エンカウンターオブミラクル

TARA

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「そうだ!ヒデ、アキさんって…」

「ん?」

おいおい待て待て。
聞いてしまっていいのか?
彼氏がいるとわかってしまうとアキさんを1人の女として見れなくなる…
それは良くない…
そうだ!
聞かずにこの幸せに浸ろう!

「あぁ!!アキさん彼氏いるよ!」

ちーん。

「ヒデ言っちゃダメ!」
早川遅ーい。

「だってみんな通る道でしょ?遅いより早い方がいいでしょ!」

電光石火!

さらば朝の幸せな時間と淡いピンクい気持ちってか!

「少し顔洗ってくる」
気合いの入れなおしだ!

昨日の試合。
タクとの1on1。

少し思い出しただけでアドレナリンが湧き出てくる。

体育館に戻ってヒデに1on1をお願いした。

昨日よりできる気がした。

オフェンスは、ゴールの近くしか入らないからドリブルで近づく。

ディフェンスは軽く膝を曲げて一歩出しやすい姿勢あと手をあげる。

昨日みっちゃんに教えてもらったことを試してみる。

「ヒデが先攻で」ヒデにボールを渡す。

さっきまふざけてるただのチビだったのにボールを持って向き合うだけで雰囲気が違う。

「ディフェンスの構えは一丁前だな。
   けど…」

ヒデが目の前から消える。

一歩のスピードが桁違いに早い。

「白、それじゃあ止められないよ。」

次は、オフェンス。

…抜ける気がしない。
そう思って一瞬思考が停止した瞬間もう手元にはボールがなくなっていた。

「白、まだまだだね」

1on1が終わるとヒデは手取り足取り1on1について教えてくれた。

特に言われたのがディフェンス。
"足をクロスさせるな"
"足でついて行け"
"チームに欲しいのはオフェンスできるだけのやつよりディフェンスだけできるやつ"



"試合に出たいならチームに必要な
  プレーヤーになれ"


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