけられたみたい。  でも、ぼくの場合は、違うもの出ちゃうのさ、それは『おなら』すぐしたくなっちゃんだ。  そんなある日、『おならの妖精ププ』に出会い、おならの意味や大切さを教えてもらったのさ。  やっぱり、おならは、おもっきり出したいよね。

さんびきのぶたさん

みのる
児童書・童話
3匹のぶたさんのきょうだいが家を留守にする母親に『お手伝い』をお願いされる話。

処理中です...