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派手に転倒
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練習はミニゲーム形式で行われた。
僕は攻撃的なポジションだった。
味方が浮きパスを出すのに合わせて、ディフェンスの裏に抜け出した。
それをうまくトラップすればシュートできるチャンスだった。
それを阻止しようと左側と右斜め後方からディフェンスが走ってきているのは分かっていた。
僕は、左側にトラップすると、左から走ってきているディフェンダーに絡まれてシュートを打てなくなる可能性があると思い、右斜め後方からディフェンダーが走ってきている前を塞ぐような形でトラップしてシュートをしようと判断した。
そうすれば、確実にシュートを打つことが出来る。ディフェンスが止めようと思えばファールするしかない。
すると、トラップした瞬間、ディフェンスが勢い余ってぶつかってきた。
彼は全速力で走っていたために、僕がカットインする形でトラップした時に止まれなかったのだ。多分、僕がそこにトラップすると予想していなかったのだろう。
僕は背中から思いっきり押されて、前につんのめった。
左足が1歩前に出たが勢いを堪えきれない。
近づく地面を見ながらこれは転げるしかないと観念した。
とっさに右手を着いて柔道の受け身のような形で転倒しようとした。痛い小指が気になった。
ガッと地面に肩が食い込む感触があった。
転倒した際には、反動で側頭部も地面に打ち付けた。
「それはあかんやろー」と僕は大きな声を上げた。
「大丈夫ですか」
とぶつかった若いディフェンダーの子が近寄ってきた。
「いたたたた」
肩がめちゃくちゃ痛い。
痛すぎて少し休むことにした。
頭も打っていてボーとしている。
それでも、打撲だったら大したことないだろうと思って少し休んでからプレーは続けたが、後ろから少し人と接触するだけでも肩に激痛が走る。
できるだけ人と接触しないようにプレーする。
さらに右腕を大きく振ると痛いので、ゆっくりとしか走ることは出来ない。
ボールを蹴ると肩に響く。
それでも、アドレナリンが出ていたせいかプレーは続けられていた。
休憩の時、ぶつかってきた子が「大丈夫ですか?体調変わりないですか?」と言ってきてくれた。
優しい子だなと思った。
彼がわざとファールしたのではないとわかっていたが、あまりの痛みに余裕もなく「骨が折れとるかもしれん」と言ってしまった。
実際、右肩を触るとぼこっと膨れ上がっていた。
ゴールになる確率が上がるがファールされる可能性のある右へのトラップではなく、シュートを出来なくなる可能性があったが左へトラップしとけばよかったと後悔したが、後の祭りである。
事故が起きたあとは後悔あとに立たずである。
このとき、親指の爪の黒いところはすでに爪の先端に達していた。
僕は攻撃的なポジションだった。
味方が浮きパスを出すのに合わせて、ディフェンスの裏に抜け出した。
それをうまくトラップすればシュートできるチャンスだった。
それを阻止しようと左側と右斜め後方からディフェンスが走ってきているのは分かっていた。
僕は、左側にトラップすると、左から走ってきているディフェンダーに絡まれてシュートを打てなくなる可能性があると思い、右斜め後方からディフェンダーが走ってきている前を塞ぐような形でトラップしてシュートをしようと判断した。
そうすれば、確実にシュートを打つことが出来る。ディフェンスが止めようと思えばファールするしかない。
すると、トラップした瞬間、ディフェンスが勢い余ってぶつかってきた。
彼は全速力で走っていたために、僕がカットインする形でトラップした時に止まれなかったのだ。多分、僕がそこにトラップすると予想していなかったのだろう。
僕は背中から思いっきり押されて、前につんのめった。
左足が1歩前に出たが勢いを堪えきれない。
近づく地面を見ながらこれは転げるしかないと観念した。
とっさに右手を着いて柔道の受け身のような形で転倒しようとした。痛い小指が気になった。
ガッと地面に肩が食い込む感触があった。
転倒した際には、反動で側頭部も地面に打ち付けた。
「それはあかんやろー」と僕は大きな声を上げた。
「大丈夫ですか」
とぶつかった若いディフェンダーの子が近寄ってきた。
「いたたたた」
肩がめちゃくちゃ痛い。
痛すぎて少し休むことにした。
頭も打っていてボーとしている。
それでも、打撲だったら大したことないだろうと思って少し休んでからプレーは続けたが、後ろから少し人と接触するだけでも肩に激痛が走る。
できるだけ人と接触しないようにプレーする。
さらに右腕を大きく振ると痛いので、ゆっくりとしか走ることは出来ない。
ボールを蹴ると肩に響く。
それでも、アドレナリンが出ていたせいかプレーは続けられていた。
休憩の時、ぶつかってきた子が「大丈夫ですか?体調変わりないですか?」と言ってきてくれた。
優しい子だなと思った。
彼がわざとファールしたのではないとわかっていたが、あまりの痛みに余裕もなく「骨が折れとるかもしれん」と言ってしまった。
実際、右肩を触るとぼこっと膨れ上がっていた。
ゴールになる確率が上がるがファールされる可能性のある右へのトラップではなく、シュートを出来なくなる可能性があったが左へトラップしとけばよかったと後悔したが、後の祭りである。
事故が起きたあとは後悔あとに立たずである。
このとき、親指の爪の黒いところはすでに爪の先端に達していた。
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