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初恋
初恋-透けた水着
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夏休みになると中学の同級生とつるんで海やプールに行ったり、福山や広島に買い物に行ったりした。
フェリーで岩子島に行くと、海の中に設置された飛び込み台から何度も何度も飛び込んだ。潮が引けば引くほど海が浅くなり、高くなって危険度が増していく。誰が一番潮が引いた高い時に飛び込めるかという度胸試しになった。
僕が最後に飛び込んだ時、浅い海の中は波で撹拌されて茶色い砂がまってて底が見えなかった。だから、特に度胸があったという訳では無いけれども平然と飛び込んだ。
思い切って飛び込むと、ズボッという音とほぼ同時に頭が砂に刺さった、上半身しか海に入らず逆立ちをした状態になり、そのままゆっくり体が海に倒れ込んだ。
脊椎に衝撃が走ったが、上手く海水や砂で力が逃げたのかそれほどダメージはなかった。
僕は肝を冷やして、テンションが下がった。1歩間違えば大怪我だった。
その後は、砂浜でのんびりしながら女の子の水着を眺めてすごした。
そうしているうちに黄色い水着の女の子の乳首が透けている事に気づいた。下の毛も透けている。たったそれだけの事に僕達は興奮してテンション爆上がりだった。もちろんその映像は頭の中に焼き付けて夜のおかずにした。
7月の終わりには住吉花火祭りがあった。男6人でつるんで人混みの中を歩き、ヤンキーに絡まれないようにしながら、浴衣姿の女の子を眺めた。花火は何度も空で鮮やかな色で光り、ヒューバリバリバリと音を伝えた。普段は見たことも無い程の大勢の人が集まり、熱気を帯びていた。尾道水道はいつもと変わらず潮の流れを作っている。
手を繋いだカップルが羨ましくていつか彼女を作って一緒に来る日を妄想した。
同級生の中にはこの夏、初体験をしたヤツらもチラホラ現れ始めた。僕はキスさえもしたことがなくて未知の世界だった。
偶然、本当に偶然ナオちゃんのグループを見かけた。だが、僕は中学の同級生と一緒にいたので声をかけずにやり過ごした。だけどナオちゃんは僕を見つけると
「しゅうくーん」と声をかけてきた。
僕は恥ずかしくて少しだけ手を挙げて合図した。それを目ざとく見つけた連れが「彼女かよ」と言って冷やかしてきたので、僕は「なんでもないよ」と言って照れた。実は、女の子から声をかけられるだけで少し自尊心がくすぐられていた。
ナオちゃんの事は気になっていたけど、僕は彼女よりも、小学生の頃から好きなふうちゃんの事がもっと気になっていた。ふうちゃんとは中学ではあまり話す事が出来なかったが、高校生になってから思い切って電話をかけてみた。脇の下や額に緊張の汗をかきながら電話した。
最初はあまり話題もなくてすぐに電話を切っていた。しかし、二週間に一度位電話をかけているうちに30分位は話をもたせることが出来るようになっていた。特に話が弾んで楽しいというわけではなかったのだが、こういう努力の延長線上にふうちゃんが僕の事を好きになってくれるんじゃないかと思っていた。しかし、弾まない話はふうちゃんにとっては退屈で迷惑だったのかもしれない。嫌われないように適度な間隔を開けながら電話した。
この頃の僕達ませている男子はとにかく焦っていて、どうしていいのか分からないもどかしさと闘っていた。早く彼女が欲しいし、キスもしたいし触れてみたい。だけどどうすれば正解なのか教科書には書いていない。アホみたいに調子のいいやつが彼女を作って初体験を済ませてしまっている。真面目で意気地のないやつほど出遅れていた。好きな女の子とものすごく仲良くなりたい。だけどそんな事永久に不可能に思われた。
そんなこんなであっという間に夏は終わり、学校が始まった。
フェリーで岩子島に行くと、海の中に設置された飛び込み台から何度も何度も飛び込んだ。潮が引けば引くほど海が浅くなり、高くなって危険度が増していく。誰が一番潮が引いた高い時に飛び込めるかという度胸試しになった。
僕が最後に飛び込んだ時、浅い海の中は波で撹拌されて茶色い砂がまってて底が見えなかった。だから、特に度胸があったという訳では無いけれども平然と飛び込んだ。
思い切って飛び込むと、ズボッという音とほぼ同時に頭が砂に刺さった、上半身しか海に入らず逆立ちをした状態になり、そのままゆっくり体が海に倒れ込んだ。
脊椎に衝撃が走ったが、上手く海水や砂で力が逃げたのかそれほどダメージはなかった。
僕は肝を冷やして、テンションが下がった。1歩間違えば大怪我だった。
その後は、砂浜でのんびりしながら女の子の水着を眺めてすごした。
そうしているうちに黄色い水着の女の子の乳首が透けている事に気づいた。下の毛も透けている。たったそれだけの事に僕達は興奮してテンション爆上がりだった。もちろんその映像は頭の中に焼き付けて夜のおかずにした。
7月の終わりには住吉花火祭りがあった。男6人でつるんで人混みの中を歩き、ヤンキーに絡まれないようにしながら、浴衣姿の女の子を眺めた。花火は何度も空で鮮やかな色で光り、ヒューバリバリバリと音を伝えた。普段は見たことも無い程の大勢の人が集まり、熱気を帯びていた。尾道水道はいつもと変わらず潮の流れを作っている。
手を繋いだカップルが羨ましくていつか彼女を作って一緒に来る日を妄想した。
同級生の中にはこの夏、初体験をしたヤツらもチラホラ現れ始めた。僕はキスさえもしたことがなくて未知の世界だった。
偶然、本当に偶然ナオちゃんのグループを見かけた。だが、僕は中学の同級生と一緒にいたので声をかけずにやり過ごした。だけどナオちゃんは僕を見つけると
「しゅうくーん」と声をかけてきた。
僕は恥ずかしくて少しだけ手を挙げて合図した。それを目ざとく見つけた連れが「彼女かよ」と言って冷やかしてきたので、僕は「なんでもないよ」と言って照れた。実は、女の子から声をかけられるだけで少し自尊心がくすぐられていた。
ナオちゃんの事は気になっていたけど、僕は彼女よりも、小学生の頃から好きなふうちゃんの事がもっと気になっていた。ふうちゃんとは中学ではあまり話す事が出来なかったが、高校生になってから思い切って電話をかけてみた。脇の下や額に緊張の汗をかきながら電話した。
最初はあまり話題もなくてすぐに電話を切っていた。しかし、二週間に一度位電話をかけているうちに30分位は話をもたせることが出来るようになっていた。特に話が弾んで楽しいというわけではなかったのだが、こういう努力の延長線上にふうちゃんが僕の事を好きになってくれるんじゃないかと思っていた。しかし、弾まない話はふうちゃんにとっては退屈で迷惑だったのかもしれない。嫌われないように適度な間隔を開けながら電話した。
この頃の僕達ませている男子はとにかく焦っていて、どうしていいのか分からないもどかしさと闘っていた。早く彼女が欲しいし、キスもしたいし触れてみたい。だけどどうすれば正解なのか教科書には書いていない。アホみたいに調子のいいやつが彼女を作って初体験を済ませてしまっている。真面目で意気地のないやつほど出遅れていた。好きな女の子とものすごく仲良くなりたい。だけどそんな事永久に不可能に思われた。
そんなこんなであっという間に夏は終わり、学校が始まった。
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