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八
貸本屋炎上
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◇
「すっかり暗くなったわねえ。話し込んじゃってすまないね」
伊勢屋の玄関先で女将が話を始めると、中々帰しちゃ貰えねえ。
苦笑いを堪えながら、広げた本を背負子に積み上げる。
外は黄昏時。
できれば陽が落ちる前に帰りたかった。だが、新規開拓をしていたのだから仕方がねえな。それに女将の話好きはいつものことだ。
「いいえ、また明後日には伺います。あの子たち、もうすぐ稽古から帰って来るんですかね」
暗い夜道を女の子たちだけで帰って来るのだろうかと、俺はいらぬ心配をする。むしろそろそろ御座敷の時間だろうに。
「暗くなったら男衆が迎えに行くから大丈夫だよ。それに豆千代の件もあったでしょ。だからね、うちは二日ほど休むつもりだと見番にも言ってあるから」
ああ、そうか。結局、殺しの現場に居合わせちまったんだもんな。
「あんな事件に巻き込まれて気の毒に……」
疑わしいとはわかっていても、やはり豆千代に同情してしまう。
「春木屋さんとは切れない縁があったのかねえ。守ってやれなくて」
女将が目頭を押さえた。
「豆千代は元々、春木屋の禿でねぇ、あの子が側で仕えていた花魁は春木屋でも上玉で、赤坂一だと謳われた太夫だったんだよ。それなのに志士を名乗る侍に斬られちまってねえ。あの子はそれを間近で見てしまったらしいよ。それに斬ったお侍も捕まっちゃいないんだよ」
その話に、俺は目を見張っちまった。
「えっ、それで、その斬られた花魁は……」
「うまく浪士をあしらえなかった太夫に春木屋さんは怒ってね、その亡骸は碌な供養もしてもらえなかったと、その頃の噂で聞いたよ。彼女を慕っていた豆千代もその後、随分ひどい扱いを受けたみたいでねぇ」
豆千代の、想像以上に壮絶な過去に息を呑む。
「では、豆千代さんはミネさんや春木屋さんを恨んでいたとか……」
「そりゃあねえ、恨みも無いこた無いだろうけど、でも、あの二人が死んだこととは無関係だと思うよ。何しろ、あの頃の禿や娼妓たちは、みんな辛い目に遭っていたらしいからさ。おまけに志士を名乗る侍どもはさ、何でもかんでも『斬り捨て御免』が通用すると思い上がっていた時代だろ?」
しかし、殺しの現場に居合わせたのは、いつも豆千代だと、坊ちゃんは言っていた。
「で、豆千代さんは今……」
「おや、半玉たちは揃って稽古に行かせたよ。豆千代も一緒に行くと言っていたけどねえ」
さっきすれ違った顔を思い浮かべる。
(いや待て。あの中に豆千代さんはいなかった……ような……)
途端、胸がざわついた。
慌てて本をかき集め、玄関の外へ飛び出す。
――何かがおかしい。
その、『何か』はすぐに分かった。煙たいような、焦げたような臭いが届いたのだ。
ハッとして臭いの方を見ると煙が上がっているじゃねえか!
あっちにはうちの店はあるんだ!!!
「坊ちゃん!」
さっき背負ったばかりの背負子を下ろす。
「女将さん、これ、ちょいと預かってくれねえか。また取りに来るから」
そう断るなり、身軽になった体で飛ぶように路地を駆け出す。
(なんで気付けなかった! なんで腹の虫はこんな時に限って教えてくれねえんだ)
嫌な予感が今更のように津波となって襲い掛かって来る。
たった五分もかからないはずの距離がもどかしい。
角を曲がると、やはり火元は尾白屋であることが分かった。同じように臭いに気付いたご近所さんが外に出て騒いでいる。
煙の出何処は店先じゃねえか。だから燭台なんぞあぶねえから使うなと言っていたのに! ああ、まだ火事と呼ぶほどに炎は上がっていねえ。
裏の路地から長屋の脇を抜けて近道をする。裏木戸を蹴り開け、庭から土足で客間に上がった。
ここまで火の手は迫っていねえ。
(店は燃えたっていい。坊ちゃんさえ無事ならば!)
とにかく坊ちゃんを救い出すことだけを考え、台所にあった桶の水をかぶった。そしてそのまま作業部屋から店に抜ける。
しかし、帳場机に坊ちゃんの姿がない。
「坊ちゃん! どこだ、坊ちゃん」
目に飛び込んできたのは、炎の上がった錦絵や本の束。そこから広がった火は売り台に燃え移り、ちりちりと炎が脇の本棚へと蛇のように這って行く様だった。
「なんでこんなことに!」
それを藤田が上着を脱いで火が広がらないよう、炎の行く手をバシバシと叩いて消していた。
「てっめえ! 来るのが遅えんだよ!」
怒鳴られたが、口答えする余裕もない。更に何かを怒鳴られたが、火の勢いに押され聞き取れなかった。
とにかく煙の中を見渡す。それは時間にして数秒。
藤田との間に、さらに炎の壁が生まれ、その壁を隔てて本棚の前に坊ちゃんの姿を見つけた。なぜか体を起こし、苦悶の表情で咳込んでいる。
なぜ火の中から逃げようとしないのか、その瞬間に理解した。
坊ちゃんの顎までに切り揃えた髪を、修羅のような顔をした豆千代が握っていた。
「一緒に地獄へ行こう。ね、一人じゃ寂しいから」
豆千代の声がはっきりと聞こえた。振り上げた手には鋭く尖った金物が見えた。
「そうはさせるか!」
彼女がもう片方の手を振り下ろす前に、俺は炎の中に突っ込んだ。そのまま坊ちゃんの髪を握っていた方の腕を払う。
「ぐっ」
「三四郎!」
鋭い痛みが腕まで届いた。
けど、怯んでいる暇なぞねえ。
豆千代を引きはがし、坊ちゃんを抱える。考える間などなかったんだ。
短い悲鳴に振り返ると、豆千代が炎の中に投げ出されいた。彼女の手にしていた笄が宙を舞う。
その中から藤田が素早く豆千代を引きずり出すのが見えて、ホッとした。
「ゲホ、ゲホゲホ」
俺は煙を吸って咳込み続ける坊ちゃんを抱えると、そのまま書庫へ抜ける扉から裏庭の方へと逃れた。
「大丈夫ですかい」
ようやく煙の薄い所に出られ、坊ちゃんの呼吸が落ち着いてきた。通り土間のすのこの上に座らせる。
「坊ちゃまー! 朔さまあぁぁぁ! 放してくださいまし、中に、中に、朔様が」
庭の塀の向こうから、お絹さんの声が届いた。それを聞いた坊ちゃんは、ふっと笑みをこぼし言った。
「心配してはいなかった。お前が間に合うことを信じていたからね」
その言葉に胸が詰まった。
「店はもういい。一緒に逃げよう。絹が待っている。火消しもすぐ来るだろう」
坊ちゃんに手を引かれ、目を丸くする。咄嗟に、それは嫌だと思った。
「まだ火は小さいんだ。坊ちゃんは裏から出て安全な場所まで逃げてください。俺は諦めねえから」
そう言い残すと、再び火の手の上がる店の方へと戻って行った。
すでに近所の男たちもやって来て、壁際の本棚を倒し、水を掛けていた。俺も自分の羽織を脱いで火を消そうと躍起になって、燃え続ける本たちを叩きまくった。
傷を受けた肩が悲鳴を上げているのだろうが、頭に血が上ってしまって既に痛みも感じなかった。
「すっかり暗くなったわねえ。話し込んじゃってすまないね」
伊勢屋の玄関先で女将が話を始めると、中々帰しちゃ貰えねえ。
苦笑いを堪えながら、広げた本を背負子に積み上げる。
外は黄昏時。
できれば陽が落ちる前に帰りたかった。だが、新規開拓をしていたのだから仕方がねえな。それに女将の話好きはいつものことだ。
「いいえ、また明後日には伺います。あの子たち、もうすぐ稽古から帰って来るんですかね」
暗い夜道を女の子たちだけで帰って来るのだろうかと、俺はいらぬ心配をする。むしろそろそろ御座敷の時間だろうに。
「暗くなったら男衆が迎えに行くから大丈夫だよ。それに豆千代の件もあったでしょ。だからね、うちは二日ほど休むつもりだと見番にも言ってあるから」
ああ、そうか。結局、殺しの現場に居合わせちまったんだもんな。
「あんな事件に巻き込まれて気の毒に……」
疑わしいとはわかっていても、やはり豆千代に同情してしまう。
「春木屋さんとは切れない縁があったのかねえ。守ってやれなくて」
女将が目頭を押さえた。
「豆千代は元々、春木屋の禿でねぇ、あの子が側で仕えていた花魁は春木屋でも上玉で、赤坂一だと謳われた太夫だったんだよ。それなのに志士を名乗る侍に斬られちまってねえ。あの子はそれを間近で見てしまったらしいよ。それに斬ったお侍も捕まっちゃいないんだよ」
その話に、俺は目を見張っちまった。
「えっ、それで、その斬られた花魁は……」
「うまく浪士をあしらえなかった太夫に春木屋さんは怒ってね、その亡骸は碌な供養もしてもらえなかったと、その頃の噂で聞いたよ。彼女を慕っていた豆千代もその後、随分ひどい扱いを受けたみたいでねぇ」
豆千代の、想像以上に壮絶な過去に息を呑む。
「では、豆千代さんはミネさんや春木屋さんを恨んでいたとか……」
「そりゃあねえ、恨みも無いこた無いだろうけど、でも、あの二人が死んだこととは無関係だと思うよ。何しろ、あの頃の禿や娼妓たちは、みんな辛い目に遭っていたらしいからさ。おまけに志士を名乗る侍どもはさ、何でもかんでも『斬り捨て御免』が通用すると思い上がっていた時代だろ?」
しかし、殺しの現場に居合わせたのは、いつも豆千代だと、坊ちゃんは言っていた。
「で、豆千代さんは今……」
「おや、半玉たちは揃って稽古に行かせたよ。豆千代も一緒に行くと言っていたけどねえ」
さっきすれ違った顔を思い浮かべる。
(いや待て。あの中に豆千代さんはいなかった……ような……)
途端、胸がざわついた。
慌てて本をかき集め、玄関の外へ飛び出す。
――何かがおかしい。
その、『何か』はすぐに分かった。煙たいような、焦げたような臭いが届いたのだ。
ハッとして臭いの方を見ると煙が上がっているじゃねえか!
あっちにはうちの店はあるんだ!!!
「坊ちゃん!」
さっき背負ったばかりの背負子を下ろす。
「女将さん、これ、ちょいと預かってくれねえか。また取りに来るから」
そう断るなり、身軽になった体で飛ぶように路地を駆け出す。
(なんで気付けなかった! なんで腹の虫はこんな時に限って教えてくれねえんだ)
嫌な予感が今更のように津波となって襲い掛かって来る。
たった五分もかからないはずの距離がもどかしい。
角を曲がると、やはり火元は尾白屋であることが分かった。同じように臭いに気付いたご近所さんが外に出て騒いでいる。
煙の出何処は店先じゃねえか。だから燭台なんぞあぶねえから使うなと言っていたのに! ああ、まだ火事と呼ぶほどに炎は上がっていねえ。
裏の路地から長屋の脇を抜けて近道をする。裏木戸を蹴り開け、庭から土足で客間に上がった。
ここまで火の手は迫っていねえ。
(店は燃えたっていい。坊ちゃんさえ無事ならば!)
とにかく坊ちゃんを救い出すことだけを考え、台所にあった桶の水をかぶった。そしてそのまま作業部屋から店に抜ける。
しかし、帳場机に坊ちゃんの姿がない。
「坊ちゃん! どこだ、坊ちゃん」
目に飛び込んできたのは、炎の上がった錦絵や本の束。そこから広がった火は売り台に燃え移り、ちりちりと炎が脇の本棚へと蛇のように這って行く様だった。
「なんでこんなことに!」
それを藤田が上着を脱いで火が広がらないよう、炎の行く手をバシバシと叩いて消していた。
「てっめえ! 来るのが遅えんだよ!」
怒鳴られたが、口答えする余裕もない。更に何かを怒鳴られたが、火の勢いに押され聞き取れなかった。
とにかく煙の中を見渡す。それは時間にして数秒。
藤田との間に、さらに炎の壁が生まれ、その壁を隔てて本棚の前に坊ちゃんの姿を見つけた。なぜか体を起こし、苦悶の表情で咳込んでいる。
なぜ火の中から逃げようとしないのか、その瞬間に理解した。
坊ちゃんの顎までに切り揃えた髪を、修羅のような顔をした豆千代が握っていた。
「一緒に地獄へ行こう。ね、一人じゃ寂しいから」
豆千代の声がはっきりと聞こえた。振り上げた手には鋭く尖った金物が見えた。
「そうはさせるか!」
彼女がもう片方の手を振り下ろす前に、俺は炎の中に突っ込んだ。そのまま坊ちゃんの髪を握っていた方の腕を払う。
「ぐっ」
「三四郎!」
鋭い痛みが腕まで届いた。
けど、怯んでいる暇なぞねえ。
豆千代を引きはがし、坊ちゃんを抱える。考える間などなかったんだ。
短い悲鳴に振り返ると、豆千代が炎の中に投げ出されいた。彼女の手にしていた笄が宙を舞う。
その中から藤田が素早く豆千代を引きずり出すのが見えて、ホッとした。
「ゲホ、ゲホゲホ」
俺は煙を吸って咳込み続ける坊ちゃんを抱えると、そのまま書庫へ抜ける扉から裏庭の方へと逃れた。
「大丈夫ですかい」
ようやく煙の薄い所に出られ、坊ちゃんの呼吸が落ち着いてきた。通り土間のすのこの上に座らせる。
「坊ちゃまー! 朔さまあぁぁぁ! 放してくださいまし、中に、中に、朔様が」
庭の塀の向こうから、お絹さんの声が届いた。それを聞いた坊ちゃんは、ふっと笑みをこぼし言った。
「心配してはいなかった。お前が間に合うことを信じていたからね」
その言葉に胸が詰まった。
「店はもういい。一緒に逃げよう。絹が待っている。火消しもすぐ来るだろう」
坊ちゃんに手を引かれ、目を丸くする。咄嗟に、それは嫌だと思った。
「まだ火は小さいんだ。坊ちゃんは裏から出て安全な場所まで逃げてください。俺は諦めねえから」
そう言い残すと、再び火の手の上がる店の方へと戻って行った。
すでに近所の男たちもやって来て、壁際の本棚を倒し、水を掛けていた。俺も自分の羽織を脱いで火を消そうと躍起になって、燃え続ける本たちを叩きまくった。
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