14 / 25
第一章 運命の人
球技大会2日目②おっぱいのゆくえ
しおりを挟む
それからのしゅんの動きは全く別人であった。スタタタタタとドリブルをして切れ込んではシュートを決めた。
「は、速い」
前に行くと見せかけてバックステップでスリーポイントシュートも奪った。
中島、コウキ、シュンの3人の連係で攻撃されると3年生のバスケ部キャプテンもなすすべがなかった。
「何が起こったんだ?」
しゅんが突如やる気に目覚めたので、みんな驚いた。
「なになになに?しゅんくんかっこいい」とあけみちゃんも思わず声をあげる。
「あいつ、ほんまアホじゃ。早くから本気出せよ」
ともみだけがしゅんがやる気を出している理由を知っていて、その邪心にうなだれた。
とにかく準決勝は勝ち上がった。3年生、特にバスケ部のキャプテンは負けたことに納得いかないようだった。
ともかく次は決勝だ。
決勝の相手はなんと1年1組。1年生同士の対決だ。
中島が言うには相手チームにはバスケ部のエースがいるらしい。バスケ部員が2人がかりで守っても止められないとんでもないやつらしい。
「そんなのに怖気付くな。死ぬ気で頑張ろう」
さっきまでちんたらやっていたしゅんが言うのでみんな笑った。
「おまえどうしたんだよ。急に。何かあったのか?」
「いや、理由は言えないんだけど、とにかく優勝しよう。優勝したら死んでもいい」
「しゅんがそこまで言うなら可能性はあるぞ。全部出し切ろう」
「おう!」
2階ではクラスのみんなが声援を送っている。
ともみは優勝したらしゅんに胸を見せる約束をしてしまったので、1人複雑な気持ちだった。優勝されては困るし、優勝して欲しい。優勝しても胸を見せずに何とかごまかせる方法はないだろうか。
そんな事を考えていると、幼馴染のさちが現れた。
「ともみー」
「さちー」
「久しぶり」
「だね」
「1年生同士で決勝なんてすごいね」
「うん。うちが優勝貰うからね」
「いやいや。うちのクラスは強いよ。なんてったってわたしの彼氏がいるからね」
「え、さち。彼氏が出来たの?どれどれ?」
「はら、あそこで手を振ってくれてる」
爽やかイケメンがさちに手を振っている。
さちも手を振り返す。
「ええー。あの人?カッコイイじゃん。なんて言う名前?」
「栗生あきひとくん。バスケ部なの」
ともみは横目でさちを見た。
とても楽しそうで、美しい。恋する乙女はさらに美しくなったようだ。うらやましい。
「しゅん。うちのクラスに勝ったら承知せんけえな」
そう言って大声を張り上げている女子がいる。
しゅんは苦笑いをしている。
ともみには見覚えがあった。しゅんとよく一緒に帰っている子だ。
「あの子、誰?」
「ああ、うちのクラスの丸山きょうこさん。わかりやすいでしょ。あの子。しゅんくんの事が好きみたい」
「えっ!そうなんだ」
「同じ中学出身で方角一緒だからよく一緒に帰ってるよ。あの中学出身の子達みんな仲良くて呼び捨てで呼びあってるんよね」
ともみはなんだかよく分からないけどモヤモヤしたものを感じた。
あの子もしゅんから胸を見せてって言われてるんだろうか。そして、一緒に帰った時には見せてるのだろうか。そんな事、高校1年生でしてはいけないんじゃないだろうか。いや、ませた子達はみんなやっていることなんだろうか。
なんだか胸の奥が不安でいっぱいになった。
そして心配している父親の顔がふと頭をよぎった。
そんな事を考えていると、試合は既に始まっていた。
コウキがドリブルシュートで幸先よく先制するも、1組は栗生くんにボールを集めて簡単に得点を奪う。
栗生くんがボールを持つと奪われることはないし、シュートを外すこともない。
なんと言ったってジャンプ力と上半身の筋力が違う。ゴールの少し離れたところから高くジャンプしてバランスを崩すことなくシュートを決める。
4組が攻撃してシュートを外すと栗生くんがリバウンドを全て取ってしまい、点差はどんどん広がるばかり。
しゅんは途中から栗生くんを止めようとずっとマークをして得点を阻止しようとするが、あっさりとかわされ続ける。普段からの鍛え方が違うのだ。
点差はどんどん開き、後半途中からは誰しもが勝ち目が無くなったと思っていた。
しゅんだけはそれでも最後まで集中して頑張ってる。
ともみはしゅんがいつになくムキになってるなあと思った。とても荒く息をしている。
ともみは負けても全力を尽くしているしゅんに熱いものを感じた。
ところが、突然しゅんが崩れ落ちるようにその場に倒れこんだ。
「は、速い」
前に行くと見せかけてバックステップでスリーポイントシュートも奪った。
中島、コウキ、シュンの3人の連係で攻撃されると3年生のバスケ部キャプテンもなすすべがなかった。
「何が起こったんだ?」
しゅんが突如やる気に目覚めたので、みんな驚いた。
「なになになに?しゅんくんかっこいい」とあけみちゃんも思わず声をあげる。
「あいつ、ほんまアホじゃ。早くから本気出せよ」
ともみだけがしゅんがやる気を出している理由を知っていて、その邪心にうなだれた。
とにかく準決勝は勝ち上がった。3年生、特にバスケ部のキャプテンは負けたことに納得いかないようだった。
ともかく次は決勝だ。
決勝の相手はなんと1年1組。1年生同士の対決だ。
中島が言うには相手チームにはバスケ部のエースがいるらしい。バスケ部員が2人がかりで守っても止められないとんでもないやつらしい。
「そんなのに怖気付くな。死ぬ気で頑張ろう」
さっきまでちんたらやっていたしゅんが言うのでみんな笑った。
「おまえどうしたんだよ。急に。何かあったのか?」
「いや、理由は言えないんだけど、とにかく優勝しよう。優勝したら死んでもいい」
「しゅんがそこまで言うなら可能性はあるぞ。全部出し切ろう」
「おう!」
2階ではクラスのみんなが声援を送っている。
ともみは優勝したらしゅんに胸を見せる約束をしてしまったので、1人複雑な気持ちだった。優勝されては困るし、優勝して欲しい。優勝しても胸を見せずに何とかごまかせる方法はないだろうか。
そんな事を考えていると、幼馴染のさちが現れた。
「ともみー」
「さちー」
「久しぶり」
「だね」
「1年生同士で決勝なんてすごいね」
「うん。うちが優勝貰うからね」
「いやいや。うちのクラスは強いよ。なんてったってわたしの彼氏がいるからね」
「え、さち。彼氏が出来たの?どれどれ?」
「はら、あそこで手を振ってくれてる」
爽やかイケメンがさちに手を振っている。
さちも手を振り返す。
「ええー。あの人?カッコイイじゃん。なんて言う名前?」
「栗生あきひとくん。バスケ部なの」
ともみは横目でさちを見た。
とても楽しそうで、美しい。恋する乙女はさらに美しくなったようだ。うらやましい。
「しゅん。うちのクラスに勝ったら承知せんけえな」
そう言って大声を張り上げている女子がいる。
しゅんは苦笑いをしている。
ともみには見覚えがあった。しゅんとよく一緒に帰っている子だ。
「あの子、誰?」
「ああ、うちのクラスの丸山きょうこさん。わかりやすいでしょ。あの子。しゅんくんの事が好きみたい」
「えっ!そうなんだ」
「同じ中学出身で方角一緒だからよく一緒に帰ってるよ。あの中学出身の子達みんな仲良くて呼び捨てで呼びあってるんよね」
ともみはなんだかよく分からないけどモヤモヤしたものを感じた。
あの子もしゅんから胸を見せてって言われてるんだろうか。そして、一緒に帰った時には見せてるのだろうか。そんな事、高校1年生でしてはいけないんじゃないだろうか。いや、ませた子達はみんなやっていることなんだろうか。
なんだか胸の奥が不安でいっぱいになった。
そして心配している父親の顔がふと頭をよぎった。
そんな事を考えていると、試合は既に始まっていた。
コウキがドリブルシュートで幸先よく先制するも、1組は栗生くんにボールを集めて簡単に得点を奪う。
栗生くんがボールを持つと奪われることはないし、シュートを外すこともない。
なんと言ったってジャンプ力と上半身の筋力が違う。ゴールの少し離れたところから高くジャンプしてバランスを崩すことなくシュートを決める。
4組が攻撃してシュートを外すと栗生くんがリバウンドを全て取ってしまい、点差はどんどん広がるばかり。
しゅんは途中から栗生くんを止めようとずっとマークをして得点を阻止しようとするが、あっさりとかわされ続ける。普段からの鍛え方が違うのだ。
点差はどんどん開き、後半途中からは誰しもが勝ち目が無くなったと思っていた。
しゅんだけはそれでも最後まで集中して頑張ってる。
ともみはしゅんがいつになくムキになってるなあと思った。とても荒く息をしている。
ともみは負けても全力を尽くしているしゅんに熱いものを感じた。
ところが、突然しゅんが崩れ落ちるようにその場に倒れこんだ。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ドSでキュートな後輩においしくいただかれちゃいました!?
春音優月
恋愛
いつも失敗ばかりの美優は、少し前まで同じ部署だった四つ年下のドSな後輩のことが苦手だった。いつも辛辣なことばかり言われるし、なんだか完璧過ぎて隙がないし、後輩なのに美優よりも早く出世しそうだったから。
しかし、そんなドSな後輩が美優の仕事を手伝うために自宅にくることになり、さらにはずっと好きだったと告白されて———。
美優は彼のことを恋愛対象として見たことは一度もなかったはずなのに、意外とキュートな一面のある後輩になんだか絆されてしまって……?
2021.08.13
隠れドS上司をうっかり襲ったら、独占愛で縛られました
加地アヤメ
恋愛
商品企画部で働く三十歳の春陽は、周囲の怒涛の結婚ラッシュに財布と心を痛める日々。結婚相手どころか何年も恋人すらいない自分は、このまま一生独り身かも――と盛大に凹んでいたある日、酔った勢いでクールな上司・千木良を押し倒してしまった!? 幸か不幸か何も覚えていない春陽に、全てなかったことにしてくれた千木良。だけど、不意打ちのように甘やかしてくる彼の思わせぶりな言動に、どうしようもなく心と体が疼いてしまい……。「どうやら私は、かなり独占欲が強い、嫉妬深い男のようだよ」クールな隠れドS上司をうっかりその気にさせてしまったアラサー女子の、甘すぎる受難!


ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる