【蜜味】 怖がりの人には怖すぎるかも知れない短編集

MJ

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SMプレー中に火事になりけり

SMプレー中に火事になりけり

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中田夫妻はSMプレーを日常的に楽しんでいた。

その日も、夫は妻を紐で縛り身動き出来ない状態にして楽しんでいた。

マンネリ化した夫婦ではこういったことはよくあるプレーなのか、それとも稀なのかはわからない。

人の寝室を除くことは出来ない。

ただ、大人の玩具ショップやネットで身につけた知識で楽しんでいた。

ロウソクに何本も火をつけて、妻の肌の上にたらす。

「熱い!」

「あちっ」

という妻の声がとても可愛らしい。

この刺激を経験すると元へは戻れない。

もっと強い刺激を求めるようになる。

赤いロウソクをボタボタと妻の白い肌にたらす。

「あっつぅーい」

そうやって妻の反応を楽しんでいた時に、夫は足元のロウソクを足で踏んで倒してしまった。

倒れたところには運悪くというかいつものように使用済みティッシュが山盛りになっていた。

夫はバケツに水をくみにふろ場に急いだ。

直ぐに火は燃え広がり、畳が焦げ始め、近くにあった灯油に引火した。

夫がバケツに水を汲んで帰ってきた頃には寝室は火の海となっていた。

なんとか妻を助けようとするも近寄れない。

夫は妻の名前を叫んだ。


妻は焦っていた。
先程までの夫の失態を目にしていた。
馬鹿な旦那め。
体を縛られて身動きが取れない。

後ろ手で縛られているロープを何とかしなければならない。

こんな紐に縛られた状態で焼死体として発見されるのだけはなんとか阻止しなければならない。

迫りよってくる火の海。

そうだ。

このロープを火で焼いて切ろう。
そう思いつき自ら火に近づくが熱すぎる。

ロープを焼く前に手が焼けてしまう。

そうこうしているうちに消防車が駆けつけ火を消してしまった。

部屋からはロープで縛られた全裸の妻が発見された。
踏み込んだ三人の消防隊員は目を見合わせた。

夫は外で消火活動に参加していたものの、殺人未遂の疑いがかけられて事情聴取を受けた。

DVの疑いもかけられたが、結局妻の証言でSMプレーだったことが判明して釈放されることになった。

トータルすると、とても刺激の強いプレーとなったが、修理にかかった費用が半端なかった。

妻はその後羞恥プレーにハマったそうだ。
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