3 / 5
侵略の翠
侵略の翠 ③
しおりを挟む
ー〈多摩川河川敷〉ー
俺氏の言葉を確かめるべく特殊車両の車外に出た部下Yが視た光景…
それはアレだけ生い茂っていた巨大葛がすでに三分の一ほど、いつもよりかなり小さな炎竜に寄って食い荒らされている状態だった。
部下Y「炎竜って葛食べるんや…
そんでめっちゃ大食いなんやなぁ。」
この調子なら、半日も掛からずに葉の方はなんとかなりそうだ。
俺氏「問題は蔓や根っこの方だな…
流石にそっちは食べる気はなさそうだ。」
部下E「《それなら大丈夫ですよ。》」
待っていた部下Eからの連絡が入った。
俺氏「E!何か解ったのか?」
部下E「《植物研究所で調べてもらったところ、なんと本部の倉庫にある余剰殺菌剤と〇〇社の除草剤を混ぜて使うと、あっという間に枯れる事が解りました。》」
部下A「《余剰殺菌剤ってまさか… 》」
部下E「《そのまさかなんですよAさんww》」
地球防衛隊日本支部の本部が抱える、余剰殺菌剤とは…
以前軟体怪獣出現時に化学企業N社から無駄に買わされ、危険過ぎて処分も廃棄も出来ずに困っている。
しかもその軟体怪獣も、N社社長による自作自演。
社長は逮捕され、会社は倒産した。
今や防衛隊のお荷物と化しているやっかいな代物だ。
それがここに来て、まさかの役にたつとは誰も思ってはいなかった。
副隊長Ꭲ「《除草剤は植物の根元に撒かないと意味がない。
炎竜が葉を食べた後の、今がチャンスだ!》」
俺氏「という訳で、YはAと交代して直ぐに【新型除草剤】の開発を進めてくれ。」
「「《了解!》」」
[newpage]
部下Yが部下Aと交代する為、一般警備隊から車を借りて現場を離れた。
これから暫く、一人で炎竜の監視をする事になる。
俺氏としては、非常に都合が良い状況だ。
実のところSFak CPで副隊長Ꭲから、葛の特性を聴いている途中からつい今し方まで自分が何をしていたかおぼろげな記憶しかないのだ。
虚空からカードを取り出し、それに向けて困り顔で語りかけた。
俺氏「ユニス…お前また俺の体、勝手に使ったな。」
キラリと光るユニスのカード。
ユニスは以前にも勝手に俺氏の体を使っていろいろやらかしていたがラスボス戦以後、特に友好度がましたからかそういう事が多くなって来た。
先日はSFaKの皆んなで焼肉屋に行ったら、一番美味しいところを憑依したユニスに食べられてしまうという悲劇が起こったばかり。
ユニスは地球の文化に興味しんしんで、仕方ない部分もあるが急に入れ替わるのは勘弁して欲しい。
グラッ
俺氏「!?」
突然、地面が揺れだした。
慌てて特殊車両から外に出て、確認すると巨大葛の蔓が動き出し1カ所に集まりだしている。
炎竜はちょうど、端の方の葛の葉を食べに行っていて近くにいなかった。
俺氏「まずいな…
《こちらSFaK隊長!!
巨大葛の蔓が動き出して、1カ所に集まってる!
警備隊員は速やかに、市民の避難誘導にあたれ!!》」
防衛隊員「《了解!!》」
その間にも巨大葛の蔓はズルズルと集まり、やがてその姿は巨大な怪獣へと変貌した。
俺氏「《こちら隊長、多摩川河川敷に怪獣出現!
SFaK CP、スーパーロボβᎷod・2出撃!!》」
ー〈SFaK CP〉ー
副隊長Ꭲ「《こちらSFaK CP!
隊長、現在EとYが例の殺菌剤を使った除草剤のアンプル弾を作成中です。
出来次第出撃します。
今、Aがそちらに向かってます!》」
どうやらタイミングが悪かったらしい。
俺氏「《解った。こっちはなんとか時間を稼いでおくから、なるべく早く頼むぞ!!》」
テルアキ「《了解!》」
この時点をもって、司令部の通達により巨大葛怪獣の名が正式に決まった。
ー〈多摩川河川敷〉ー
[chapter:植物怪獣 ゴゾバモンス]
グゴゴゴゴ!!
ビシッ!バシッ!
触腕を振り回すゴゾバモンス。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【スーパーロボβᎷod・2】
右肩にレールガン、左肩にハイパービームガンを積んだ遠距離攻撃モード。
俺氏の言葉を確かめるべく特殊車両の車外に出た部下Yが視た光景…
それはアレだけ生い茂っていた巨大葛がすでに三分の一ほど、いつもよりかなり小さな炎竜に寄って食い荒らされている状態だった。
部下Y「炎竜って葛食べるんや…
そんでめっちゃ大食いなんやなぁ。」
この調子なら、半日も掛からずに葉の方はなんとかなりそうだ。
俺氏「問題は蔓や根っこの方だな…
流石にそっちは食べる気はなさそうだ。」
部下E「《それなら大丈夫ですよ。》」
待っていた部下Eからの連絡が入った。
俺氏「E!何か解ったのか?」
部下E「《植物研究所で調べてもらったところ、なんと本部の倉庫にある余剰殺菌剤と〇〇社の除草剤を混ぜて使うと、あっという間に枯れる事が解りました。》」
部下A「《余剰殺菌剤ってまさか… 》」
部下E「《そのまさかなんですよAさんww》」
地球防衛隊日本支部の本部が抱える、余剰殺菌剤とは…
以前軟体怪獣出現時に化学企業N社から無駄に買わされ、危険過ぎて処分も廃棄も出来ずに困っている。
しかもその軟体怪獣も、N社社長による自作自演。
社長は逮捕され、会社は倒産した。
今や防衛隊のお荷物と化しているやっかいな代物だ。
それがここに来て、まさかの役にたつとは誰も思ってはいなかった。
副隊長Ꭲ「《除草剤は植物の根元に撒かないと意味がない。
炎竜が葉を食べた後の、今がチャンスだ!》」
俺氏「という訳で、YはAと交代して直ぐに【新型除草剤】の開発を進めてくれ。」
「「《了解!》」」
[newpage]
部下Yが部下Aと交代する為、一般警備隊から車を借りて現場を離れた。
これから暫く、一人で炎竜の監視をする事になる。
俺氏としては、非常に都合が良い状況だ。
実のところSFak CPで副隊長Ꭲから、葛の特性を聴いている途中からつい今し方まで自分が何をしていたかおぼろげな記憶しかないのだ。
虚空からカードを取り出し、それに向けて困り顔で語りかけた。
俺氏「ユニス…お前また俺の体、勝手に使ったな。」
キラリと光るユニスのカード。
ユニスは以前にも勝手に俺氏の体を使っていろいろやらかしていたがラスボス戦以後、特に友好度がましたからかそういう事が多くなって来た。
先日はSFaKの皆んなで焼肉屋に行ったら、一番美味しいところを憑依したユニスに食べられてしまうという悲劇が起こったばかり。
ユニスは地球の文化に興味しんしんで、仕方ない部分もあるが急に入れ替わるのは勘弁して欲しい。
グラッ
俺氏「!?」
突然、地面が揺れだした。
慌てて特殊車両から外に出て、確認すると巨大葛の蔓が動き出し1カ所に集まりだしている。
炎竜はちょうど、端の方の葛の葉を食べに行っていて近くにいなかった。
俺氏「まずいな…
《こちらSFaK隊長!!
巨大葛の蔓が動き出して、1カ所に集まってる!
警備隊員は速やかに、市民の避難誘導にあたれ!!》」
防衛隊員「《了解!!》」
その間にも巨大葛の蔓はズルズルと集まり、やがてその姿は巨大な怪獣へと変貌した。
俺氏「《こちら隊長、多摩川河川敷に怪獣出現!
SFaK CP、スーパーロボβᎷod・2出撃!!》」
ー〈SFaK CP〉ー
副隊長Ꭲ「《こちらSFaK CP!
隊長、現在EとYが例の殺菌剤を使った除草剤のアンプル弾を作成中です。
出来次第出撃します。
今、Aがそちらに向かってます!》」
どうやらタイミングが悪かったらしい。
俺氏「《解った。こっちはなんとか時間を稼いでおくから、なるべく早く頼むぞ!!》」
テルアキ「《了解!》」
この時点をもって、司令部の通達により巨大葛怪獣の名が正式に決まった。
ー〈多摩川河川敷〉ー
[chapter:植物怪獣 ゴゾバモンス]
グゴゴゴゴ!!
ビシッ!バシッ!
触腕を振り回すゴゾバモンス。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【スーパーロボβᎷod・2】
右肩にレールガン、左肩にハイパービームガンを積んだ遠距離攻撃モード。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

後宮の棘
香月みまり
キャラ文芸
蔑ろにされ婚期をのがした25歳皇女がついに輿入り!相手は敵国の禁軍将軍。冷めた姫vs堅物男のチグハグな夫婦は帝国内の騒乱に巻き込まれていく。
☆完結しました☆
スピンオフ「孤児が皇后陛下と呼ばれるまで」の進捗と合わせて番外編を不定期に公開していきます。
第13回ファンタジー大賞特別賞受賞!
ありがとうございました!!
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。


ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる