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侵略の翠
侵略の翠 ①
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ー〈最終決戦から数ヶ月後〉ー
敵組織との最終決戦後は、わざわざ対怪獣特殊部隊SFaᏦが出動する事もなく一般防衛部隊で対処出来る怪獣しか出現しなくなっていた。
だからと言って俺氏率いるSFaᏦの面々も暇な訳もなく、通常通りの任務をこなしている。
主に事務仕事だが…
そのおかげで2~3日連続の休暇が、取りやすくなっている。
夏真っ盛り蝉の声が響く中、部下Aは《ドレミのおじさん》こと楽器星人チェロが最後の演奏会で使用した会場で行われていた吹奏楽コンクールの地区予選に来ていた。
もちろん演奏している人も曲も、まったく違う。
コンクールは何事もなく午前の部が終わり、昼休憩に入った。
Aは以前、事後調査に来た時に目を付けていたラーメン屋で昼食を手早く済ませる事にする。
部下A「はぁ…誰か誘えば良かったかな?」
部下Aの脳裏に浮かぶのは果たして誰か?
午後の部が始まるまで、けっこう時間が出来たので腹ごなしにひとっ走り音楽宇宙人達が操っていた宇宙侵略ロボが出現した場所に行ってみる事にした。
そこで部下Aが視たのは、辺り一面を覆う[[rb:翠 > みどり]]。
その光景を視た途端、部下Aは自分の短い休暇が終わった事を自覚した。
部下A「《こちらA。
SFaᏦ CP応答願います。》」
部下Y「《コチラSFaᏦ CP。
あれ?Aさん今日は休みとちゃいます?》」
[newpage]
基地からSFaᏦの特殊車両で駆け付けた俺氏と情報担当の部下Eは、その光景を視て驚愕した。
俺氏「コレは… 」
副隊長Ꭲ「《葛…ですね。》」
モニターを通して植物に詳し副隊長Ꭲにも確認してもらったが、やはり誰がどう視てもそう視えるようだ。
部下E「ええ…大きさはアレですけど。」
部下A「やっぱり、どう視ても葛にしか視えませんよね… 」
俺氏、部下E、部下Aの三人は多摩川河川敷で、辺り一面を覆う葛を見上げていた。
見た目は何処の道端にでも生えている葛だが、問題はその大きさ。
葉っぱ一枚の大きさが大きい物で、スーパーロボットの手のひら程はある。
もちろんその[[rb:蔓 > つる]]はそれに合わせて太くて頑丈そうだ。
俺氏「う~ん、とりあえずサンプルを採取してみるか… 」
何故か特殊車両に積んであった、電ノコを部下Aが持ち出しエンジンを掛ける。
ブルルルルッ
手近にあった蔓を切ろうとするがかなり頑丈で、危うく刃が欠けるところだった。
俺氏「こりゃどう視ても、普通じゃないな…
部下Eとりあえず、このサンプルを副隊長に届けてくれる様に手配してくれ。
それと住民にはここに近寄らないよう通達。
俺達は念の為、ここで見張りだ。」
E&A「「了解!!」」
[newpage]
部下Eが一旦立ち去った後、俺氏と部下Aは炎天下での見張りを避け少し離れた場所にある木陰に特殊車両を移動した。
俺氏「せっかくの休暇中だったのに、悪かったな… 」
部下A「いえ…これもSKaRDの仕事ですから構いません。
それよりここって去年、侵略ロボと戦った現場ですけど何か関係あるんでしょうか?」
俺氏「戦闘後に専門部隊が、念入りに調査したんだけどな… 」
見落としがあったとは思えない。
侵略ロボは機械、コイツは植物。
いったい何の関係があるのか?
謎は深まるばかり…
敵組織との最終決戦後は、わざわざ対怪獣特殊部隊SFaᏦが出動する事もなく一般防衛部隊で対処出来る怪獣しか出現しなくなっていた。
だからと言って俺氏率いるSFaᏦの面々も暇な訳もなく、通常通りの任務をこなしている。
主に事務仕事だが…
そのおかげで2~3日連続の休暇が、取りやすくなっている。
夏真っ盛り蝉の声が響く中、部下Aは《ドレミのおじさん》こと楽器星人チェロが最後の演奏会で使用した会場で行われていた吹奏楽コンクールの地区予選に来ていた。
もちろん演奏している人も曲も、まったく違う。
コンクールは何事もなく午前の部が終わり、昼休憩に入った。
Aは以前、事後調査に来た時に目を付けていたラーメン屋で昼食を手早く済ませる事にする。
部下A「はぁ…誰か誘えば良かったかな?」
部下Aの脳裏に浮かぶのは果たして誰か?
午後の部が始まるまで、けっこう時間が出来たので腹ごなしにひとっ走り音楽宇宙人達が操っていた宇宙侵略ロボが出現した場所に行ってみる事にした。
そこで部下Aが視たのは、辺り一面を覆う[[rb:翠 > みどり]]。
その光景を視た途端、部下Aは自分の短い休暇が終わった事を自覚した。
部下A「《こちらA。
SFaᏦ CP応答願います。》」
部下Y「《コチラSFaᏦ CP。
あれ?Aさん今日は休みとちゃいます?》」
[newpage]
基地からSFaᏦの特殊車両で駆け付けた俺氏と情報担当の部下Eは、その光景を視て驚愕した。
俺氏「コレは… 」
副隊長Ꭲ「《葛…ですね。》」
モニターを通して植物に詳し副隊長Ꭲにも確認してもらったが、やはり誰がどう視てもそう視えるようだ。
部下E「ええ…大きさはアレですけど。」
部下A「やっぱり、どう視ても葛にしか視えませんよね… 」
俺氏、部下E、部下Aの三人は多摩川河川敷で、辺り一面を覆う葛を見上げていた。
見た目は何処の道端にでも生えている葛だが、問題はその大きさ。
葉っぱ一枚の大きさが大きい物で、スーパーロボットの手のひら程はある。
もちろんその[[rb:蔓 > つる]]はそれに合わせて太くて頑丈そうだ。
俺氏「う~ん、とりあえずサンプルを採取してみるか… 」
何故か特殊車両に積んであった、電ノコを部下Aが持ち出しエンジンを掛ける。
ブルルルルッ
手近にあった蔓を切ろうとするがかなり頑丈で、危うく刃が欠けるところだった。
俺氏「こりゃどう視ても、普通じゃないな…
部下Eとりあえず、このサンプルを副隊長に届けてくれる様に手配してくれ。
それと住民にはここに近寄らないよう通達。
俺達は念の為、ここで見張りだ。」
E&A「「了解!!」」
[newpage]
部下Eが一旦立ち去った後、俺氏と部下Aは炎天下での見張りを避け少し離れた場所にある木陰に特殊車両を移動した。
俺氏「せっかくの休暇中だったのに、悪かったな… 」
部下A「いえ…これもSKaRDの仕事ですから構いません。
それよりここって去年、侵略ロボと戦った現場ですけど何か関係あるんでしょうか?」
俺氏「戦闘後に専門部隊が、念入りに調査したんだけどな… 」
見落としがあったとは思えない。
侵略ロボは機械、コイツは植物。
いったい何の関係があるのか?
謎は深まるばかり…
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