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七
三四郎の推理
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街道を行き桐畑を抜けると、汐留に向いて街中の道をくねくねと縫うように行く。
(この景色は好きじゃねぇ……)
武家屋敷が取り壊され市街地となってしまったこの辺りは、銀座や日本橋以上に、江戸の風景を消し去っていた。区画整備された街には、次々と新たな家が建っていく。
整然と並んでいた武家屋敷と周辺の長屋、町ごとの木戸。庶民や下級武士の家は粗末だったが、それでも風情があった。
なのに……武家屋敷のなくなった跡には、まるでごった煮のような街並みが現れちまった。
そんな中、愛宕神社の門前町界隈には、まだ懐かしい風景が残っていて、この辺りには古くからの得意先があった。それら一件ずつに顔を出し、貸し出していた本を回収し、新たな本を貸して回った。
「冬の匂いだ……」
乾いた風が頬を撫で、交差する道の端でつい立ち止まった。
「おっと、いけねえ」
新規開拓と言われたんだ。
ならば新橋の芸妓屋でも覗いてみようかね――と、鉄道駅の方面へと歩を進める。
歩きながらも頭には常に昨日の夜のことが渦巻いていた。
(何を根拠に坊ちゃんは、豆千代さんを疑っているんだろうかね……)
まるで彼女が事件に関わって、何か真相を掴んでいるとでも言いたそうであった。確かに言われたら、全ての事件の場に豆千代がいる。
だがそれを言うならば、菱屋の亭主もそうだ。ついでに、伊勢屋の女将さんも何か知っていそうである。
――「そんなの知らない」
そう言って激しく首を振っていたあの子の顔に、芝居っ気などなかったように思う。
(むしろ誰かが豆千代を陥れようとしているんじゃねえのか)
一旦そんな考えが過ると、それが真実に思えてくるから不思議だ。
(だとしたら、いったい誰が、何の目的で……)
坊ちゃんがあの武家屋敷跡の料理茶屋に向かったのは、伊勢屋の予約台帳を見たからだ。佐々木巡査長の体を乗っ取った大石も、警官の職権を駆使して何かをつかんでいたから、あの店へと春木屋を追って行った。
その春木屋の右腕であるやり手婆は、つい先日、菱屋で死んでいる。
そう考えると、春木屋が全てのカギだと思わざるをえねえ。
それなのに坊ちゃんは豆千代と菱屋との関係を疑っていたようだが、いったい、坊ちゃんには何が見えていたのだろう。
(菱屋はあの日……)
昨日の花屋敷茶屋の塀が見えて足を止める。
門の外には二人の巡査が立っていた。今も捜査をしているのだろうな。
小林が殺された菱屋では、三日後には営業を再開していたように思う。
そもそも事の発端は猫探しだった。あの日、伊勢屋さんを伝手に、菱屋の亭主は坊ちゃんに猫探しを依頼したのだ。いなくなったのはお内儀の猫だったのに、依頼したのは亭主だった。そこで小林の殺害に居合わせたってわけだ。
(ん……? 待てよ)
あの猫はどうなったっけ――と考えて、はたと思い至って顔を上げた時、誰かが後ろからぶつかってきた。
「うおっ」
「おいおい、ぼけっと突っ立ってんじゃねえよ」
そっちから勝手にぶつかっておいて何言ってやがる。
余程急いでいるのか、俺が文句を口にするより早く、着流しにステッキを手にした男は駅舎に向かって速足で去って行った。
維新後、何が便利になったかといえば、時間管理だろうな。
西洋の暦が取り入れられ、西洋時計の普及と共に時間も細かく正確に表せるようになった。
新橋の駅舎から横浜に向いて発車する汽車は、決められた時刻通りに出発し到着するって言うじゃねえか。
おもむろに懐に入れた懐中時計を開く。
「おっと、急がなきゃ、伊勢屋に寄る時間がなくなっちまう」
◇
「兄さん、この本面白いねえ。連本かい」
適当に飛び込んだ大店の母屋で、この店のお内儀と娘が本を物色していた。
「ああ、これですね、中々世間には出回っていないんですよ。うちが取引している版元お抱えの作家さんでしてね、この方の私家本なんかも人気でございますよ」
「ねえ、おっかさん、これ、挿絵もいいよねえ」
男女が見つめ合う絵を、娘がうっとりと眺めている。
「それでしたら同じ絵師の錦絵もございます。お気に召した絵があれば、お買い上げいただけます」
その場に錦絵を広げた。
「へえ、維新の戦絵かい。珍しいね。新選組組長の錦絵などは、扱っていないのかい。実はね、あたしの実家が多摩でね」
新選組の大幹部の出身地が、多摩や八王子といった武州の方らしい。
「ああ、あれは……」
「双六なんかがあれば、子供らが喜ぶんだけどねえ」
武士が命と矜持をかけて争った戊辰戦争。血で血を洗う悲惨な内戦を駆け抜けた幕府側の男たちは、官軍からは『賊軍』と呼ばれていた。
それも時が経つとまるで忠臣蔵の赤穂浪士のような扱いだ。戦を傍観していた町人にしてみれば、そんなものなのだろうと、どこか冷めた頭で思いつつ、俺は次週までに絵を仕入れて来るという約束をした。
伊勢屋へ向かうには少し時間を喰いすぎたと気付く。
「ごほっ、喉に詰まった」
遅い昼飯代わりの握り飯を溜池の横で、道に背を向け慌てて喉に押し込んだ。胸を叩きながらも、さっきの続きを考えていた。
――結局、猫は……。
猫はどうでも良かったのではないか、という結論にたどり着く。
菱屋はわざわざ坊ちゃんを呼んで、殺人を見せたかっただけではないか――こう考えると、菱屋が誰かを使って殺人を仕組んだことになる。
(では何のために?)
菱屋と豆千代は、はなっから手を組んでいた。
(何が目的で?)
あの二人が持つ共通の秘密でもあるのだろうか。例えば春木屋のことで……。いや、それとも菱屋がやはり豆千代を陥れようとしているのではないか。そもそも春木屋の亭主が黒幕で、大石はそれを見抜き、自分の手で春木屋を成敗した。
(いや、そうなると、豆千代と大石がどこかで繋がっているっつうことにならねえか)
それはあり得ねえ……と、先の考えを打ち消す。
バラバラになった欠片は見つかるのだが、それらは絵の全貌を見るには足りなさ過ぎる。
殺された小林は春木屋の遊女を買っていた。ミネが小林を殺し、誰かがミネを口封じに殺し、そして春木屋の亭主も消された。最後は大石鍬次郎によって……。
そもそも小林の知人、石川を殺したのも三井の姿を借りた大石の蟲だ。大石による維新への復讐だと思っていたが。
(これは偶然なのか?――どこかで誰かが大石鍬次郎と繋がっているのか)
春木屋はただの町人だ。維新の遺恨とは全く関係の無さそうな人物である。にもかかわらず、春木屋は大石の蟲によって斬られた。
(いったい春木屋は何をした。誰に何を……)
「ああ、もうっ! 訳が分からねえ!」
考えれば考えるほど堂々巡りのような気がして、路上にもかかわらず、苛立ちを声にしていた。
五丁目と四丁目の間から、愛らしくもかしましい集団が出て来て、ハッとして立ち止まる。伊勢屋の半玉たちだ。
(あぁあ、間に合わなかった。彼女らに新刊を見せたかったのによぉ……)
「こんにちわぁ」
「こんにちは、尾白屋さん」
きらびやかな笑顔で口々に挨拶をしてくれる。
「もう、尾白屋さんったら、遅いよぉ。もっと早い時間に来てほしかったわ」
だよなぁ、すまねえなあ。
「あんた、姐さん方に読んでもらったらいいじゃないの。どうせ心中物が目当てなんでしょ。ほんと、耳年増なんだから」
本好きの半玉が俺に文句を言うと、隣にいた半玉がからかって、可笑しそうにころころと笑った。
唄か踊りの稽古にでも向かうのだろうな。
簡素な着物姿に風呂敷包みの手荷物を抱えた少女らは、箸が転げても可笑しいようで、その口元はいつだって鈴の音のような笑い声で彩られている。
「ごめんごめん。御新規さんを回っていたせいで遅くなっちまった。人情本を多い目に置いて行くようにするよ」
と、彼女たちの顔を見渡して言った。
「約束よ」
「じゃあね」
「あれば歌舞伎の役者絵も置いて行ってね」
黄色い声を上げながら、横を通り過ぎていく。
彼女らの後ろ姿をしばし見送りながら思う。
(大石が菱屋での殺しに関わっていたとするには、状況として無理があるよなあ。そもそも三井のような男が菱屋へ行っていたら、目立って仕方がない。)
あのかしましい少女や、何かと目ざとい芸者衆の目を欺くのは難しいと思うのだ。
俺は、ない頭を悩ませながら角を曲がった。
(この景色は好きじゃねぇ……)
武家屋敷が取り壊され市街地となってしまったこの辺りは、銀座や日本橋以上に、江戸の風景を消し去っていた。区画整備された街には、次々と新たな家が建っていく。
整然と並んでいた武家屋敷と周辺の長屋、町ごとの木戸。庶民や下級武士の家は粗末だったが、それでも風情があった。
なのに……武家屋敷のなくなった跡には、まるでごった煮のような街並みが現れちまった。
そんな中、愛宕神社の門前町界隈には、まだ懐かしい風景が残っていて、この辺りには古くからの得意先があった。それら一件ずつに顔を出し、貸し出していた本を回収し、新たな本を貸して回った。
「冬の匂いだ……」
乾いた風が頬を撫で、交差する道の端でつい立ち止まった。
「おっと、いけねえ」
新規開拓と言われたんだ。
ならば新橋の芸妓屋でも覗いてみようかね――と、鉄道駅の方面へと歩を進める。
歩きながらも頭には常に昨日の夜のことが渦巻いていた。
(何を根拠に坊ちゃんは、豆千代さんを疑っているんだろうかね……)
まるで彼女が事件に関わって、何か真相を掴んでいるとでも言いたそうであった。確かに言われたら、全ての事件の場に豆千代がいる。
だがそれを言うならば、菱屋の亭主もそうだ。ついでに、伊勢屋の女将さんも何か知っていそうである。
――「そんなの知らない」
そう言って激しく首を振っていたあの子の顔に、芝居っ気などなかったように思う。
(むしろ誰かが豆千代を陥れようとしているんじゃねえのか)
一旦そんな考えが過ると、それが真実に思えてくるから不思議だ。
(だとしたら、いったい誰が、何の目的で……)
坊ちゃんがあの武家屋敷跡の料理茶屋に向かったのは、伊勢屋の予約台帳を見たからだ。佐々木巡査長の体を乗っ取った大石も、警官の職権を駆使して何かをつかんでいたから、あの店へと春木屋を追って行った。
その春木屋の右腕であるやり手婆は、つい先日、菱屋で死んでいる。
そう考えると、春木屋が全てのカギだと思わざるをえねえ。
それなのに坊ちゃんは豆千代と菱屋との関係を疑っていたようだが、いったい、坊ちゃんには何が見えていたのだろう。
(菱屋はあの日……)
昨日の花屋敷茶屋の塀が見えて足を止める。
門の外には二人の巡査が立っていた。今も捜査をしているのだろうな。
小林が殺された菱屋では、三日後には営業を再開していたように思う。
そもそも事の発端は猫探しだった。あの日、伊勢屋さんを伝手に、菱屋の亭主は坊ちゃんに猫探しを依頼したのだ。いなくなったのはお内儀の猫だったのに、依頼したのは亭主だった。そこで小林の殺害に居合わせたってわけだ。
(ん……? 待てよ)
あの猫はどうなったっけ――と考えて、はたと思い至って顔を上げた時、誰かが後ろからぶつかってきた。
「うおっ」
「おいおい、ぼけっと突っ立ってんじゃねえよ」
そっちから勝手にぶつかっておいて何言ってやがる。
余程急いでいるのか、俺が文句を口にするより早く、着流しにステッキを手にした男は駅舎に向かって速足で去って行った。
維新後、何が便利になったかといえば、時間管理だろうな。
西洋の暦が取り入れられ、西洋時計の普及と共に時間も細かく正確に表せるようになった。
新橋の駅舎から横浜に向いて発車する汽車は、決められた時刻通りに出発し到着するって言うじゃねえか。
おもむろに懐に入れた懐中時計を開く。
「おっと、急がなきゃ、伊勢屋に寄る時間がなくなっちまう」
◇
「兄さん、この本面白いねえ。連本かい」
適当に飛び込んだ大店の母屋で、この店のお内儀と娘が本を物色していた。
「ああ、これですね、中々世間には出回っていないんですよ。うちが取引している版元お抱えの作家さんでしてね、この方の私家本なんかも人気でございますよ」
「ねえ、おっかさん、これ、挿絵もいいよねえ」
男女が見つめ合う絵を、娘がうっとりと眺めている。
「それでしたら同じ絵師の錦絵もございます。お気に召した絵があれば、お買い上げいただけます」
その場に錦絵を広げた。
「へえ、維新の戦絵かい。珍しいね。新選組組長の錦絵などは、扱っていないのかい。実はね、あたしの実家が多摩でね」
新選組の大幹部の出身地が、多摩や八王子といった武州の方らしい。
「ああ、あれは……」
「双六なんかがあれば、子供らが喜ぶんだけどねえ」
武士が命と矜持をかけて争った戊辰戦争。血で血を洗う悲惨な内戦を駆け抜けた幕府側の男たちは、官軍からは『賊軍』と呼ばれていた。
それも時が経つとまるで忠臣蔵の赤穂浪士のような扱いだ。戦を傍観していた町人にしてみれば、そんなものなのだろうと、どこか冷めた頭で思いつつ、俺は次週までに絵を仕入れて来るという約束をした。
伊勢屋へ向かうには少し時間を喰いすぎたと気付く。
「ごほっ、喉に詰まった」
遅い昼飯代わりの握り飯を溜池の横で、道に背を向け慌てて喉に押し込んだ。胸を叩きながらも、さっきの続きを考えていた。
――結局、猫は……。
猫はどうでも良かったのではないか、という結論にたどり着く。
菱屋はわざわざ坊ちゃんを呼んで、殺人を見せたかっただけではないか――こう考えると、菱屋が誰かを使って殺人を仕組んだことになる。
(では何のために?)
菱屋と豆千代は、はなっから手を組んでいた。
(何が目的で?)
あの二人が持つ共通の秘密でもあるのだろうか。例えば春木屋のことで……。いや、それとも菱屋がやはり豆千代を陥れようとしているのではないか。そもそも春木屋の亭主が黒幕で、大石はそれを見抜き、自分の手で春木屋を成敗した。
(いや、そうなると、豆千代と大石がどこかで繋がっているっつうことにならねえか)
それはあり得ねえ……と、先の考えを打ち消す。
バラバラになった欠片は見つかるのだが、それらは絵の全貌を見るには足りなさ過ぎる。
殺された小林は春木屋の遊女を買っていた。ミネが小林を殺し、誰かがミネを口封じに殺し、そして春木屋の亭主も消された。最後は大石鍬次郎によって……。
そもそも小林の知人、石川を殺したのも三井の姿を借りた大石の蟲だ。大石による維新への復讐だと思っていたが。
(これは偶然なのか?――どこかで誰かが大石鍬次郎と繋がっているのか)
春木屋はただの町人だ。維新の遺恨とは全く関係の無さそうな人物である。にもかかわらず、春木屋は大石の蟲によって斬られた。
(いったい春木屋は何をした。誰に何を……)
「ああ、もうっ! 訳が分からねえ!」
考えれば考えるほど堂々巡りのような気がして、路上にもかかわらず、苛立ちを声にしていた。
五丁目と四丁目の間から、愛らしくもかしましい集団が出て来て、ハッとして立ち止まる。伊勢屋の半玉たちだ。
(あぁあ、間に合わなかった。彼女らに新刊を見せたかったのによぉ……)
「こんにちわぁ」
「こんにちは、尾白屋さん」
きらびやかな笑顔で口々に挨拶をしてくれる。
「もう、尾白屋さんったら、遅いよぉ。もっと早い時間に来てほしかったわ」
だよなぁ、すまねえなあ。
「あんた、姐さん方に読んでもらったらいいじゃないの。どうせ心中物が目当てなんでしょ。ほんと、耳年増なんだから」
本好きの半玉が俺に文句を言うと、隣にいた半玉がからかって、可笑しそうにころころと笑った。
唄か踊りの稽古にでも向かうのだろうな。
簡素な着物姿に風呂敷包みの手荷物を抱えた少女らは、箸が転げても可笑しいようで、その口元はいつだって鈴の音のような笑い声で彩られている。
「ごめんごめん。御新規さんを回っていたせいで遅くなっちまった。人情本を多い目に置いて行くようにするよ」
と、彼女たちの顔を見渡して言った。
「約束よ」
「じゃあね」
「あれば歌舞伎の役者絵も置いて行ってね」
黄色い声を上げながら、横を通り過ぎていく。
彼女らの後ろ姿をしばし見送りながら思う。
(大石が菱屋での殺しに関わっていたとするには、状況として無理があるよなあ。そもそも三井のような男が菱屋へ行っていたら、目立って仕方がない。)
あのかしましい少女や、何かと目ざとい芸者衆の目を欺くのは難しいと思うのだ。
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