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武器倉庫
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アスカとエドワルド王子はサッと離れた。
抱き合っているところを誰かに見られたらまずいとアスカはとっさに思った。とくに令嬢たちに知られたらとんでもない騒ぎになるかもしれない。
ただ、王子と体が離れる時に名残り惜しい気持ちがした。出来ればいつまでも王子に触れていたかった。
2人が開いたドアの方を見るとペルーラが入ってきていた。
「なんだ、猫か」と言うと王子は再びアスカの方に近づいた。しかし、アスカは王子から離れた。なぜならペルーラに見られるのが恥ずかしかったからだ。
気まずい空気が流れた。
そこへペルーラが走りよってきた。
「お邪魔して悪いけど、この教会の裏山で大変なものを見つけたよ。ジャルジャンが何をして稼いでいるのかがわかった」
「何なの?」
「離れに武器倉庫があった。武器を売って儲けているみたい」
「武器ってどんな武器?」
「鉄製の剣や盾、槍、矢、鎧とかだよ。それに銃もあった。気になるものもあるんだよね。ついてきて」と言ってペルーラは教会の外に出た。
アスカがペルーラの後を追うと、王子もついてきた。
「アスカ殿、待ってください。もしかして怒っています?」
「そんな事ないです。ペルーラが見せたいものがあるって」
王子は意味がよく分からなかったが、アスカが怒ってないことを知ると安心した。
武器倉庫の中には鉄製の剣や盾、槍、矢、鎧がずらりと並んでいた。
「なんだこの武器は!」エドワルド王子は叫びながら、武器を物色した。
「どれもこれも鉄でできている。この辺りは赤い鉄鉱石が沢山取れると聞いているが、こんなにも贅沢に鉄を使っている武器は見た事がない。それに銃まであるじゃないか。こんな数の銃はいままで見たが事ない」
「ジャルジャンは武器商人なのね」
「どうやらそうみたいだな。北方の国で戦争が泥沼化していると聞いた。きっとそこに売りつけて大儲けしているのだろう」
「にゃー、にゃー」とペルーラが奥の方で呼んでいる。
そこには大きな木の箱がいくつもならんでいた。
抱き合っているところを誰かに見られたらまずいとアスカはとっさに思った。とくに令嬢たちに知られたらとんでもない騒ぎになるかもしれない。
ただ、王子と体が離れる時に名残り惜しい気持ちがした。出来ればいつまでも王子に触れていたかった。
2人が開いたドアの方を見るとペルーラが入ってきていた。
「なんだ、猫か」と言うと王子は再びアスカの方に近づいた。しかし、アスカは王子から離れた。なぜならペルーラに見られるのが恥ずかしかったからだ。
気まずい空気が流れた。
そこへペルーラが走りよってきた。
「お邪魔して悪いけど、この教会の裏山で大変なものを見つけたよ。ジャルジャンが何をして稼いでいるのかがわかった」
「何なの?」
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アスカがペルーラの後を追うと、王子もついてきた。
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王子は意味がよく分からなかったが、アスカが怒ってないことを知ると安心した。
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「ジャルジャンは武器商人なのね」
「どうやらそうみたいだな。北方の国で戦争が泥沼化していると聞いた。きっとそこに売りつけて大儲けしているのだろう」
「にゃー、にゃー」とペルーラが奥の方で呼んでいる。
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