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第2章 カミスナ廃城
2.窓の鍵
しおりを挟む「こちらが、これからのご予定です」
「どうも親切にありがとうございます」
軍服の男は、これでもかとばかりに丁寧に…まるで、高級ホテルのウエイターのような手つきで、ミアナにスケジュール表なのであろう。冊子を渡した。
「オレたちにはー?」
ブームの気の抜けたような声に、軍服の男の視線が刺さる。
「あ…すみません」
立派な室内に案内されたのはいいものの。使わなくなった王宮の再利用とは言っても、随分とくつろぎ過ぎてはないか?この組織。と思いつつ、ヤドクは部屋中を偵察する。
「へぇ~窓には鍵が掛かってるみたいだね。しかも、外側から」
そう言って、ヤドクはコツコツと足元から天井にかけて伸びる窓を叩く。バルコニーも同様に、外から鍵がかけられており、外へ出ることはままならないようだ。
「えー!せっかく景色楽しめると思ったのにー!」
ブームが口をへの字に曲げ、駄々をこねる。
「…それとも、この組織さ。ボクらが犯罪者で、逃げる可能性が高い。ってこと、あらかじめ把握してたりね」
「まったく、ヤドクは用心深いんだから。そんなこと把握してても、逃げるのは勝手じゃないの?」
「…そうかな」
ガラスカッターで窓を突き破ろうと試し見るアダムだったが、そうとう頑丈のようだ。こうなれば、隙をついて逃げるしかないな。と自己処理。
「えーっと、これからの予定はー…お!いきなり階級試験だってー!」
「え、ダル」
「でも、この試験でいい成績残せば、めっちゃ豪華な部屋がもらえるんだって、さっきも言ったじゃんか、アダム」
「お前はいいよな、気楽で。ブーム」
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