蠱惑の瞳の神子

ジカハツデン

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神子と騎士と幼なじみ

第4話 部屋の中*

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意識を失った後、目覚めた頃には既にこの部屋にいた。

天井に近い所に一つだけ小さな窓がある薄暗い部屋からは外の景色は見えず、見えるのはほんの小さな空だけだった。
その部屋の中央にはこちらの世界の大柄な人が両手を広げてもなお余裕がありそうな大きなベッド、そして部屋の隅には座敷牢のような小さな檻が置いてあった。

ベッドの上に寝転がされていた瑠璃の片腕には座敷牢から伸びる長い鎖が繋がれており、状況が掴めない瑠璃は周囲を見渡すが、ベッドと座敷牢、そして扉が2つ並んである以外には何も置いていない簡素な部屋ということが分かっただけだった。

ここに来るまでのことを思い出そうとする瑠璃だったが、混乱する暇すら与えられることはなく、地獄は突如訪れた。

部屋の中にガチャリと扉が開く音が響き、音の鳴る方を向くと男が数人入ってくる姿が見えた。

「おー、噂通り本当にちいせぇんだな」
「俺らが抱いたら壊れちまうんじゃねえの?」

男達は瑠璃が見上げるほど大柄で、全身に筋肉が着いたその体はひと目見ただけでも力では適う訳が無いと分かる。
そして似通っているのは体格だけではなく、皆一様にニヤニヤと下卑た笑みを浮かべているという点だ。

男が放った抱くという言葉にも嫌な予感がしてベッドの上でじりじりと後ずさる。
この閉鎖空間の中で逃げたとしてもすぐに捕まってしまうだろうが、不気味な笑みを浮かべる男達から少しでも距離を取りたいという本能が働いていた。

逃げようとする瑠璃など意に介さず、男が長い足を伸ばしてズカズカと歩み寄りベッドの上にのりあげ、そのまま瑠璃の肩をベッドに押さえつけて馬乗りになった。

それからの記憶はうっすらとしか残っていない。

とにかく痛かった。苦しかった。
何度やめてと言ってもその行為は止まらなかったこと。
それくらいしか覚えていない。

男は数人で瑠璃を羽交い締めにするや否や、瑠璃の体を蹂躙したのだ。
慣らすことも無く体格に見合った長大な性器を突き入れられ無遠慮に動かれたせいで、今までそこに受け入れた経験など無い後孔は切れて酷く出血していた。

部屋の中には男達の荒い息と、泣き叫ぶ瑠璃の声が響き続けた。
やめて、もうゆるして、とうわ言のように零す姿を見て男達はより一層興奮して瑠璃を激しく攻め立てた。

太陽の光が見えていた窓の外は、男達が満足して部屋から出る頃には太陽が沈んで暗くなっていた。
抵抗すれば問答無用で殴る蹴るの暴行を受けたせいで指一本動かす気力すら無くなった瑠璃は、ぐったりとしてその肢体をベッドに投げ出したまま気を失った。


次の日目が覚めると体液や白濁で汚れていた体は昨日のことが嘘だったかのように綺麗に清められていたが、腰から響く経験した事が無い鈍痛や体中に散らばる痣が昨日のことは夢では無いと証拠付けていた。

今は部屋に瑠璃しかいないが、片腕に繋がれた鎖はそのままで、外につながっているであろう扉にも天井付近の窓にも届かない。
鎖は引っ張ってみてもビクともしない頑丈な作りで、部屋から逃げることは難しかった。

昨日の男達は去り際にと言っていた。
それはあの地獄はこれからも続くということなのだろうか。
恐怖と絶望でガタガタと体が震える。

その時、扉が開かれてまた見覚えの無い大柄な男が入ってきた。
男は昨日の男達と同様にこちらを虐げる者特有の厭らしい視線で瑠璃を舐めまわすように見詰めてくる。
瑠璃が抱いた不安は的中してしまったのだ。

「ああ、なんて痛めつけ甲斐がありそうなんだ」
「ひ…っ!」

男は瑠璃の目を見た瞬間恍惚とした笑みを浮かべて口角を醜く歪ませた。

この日の男は瑠璃に性的に触れることは無かったが、徹底的に暴力で瑠璃の心をへし折りにかかった。
首を絞め、爪を剥がし、挙句指の骨も何本か折られた。
痛みに叫んで、苦しめば苦しむ程男は悦んだ。

男はよく喋る質だったようで、瑠璃を痛めつけながらずっと何かしら喋り続けていた。
男曰く、瑠璃の瞳が嗜虐心を煽るのだと、こうして暴力を受けるのも瑠璃が誘っているからなのだと、そういう事らしい。

もちろん誘っている気など無いし、痛いのも苦しいのも大嫌いだ。
早くこんな行為を強いられるこの部屋から逃げ出したい、早く終わって欲しい、そう思っていた瑠璃はこの地獄が長い間続くなど考えたくもない事だった。
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