【蜜味】 怖がりの人には怖すぎるかも知れない短編集

MJ

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シューティング

シューティング4

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二階の赤鬼と青鬼は奥にある部屋に向かった。予定ではこの部屋に立てこもり特殊部隊と交戦する予定だ。死は覚悟している。捕まるくらいなら最後は自殺するつもりでいる。

部屋の中では十数人がバリケードを作って部屋の中に犯人が入ってくるのを阻止しようとしていた。

赤鬼と青鬼はドアが開かないことを確認すると手榴弾を取り出してピンを抜いた。

ドカーンという爆発音とともにドアが破壊された。
部屋の内側のバリケード近くにいた大学生二人が負傷した。

赤鬼は破壊されたドアから機関銃を差し込むとランダムに発砲しまくった。部屋の中で無防備に立っていた者は被弾して倒れ込んだ。その数四人。

赤鬼と青鬼はドアを蹴り破ると部屋の中になだれ込んだ。

この部屋は視聴覚室となっており、DVDやCDが鑑賞出来るようになっていた。

部屋は細かくパーティションで区切られていたので隠れる事が可能であった。被弾していない者はパーティションの陰に逃げた。

ティムはパーティションの一角に隠れて身を潜めていた。
ティムは柔道の有段者で、犯人の隙を見て銃を奪い取ろうと考えていた。

コツコツコツコツ

と赤鬼の近づく音が聞こえる。

ババババッ

と時折銃撃して死角を警戒しながら歩いている。

ティムは赤鬼が近づいた時を見計らって、赤鬼に掴みかかった。何発か発射されたが、ティムの脇をかすめて飛んで行った。
赤鬼は銃口をティムに向けようとしたが、ティムは素早く赤鬼の後ろに回り込み首を締め上げた。
赤鬼は銃口を背中に向けて来た。
この銃口から弾が発射されれば間違いなくティムの肩に当たる。
そうはさせまいとティムの腕に力が入る。

グググッ

と首を締め上げる。

赤鬼の銃を持つ手が震える。

ガクッ

と銃を持つ手から力が抜けた。

赤鬼は気を失った。

ティムは赤鬼のマシンガンを奪うと青鬼に向けて発射した。
虚をつかれた青鬼の腕に弾が当たり血が滲んだ。

「シット!!!」
青鬼は叫びながら伏せた。

ティムは間髪入れずに青鬼の隠れた場所まで移動して青鬼を撃った。
ティムは無我夢中でマシンガンを発射したので、青鬼の顔は弾が被弾して元の形を失っていた。おそらく即死だろう。脳の中から白い液体が滲み出ている。

ティムは青鬼のマシンガンを奪い、部屋の外の様子を伺った。

一階からマシンガンの音が聞こえる。
犯人はまだ二人いる。

ティムは赤鬼に近づきマスクを剥ぎ取った。
赤鬼の正体は、18歳くらいと思われる金髪の少年であった。まだ気絶している。

ティムは赤鬼のコートを剥ぎ取り、そのコートを着てマスクを被った。

ティムは赤鬼になりすまして一階へと降りた。


12時25分現在(犯人乱入から20分経過)

死者 26人 

一階エントランスホール 2人(即死)
一階受付 3人(即死)
一階トイレ 1人(即死)
階段付近  8人(7人即死、1人失血死)
二階 テーブル席付近 5人(3人即死、2人失血死)
二階 本棚付近 2人(即死)
二階 ソファ 付近 1人(即死)
二階 視聴覚室 3人(2人失血死、1人即死(青鬼))
外庭 2人 (失血死)

負傷者  32人 

一階エントランスホール 5人
二階本棚付近 13人
二階テーブル席付近 1人
二階ソファ付近 1人
二階視聴覚室 2人
外庭 10人
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