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川崎ハウス
川崎ハウス-後ろから
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その日の釣りは超集中した。 大物を釣ってエリちゃんにいい所を見せたいという一心だった。
しかし、そううまくは行かず小さなアジやメジナばかりだった。
それでも晩のオカズになるくらいは釣れたのでなんとか面目は保てたと言うところだった。
僕は川崎ハウスに帰ると、エリちゃんの部屋をノックして釣果を報告した。
「これだけしか釣れなかったけど、晩のオカズにはなるでしょ」
僕は、美味しく頂くために、釣れた魚はその場でしめている。なのでクーラーボックスの中はグロテスクな血だらけの魚だらけだったが、エリちゃんは全く気味悪がらず、
「凄い、凄い」と喜んでくれた。
僕は一旦シャワーを浴びて部屋に戻り、魚を捌いて刺身と塩焼きをつくっていた。するとコンコンと部屋のドアがノックされた。
「一緒に食べよう」と彼女が炊飯ジャーを持って立っていた。
「こんな美味しい刺身食べたことない」と彼女はもりもり食べてくれた。
「釣れてすぐに血抜きをしておくと味が全然違うんだよ」と、僕は説明した。
それはダジャレなのかどうなのかと彼女に指摘され、僕はもちろん否定した。そんな感じで盛り上がりながら、この日は少しお酒も入って二人で食事を楽しんだ。
食後の後かたづけは私がすると言ってエリちゃんはキッチンで皿洗いをしてくれた。僕は手持ち無沙汰だったので、そんな彼女を後ろで見ていた。うなじの近くに小さなホクロがあった。僕はそれを発見した瞬間、愛おしくなり彼女を後ろから抱きしめたくなった。
心臓の鼓動が速くなった。
流石にここで後ろから抱きしめるのは早すぎると思った。僕はこれまでの恋愛経験ではちゃんと付き合ってそれなりの過程を踏んでからそういう行為に及んだ。エリちゃんにはまだ「好き」とも言ったことがないし、キスもしたことがないのだ。
僕が勇気が出ないままでいると、皿洗いは終わろうとしていた。このままでは彼女は皿洗いを終えて部屋に帰ってしまう。
僕は思い切って彼女を後ろから抱きしめた。もちろん力ずくでどうこうしようという気は毛頭無い。もしも、拒絶されたら謝ろう。引っ越すまでは気まづくなるかもしれないが、いまは彼女が愛おしいという気持ちを伝えたかった。
「ど、どうしたの」彼女は当然驚いた。
僕はそのまま後ろから彼女を抱きしめるというか、それほど力をいれていなかったのでハグをしている感じになっていた。
「ちょっ、ちょっと待ってて」と言って彼女はボクを振りほどいて部屋に帰って行った。
僕は畳の上にあぐらをかいて座り、動揺していた。
あーやっちまった。
これは犯罪行為なのかどうか。エリちゃんの気持ち次第でどうなるか分からない。僕は裁判を受けている心境で彼女の反応を待っていた。
しかし、彼女はどうやらシャワーを浴びにいっているようだった。
それから再び僕の部屋に現れた時、彼女はパジャマ姿だった。
しかし、そううまくは行かず小さなアジやメジナばかりだった。
それでも晩のオカズになるくらいは釣れたのでなんとか面目は保てたと言うところだった。
僕は川崎ハウスに帰ると、エリちゃんの部屋をノックして釣果を報告した。
「これだけしか釣れなかったけど、晩のオカズにはなるでしょ」
僕は、美味しく頂くために、釣れた魚はその場でしめている。なのでクーラーボックスの中はグロテスクな血だらけの魚だらけだったが、エリちゃんは全く気味悪がらず、
「凄い、凄い」と喜んでくれた。
僕は一旦シャワーを浴びて部屋に戻り、魚を捌いて刺身と塩焼きをつくっていた。するとコンコンと部屋のドアがノックされた。
「一緒に食べよう」と彼女が炊飯ジャーを持って立っていた。
「こんな美味しい刺身食べたことない」と彼女はもりもり食べてくれた。
「釣れてすぐに血抜きをしておくと味が全然違うんだよ」と、僕は説明した。
それはダジャレなのかどうなのかと彼女に指摘され、僕はもちろん否定した。そんな感じで盛り上がりながら、この日は少しお酒も入って二人で食事を楽しんだ。
食後の後かたづけは私がすると言ってエリちゃんはキッチンで皿洗いをしてくれた。僕は手持ち無沙汰だったので、そんな彼女を後ろで見ていた。うなじの近くに小さなホクロがあった。僕はそれを発見した瞬間、愛おしくなり彼女を後ろから抱きしめたくなった。
心臓の鼓動が速くなった。
流石にここで後ろから抱きしめるのは早すぎると思った。僕はこれまでの恋愛経験ではちゃんと付き合ってそれなりの過程を踏んでからそういう行為に及んだ。エリちゃんにはまだ「好き」とも言ったことがないし、キスもしたことがないのだ。
僕が勇気が出ないままでいると、皿洗いは終わろうとしていた。このままでは彼女は皿洗いを終えて部屋に帰ってしまう。
僕は思い切って彼女を後ろから抱きしめた。もちろん力ずくでどうこうしようという気は毛頭無い。もしも、拒絶されたら謝ろう。引っ越すまでは気まづくなるかもしれないが、いまは彼女が愛おしいという気持ちを伝えたかった。
「ど、どうしたの」彼女は当然驚いた。
僕はそのまま後ろから彼女を抱きしめるというか、それほど力をいれていなかったのでハグをしている感じになっていた。
「ちょっ、ちょっと待ってて」と言って彼女はボクを振りほどいて部屋に帰って行った。
僕は畳の上にあぐらをかいて座り、動揺していた。
あーやっちまった。
これは犯罪行為なのかどうか。エリちゃんの気持ち次第でどうなるか分からない。僕は裁判を受けている心境で彼女の反応を待っていた。
しかし、彼女はどうやらシャワーを浴びにいっているようだった。
それから再び僕の部屋に現れた時、彼女はパジャマ姿だった。
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