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第一章 運命の人
球技大会2日目①優勝したらおっぱい見てもいいよ
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球技大会の2日目。準決勝と決勝は放課後に行われる。
バレー部の宮本は痛そうに松葉杖をついていた。
朝から教室がざわついた。
「大丈夫か」とバスケ部の中島が声をかける。
「足首の靭帯がやられてたわ。治るのに2、3週間はかかるって」
足首は痛々しく腫れ上がっている。
「さすがにこれじゃあ今日は無理だよな」と中島は肩を落とす。
「わりぃな」と宮本もうつむいた。
ともみは背の高い宮本くんが出れないんじゃあ
さすがに今日は難しいなと思った。
「まあ、まあ。残りのメンバーでやれるだけやってみるしかないじゃん」とコウキがみんなを元気づけるように言った。
ともみはうんうん、そうだそうだと頷いた。コウキはいつも前向きで清々しい。やっぱりコウキは理想的な男子だ。
それに比べてしゅんは関係ないような顔をして隣の女子と喋っている。
こいつがもう少し本気を出せばなあと思ってしまう。
昼休憩、ともみはしゅんに声をかけた。
「おい元幼馴染。今日の準決勝はちゃんと本気でやってよ」
「いつだって本気出してるよ」
「昨日はぜんぜん本気出てないように見えるんだけど。汗もあんまりかいてなかったし」
「いやいやあれが全力なの」
「どうやったら君はもっと頑張れるのかな?」
「そうだな。優勝したらおっぱいみせてくれるっていうのなら死ぬ気で頑張る」
「はあ?何言ってんの?このおっぱいバカ。みんな普通に頑張ってるって言うのに恥ずかしくないの?」
ともみは馬鹿らしくなって自分の席に戻った。
放課後になっていよいよ準決勝が始まった。
相手は3年生。バスケ部のキャプテンがいる強豪。普通に戦っても勝ち目は無い。
ともみ達クラスメイトは2階から応援した。
1年4組本気チームの作戦は、バスケ部の中島が囮になって、コウキの速攻としゅんのスリーポイントシュートで得点をするというもの。
最初、油断している相手に対して、コウキの速攻が上手くはまり、得点できた。
しかし、徐々に追い上げられ、得点差が無くなった。
しゅんは相変わらず後ろの方でちんたらプレーしている。
前半は、しゅんの放ったスリーポイントシュートが外れて、逆転されて終わった。
ああああ
とクラスメイトのため息が漏れる。
それでも前半は健闘したほうだ。みんな肩で息をして疲れが見える。疲れてないのはしゅんとベンチにいたしんじくらいのものだった。
「後半はしんじも出てもらうから。順番に休まないと1試合持たないよ。宮本の判断で疲れているやつ交代してくれ」とコウキが指示を出す。
「わかった」
しんじは不安そうにベンチに座っている。
動けなくなったラグビー部の澤部がしんじと代わった。
しゅんはしんじに何か耳打ちした。
その後、相手のボールを奪ってしゅんにボールが渡ると、しゅんは相手のゴールめがけてボールを投げた。
シュート?
さすがに遠すぎると誰しも思ったが、ゴール下にしんじがいてボールをキャッチした。しんじはシュートを打たない。自分が打っても入らないからだ。それにしゅんから打つなと言われている。
「コウキ走れ」
と、しゅんが叫んだ。
コウキがゴール下まで猛然と走ってボールを受け取りそのままゴールした。
気配の薄いしんじに相手チームの誰もマークをしていなかったのだ。
このゴールをきっかけにしんじにもマークがつくことになり、相手の攻めが1人削がれた。そして試合は一進一退の状況になった。
しかし、交代人数の少ない1年4組本気チームは徐々に押されはじめた。連続ゴールを奪われた時、
「タイム」とたまらず宮本がタイムアウトを取った。
「どうする?このままじゃ負けるぞ」
「しゅん、もうちょっと前に出れないか。お前がもう少し走ってくれれば勝てるかもしれん」
みんな肩で息をしている中、しゅんだけがのらりくらりとプレートしていて、息も上がっていない。
「そんなこと言ったって、俺は全力なんだよ」
ともみは頑張っているみんなをみて何とかしたいと思った。ともみはベンチに駆け寄った。ニンジンを垂らしてみるのも悪くない。ともみはしゅんを呼んで小声で言った。
「優勝したらおっぱい見てもいいよ」
「まじ?ほんとに?」
しゅんの頬が緩み、鼻の下が伸びて、ヤラシイ目がともみの胸元をみた。
「死ぬ気で頑張ります!」しゅんは敬礼をしてコートに向かった。
バレー部の宮本は痛そうに松葉杖をついていた。
朝から教室がざわついた。
「大丈夫か」とバスケ部の中島が声をかける。
「足首の靭帯がやられてたわ。治るのに2、3週間はかかるって」
足首は痛々しく腫れ上がっている。
「さすがにこれじゃあ今日は無理だよな」と中島は肩を落とす。
「わりぃな」と宮本もうつむいた。
ともみは背の高い宮本くんが出れないんじゃあ
さすがに今日は難しいなと思った。
「まあ、まあ。残りのメンバーでやれるだけやってみるしかないじゃん」とコウキがみんなを元気づけるように言った。
ともみはうんうん、そうだそうだと頷いた。コウキはいつも前向きで清々しい。やっぱりコウキは理想的な男子だ。
それに比べてしゅんは関係ないような顔をして隣の女子と喋っている。
こいつがもう少し本気を出せばなあと思ってしまう。
昼休憩、ともみはしゅんに声をかけた。
「おい元幼馴染。今日の準決勝はちゃんと本気でやってよ」
「いつだって本気出してるよ」
「昨日はぜんぜん本気出てないように見えるんだけど。汗もあんまりかいてなかったし」
「いやいやあれが全力なの」
「どうやったら君はもっと頑張れるのかな?」
「そうだな。優勝したらおっぱいみせてくれるっていうのなら死ぬ気で頑張る」
「はあ?何言ってんの?このおっぱいバカ。みんな普通に頑張ってるって言うのに恥ずかしくないの?」
ともみは馬鹿らしくなって自分の席に戻った。
放課後になっていよいよ準決勝が始まった。
相手は3年生。バスケ部のキャプテンがいる強豪。普通に戦っても勝ち目は無い。
ともみ達クラスメイトは2階から応援した。
1年4組本気チームの作戦は、バスケ部の中島が囮になって、コウキの速攻としゅんのスリーポイントシュートで得点をするというもの。
最初、油断している相手に対して、コウキの速攻が上手くはまり、得点できた。
しかし、徐々に追い上げられ、得点差が無くなった。
しゅんは相変わらず後ろの方でちんたらプレーしている。
前半は、しゅんの放ったスリーポイントシュートが外れて、逆転されて終わった。
ああああ
とクラスメイトのため息が漏れる。
それでも前半は健闘したほうだ。みんな肩で息をして疲れが見える。疲れてないのはしゅんとベンチにいたしんじくらいのものだった。
「後半はしんじも出てもらうから。順番に休まないと1試合持たないよ。宮本の判断で疲れているやつ交代してくれ」とコウキが指示を出す。
「わかった」
しんじは不安そうにベンチに座っている。
動けなくなったラグビー部の澤部がしんじと代わった。
しゅんはしんじに何か耳打ちした。
その後、相手のボールを奪ってしゅんにボールが渡ると、しゅんは相手のゴールめがけてボールを投げた。
シュート?
さすがに遠すぎると誰しも思ったが、ゴール下にしんじがいてボールをキャッチした。しんじはシュートを打たない。自分が打っても入らないからだ。それにしゅんから打つなと言われている。
「コウキ走れ」
と、しゅんが叫んだ。
コウキがゴール下まで猛然と走ってボールを受け取りそのままゴールした。
気配の薄いしんじに相手チームの誰もマークをしていなかったのだ。
このゴールをきっかけにしんじにもマークがつくことになり、相手の攻めが1人削がれた。そして試合は一進一退の状況になった。
しかし、交代人数の少ない1年4組本気チームは徐々に押されはじめた。連続ゴールを奪われた時、
「タイム」とたまらず宮本がタイムアウトを取った。
「どうする?このままじゃ負けるぞ」
「しゅん、もうちょっと前に出れないか。お前がもう少し走ってくれれば勝てるかもしれん」
みんな肩で息をしている中、しゅんだけがのらりくらりとプレートしていて、息も上がっていない。
「そんなこと言ったって、俺は全力なんだよ」
ともみは頑張っているみんなをみて何とかしたいと思った。ともみはベンチに駆け寄った。ニンジンを垂らしてみるのも悪くない。ともみはしゅんを呼んで小声で言った。
「優勝したらおっぱい見てもいいよ」
「まじ?ほんとに?」
しゅんの頬が緩み、鼻の下が伸びて、ヤラシイ目がともみの胸元をみた。
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